火曜日, 8月 05, 2003

[ゲイと戦争]

365Gay.com にゲイと戦争についてのニュースがスペシャルレポート「Gay & War」として纏まっている。

War In Iraq

この中でも興味深いのが「ゲイの視点」でバグダットの様子を伝える記事(
Gay Eye On Baghdad)で、ここでは、 Salam Pax なるイラク在住の人物のウェブログが紹介されている。

http://dear_raed.blogspot.com/

月曜日, 8月 04, 2003

[米、ゲイの司教承認へ]

アメリカの監督派教会(英国国教会)は、ゲイを公言しているジーン・ロビンソン氏(Gene Robinson )の司教(Bishops)就任を承認する方向で検討しているということです。

US Church approves gay bishop (BBC News)

記事によると、最終的な投票はまだ残っているが、ロビンソン氏の就任はほぼ確実だという見通し。もちろん宗教的リーダーということで、ロビンソン氏の司教就任に関しては内外で論争が起き、反対する教会関係者もいるようだ。

ロビンソン氏はこう述べている。「ゲイの司教というよりも、一人の立派な司教として、ゲイやレズビアンの信徒のためにより力になりたい」



日曜日, 8月 03, 2003

[更新状況]

Iron Gate にジョナサン・レセム 『銃、ときどき音楽』 を追加しました。

土曜日, 8月 02, 2003

専門用語を専門外の人が口にするとどうなるか……

というソーカルらの『知の欺瞞』を踏まえての、ジャック・ブーヴレスの『アナロジーの罠』の書評。

http://www.mainichi.co.jp/life/dokusho/2003/0727/03.html

患者が「オペ」という言葉を使ったために、医者にネチネチといびられるというエピソードが面白い。

最近僕はドゥルーズやデリダなど以前は(食わず)嫌いだったポストモダン系の思想家に関心を持っている。それは「ポモ」と呼んでバカにしている人たちに何とも言えない「イヤな」印象を持ってしまったからだ。その理由がこの書評でわかったような気がする。

[更新状況]

This Sweet Sickness に『秘密』を追加しました。


金曜日, 8月 01, 2003

[更新状況]

Iron Gate に久保巌 『世界財閥マップ』 を追加しました。




火曜日, 7月 29, 2003

[更新状況]

Iron Gate に鈴木輝二 『ユダヤ・エリート』を追加しました。


日曜日, 7月 27, 2003

[更新状況]

Iron Gate に長谷川宏 『新しいヘーゲル』を追加しました。

[ジョン・シュレシンジャー、逝去]

映画監督ジョン・シュレシンジャーが、25日、亡くなりました。77歳でした.

Director John Schlesinger dead at 77 (Advocate)

シュレンシンジャーはゲイであることを公言していた映画監督で、アカデミー賞を受賞したゲイ・テイストな『真夜中のカーボーイ』を始め、『マラソン・マン』、『マダム・スザーツカ』、『サンタリア』等でサスペンス、ホラー、ヒューマンドラマまで幅広い作品を残しました。
ご冥福をお祈りいたします。

金曜日, 7月 25, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『アメリカの友人』を追加しました。

水曜日, 7月 23, 2003

[プレイガールのグラビアモデルがカミングアウト]

女性向けセクシー雑誌「プレイガール」の人気グラビアモデルがゲイであることをカミングアウトした。

Great Scott (advocate)

彼の名はスコット・メリット(Scott Merritt)。プレイガールの30周年記念モデルにも選ばれたハンサム&セクシーガイだ。彼曰く「これまでストレートのように振舞ってきたけど、そういうのに疲れたんだ。もう何も隠したくない」

これに対しプレイガールの編集者は「彼がゲイであることは知らなかった。でも彼がゲイでありカミングアウトしても別に問題はないでしょう。彼が”ゴージャス”であることに変わりないし。ただ、私たちの読者はほとんど女性なので、そのことはきちんと書くつもり。もちろん「クレーム」への返事が憂鬱だけど(笑)」


この記事はちょっとした「スキャンダル」めいたものだと思うのだけど、よく考えたら「職業選択の自由」と「ジェンダー/セクシュアリティ」の二つの側面を議論するのに格好の事例のようにも思える。

月曜日, 7月 21, 2003

[更新状況]

Iron Gate にガイ・バート 『体験のあと』を追加しました。



土曜日, 7月 19, 2003

[更新状況]

Iron Gate にP・D・ジェイムズ 『黒い塔』を追加しました。


金曜日, 7月 18, 2003

[ジョン・フランクリン・バーディン]

最近、待望のスタージョン『海を失った男』が刊行された晶文社ミステリから、ジョン・フランリン・バーディンの『死を呼ぶ馬』がラインナップされていることを知って、嬉しくなった。

晶文社ミステリ

実は、『悪魔に食われろ青尾蠅』がとても面白かったので、もっとバーディンを読みたい! と原著の"The Deadly Percheron"を買ったのだが、いつものように積読のままだった。

この原著の解説によると、"The Deadly Percheron"はフィルム・ノワールの手法を用いた作品で、またバーディンはエドガー・アラン・ポーとパトリシア・ハイスミスを繋ぐサイコロジカルな作風だという。しかし『悪魔に食われろ青尾蠅』を読むと、ハイスミスというよりも断然マーガレット・ミラーに近い感じを受けた。そして"The Deadly Percheron"もハイスビスカスを頭に刺した奇妙な青年で出会った精神分析医が、逆に奇妙な事件の「主人公」になってしまうという、あまりにも魅力的な作品。

こういった作風のミステリは大好きで、しかもやっぱり日本語で読みたいので、早く『死を呼ぶ馬』が出ないかなと待ちわびている。

木曜日, 7月 17, 2003

[NZ、ドメスティック・パートナー制度実施へ]

ニュージーランドは異性カップルと同等の権利を同性カップルのパートナーにも与える「ドメスティック・パートナー制度」を実施する。

Gay Kiwis To Get Domestic Partner Registry (365Gay.com)

この法案は、労働党主導による性的指向(セクシュアル・オリエンテーション)による差別撤廃を目指した「公約」の一つで、同性カップルの「パートナー」を異性カップルのそれと同等に扱うもの。具体的には遺産や年金支給などが関係する。

ニュージーランドは、ホームステイしたこともあるので、このニュースはひときわ嬉しい感じだ。

月曜日, 7月 14, 2003

[クリストファー・ライス、ラムダ賞ミステリー部門受賞]

先月のニュースだけど、ラムダ賞が発表されてました。

15th Annual Lambda Literary Award Finalists

クリストファー・ライスの『The Snow Garden』がゲイ・メンズ・ミステリー賞受賞、おめでとう。
それと最近『半身』(創元推理文庫)が翻訳されたサラ・ウォーターズが、『Fingersmith』でレズビアン・フィクション。



日曜日, 7月 13, 2003

[更新状況]

Iron Gate にオクタビオ・パス 『マルセル・デュシャン論』を追加しました。


土曜日, 7月 12, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『ユージュアル・サスペクツ』を追加しました。

金曜日, 7月 11, 2003

[サングラス・アット・ナイト]

コリー・ハートのベスト盤「I Can't Help Falling In Love With You」を手に入れて、夢中になって聴いている。とくにデビュー曲「Sunglass at Night」には血が騒ぐ。こういう曲、好きなんだよな。暗めのマイナー調、最初から最後まで執拗に繰り返される、まるでシャコンヌの基底音のような音形に、コリーのハスキーヴォイスが情熱的に歌う。もちろんコリー・ハートの「クールぶった」姿も忘れ難い。

最近、80年代ポップスがやたらと聴きたくなる。



水曜日, 7月 09, 2003

[更新状況]

Iron Gate に星野力 『甦るチューリング』を追加しました。

月曜日, 7月 07, 2003

[更新状況]

Iron Gate に高橋昌一郎 『ゲーデルの哲学』を追加しました。


土曜日, 7月 05, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『O[オー]』を追加しました。

メールをくれた方がカリンニコフとグリエールが好きだと書いてあったので、ひさしぶりにその作品を聴いてみたらとても良かった。

カリンニコフは交響曲1番と2番。演奏は Veronika Dudarova 指揮、ロシア交響楽団の演奏(OLYMPIA)。やはり1番のメロディ・ラインは絶品だな。とくに第二主題のチェロが奏でるノスタルジックなメロディ。チャイコフスキーの憂愁よりもっと「青い」というか若々しくて、爽やかな感傷に浸れる。

グリエールは交響曲3番「イリヤ・ムロメッツ」を聴いた。ドナルド・ヨハネス指揮、チェコスロヴァキア交響楽団(NAXOS)。マーラー並みの大作で、やはりマーラー風にかなり壮大な感じであるが、音の響きはリストの交響詩に近いかな。まともにロマン派であるが、なかなか聴き応えがある。

金曜日, 7月 04, 2003

[更新状況]

Iron Gate にカール・ケレーニイ 『神話と古代宗教』を追加しました。


[松平頼則の新譜]

NAXOS の日本作曲家選輯シリーズから、松平頼則のCDが出た。『ピアノとオーケストラのための主題と変奏』(1951)は、あのカラヤンが唯一指揮した日本人作品。他に『ダンス・サクレとダンス・フィナル』(1959)、『左舞』(1958)、『右舞』(1957)など、この作曲家ならではの「雅楽」と「前衛」の「結婚」が素晴らしい効果をあげ、刺激的な音を放っている。
また片山杜秀氏の解説が凄い。「読み物」としても超一流だ。

[オルフェウス教]

先月出た『ソフィスト列伝』に続き、白水社文庫クセジュから「こういうのが読みたかったんだよな」的な本『オルフェウス教』(レナル・ソレル著、脇本由佳訳)が出た。ちょうど今カレーニイの『神話と古代宗教』を読んでいるのですごくいいタイミング。
また白水社からは、各所で評判ながら絶版だったスティーヴン・ミルハウザーの『エドウィン・マルハウス』が出るそうなのでこちらも楽しみだ。

あと古本屋で前から探していたダヌンツィオの『死の勝利』(岩波文庫)とオクタビオ・パス『マルセル・デュシャン論』(風の薔薇)をゲット。嬉しい。

水曜日, 7月 02, 2003

[更新状況]

Iron Gate にポピー・Z・ブライト 『彼の口はニガヨモギの味がする』他を追加しました。

月曜日, 6月 30, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『ズーランダー』を追加しました。

土曜日, 6月 28, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『アメリカン・サイコ』を追加しました。


[バイバイ、ミステリマガジン]

映画『アメリカン・サイコ』をDVDで見た。そして思った。

「同性愛者から見て、異性愛者はなんておぞましいのだろう。そんな根本的な考えが浮び、そしてそれは異性愛者に出会ったときの気まずさにも等しい」

……こんな感想は「商業誌」ではまず載らないだろう。しかし「同性愛者」と「異性愛者」を入れ換えれば、立派に通用してしまう。

今月号の「ミステリマガジン」には、ポピー・Z・ブライトの「小説」を読んだある評者がそんなことを書いていた。「フィクション」に書いてあることを読んで同性愛者を「一般化/規定/カテゴライズ」し、差別的な(あるいは無知な)言説を平然と書き散らす。こういう人は、フィクションどころか実際にあった出来事、例えば「宮崎勤事件」や「女子高生監禁殺害事件」において「異性愛者はおぞましい」と書くのだろうか。

高校の頃から読んでいた「ミステリマガジン」であるが、もう買うのはバカバカしくなった。学生の頃は、気取った「ユリイカ」なんかよりずっと好きで、最先端の情報とセンスのよい短編が楽しみだった(とくに「文芸特集」。ミステリ以外でも本当に良い短編が読めた。バック・ナンバーもずいぶんと揃えた。ポピー・Z・ブライトをいち早く日本に紹介したのもミステリマガジンであったはずだ)。

しかし今は「情報」はネットで素早く手に入れられるし、最近では惰性で買っていたようなものだ。しかも21世紀にもなって、こんな「認識」しか持ち合わせていない評者の記事が堂々と載るような「文芸誌」に興味は失せた。

金曜日, 6月 27, 2003

[更新状況]

Iron Gate にノーム・チョムスキー 『メディア・コントロール』を追加しました。


木曜日, 6月 26, 2003

[米最高裁、テキサス州の「ソドミー法」を違憲」

アメリカ最高裁は、同性愛差別法いわゆる「ソドミー法」に対し、違憲判決を下した。

Supreme Court Strikes Down Texas Sodomy Law [Reuters]

内容はそのものズバリなので(あと眠いので)省略するが、このニュースはゲイサイトのみならず、一般ニュースでもトップ扱い。このニュースとBLOGGERの仕様がちょっと変わったので、アップするつもりだったチョムスキーの『メディア・コントロール』のレビューは後日。
そういえばドゥルーズの新刊が出ましたね。



火曜日, 6月 24, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『スリーサム』を追加しました。



土曜日, 6月 21, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『イグジステンズ』を追加しました。


金曜日, 6月 20, 2003

[更新状況]

Iron Gate にジルベール・ロメイエ=デルベ 『ソフィスト列伝』を追加しました。





水曜日, 6月 18, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『オールモスト・ブルー』を追加しました。



日曜日, 6月 15, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『フォロウィング』を追加しました。


土曜日, 6月 14, 2003

[更新状況]

This Sweet Sicknessに 『レクイエム・フォー・ドリーム』を追加しました。



[パサージュ論文庫化、ねじの回転新訳]

今月は岩波文庫がやってくれた。まずはベンヤミン『パサージュ論』の文庫化(岩波現代文庫)。いちおうこのサイト名はおこがましくもそのベンヤミンの本から頂いてます。それとヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転/デイジー・ミラー』の新訳(岩波文庫)。『ねじの回転』は最初読んだときショックを受けた作品なので新訳が出てとても嬉しい(しかもカヴァーにはフレデリック・レイトンの絵画が使われている)。





金曜日, 6月 13, 2003

[更新状況]

Iron Gate に桑田禮彰 『フーコーの系譜学』を追加しました。



木曜日, 6月 12, 2003

[更新状況]

Iron Gate に巽孝之『アメリカ文学史』を追加しました。


水曜日, 6月 11, 2003

[更新状況]

Iron Gate に倉橋由美子『ポポイ』を追加しました。


火曜日, 6月 10, 2003

[レズビアン&ゲイの両親、家族、そして友人]

こうじさんのサイトより、ワシントンDCにあるゲイの子供を持つ家族のためのサイトがあったので紹介しておきます。

DC PFLAG (Parents, Families and Friends of Lesbians and Gays - Washington, DC)

この組織は1972年、Morton Manford という少年が同性愛を理由に暴力=ヘイトクライムを受けたため、彼の母親 Jeanne Manford が立ち上がり同性愛の子供を持つ家族のためにニューヨークで結成され、現在では同様の組織がアメリカ各地にあるようです。The History Behind PFLAG

日本にはこういった組織はまだないと思います。それどころか、舞城王太郎のようにヘイトクライムを助長するような文章を「面白がって」書き、それを平然と宣伝している「親」たちさえいる。そういった人たちは自分の子供が同性愛者でないという「確信」を持っていて、そして「他人の子供」がどんなに暴力を受けようが知ったことじゃない、というスタンスなんだろう。ヘイトクライムにより殺されたマシュー・シェッパードのご両親の気持ちなぞ到底理解できないのだろう。

マシュー・シェパードに関する日本語の記事
http://www.sukotan.com/news_backnumber/new76.html

[Matthew's Place(マシュー・シェパード追悼サイト)]
http://www.matthewsplace.com/






月曜日, 6月 09, 2003

[更新状況]

Iron Gate にエルヴェ・ギベール『ヴァンサンに夢中』を追加しました。


[更新状況]

This Sweet Sickness に『クルーエル・インテンションズ』を追加しました。




土曜日, 6月 07, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『8mm』を追加しました。




金曜日, 6月 06, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『メメント』を追加しました。


火曜日, 6月 03, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『リプリー』を追加しました。




日曜日, 6月 01, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『グリフターズ』を追加しました。


土曜日, 5月 31, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『パブリック・アクセス』を追加しました。


[更新状況]

drwxr-xr-x に池上遼一を追加しました。


金曜日, 5月 30, 2003

[更新状況]

Iron Gate にJ・フィッシャー他『プラトン主義の多面体』を追加しました。




 

火曜日, 5月 27, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『愛の悪魔』を追加しました。


月曜日, 5月 26, 2003

部屋に入ったら積んであったCDが散乱していた。今日の地震ってわりと大きかったんだな。

これだけではなんなので、ゲイ関係の映画祭のリンク集を Gay.com より。

http://channels.gay.com/entertainment/movies/fests/

あとAdvocete にはこの夏お勧めの映画をいくつか紹介している。その中にはシャーロット・ランプリングがイギリスのミステリー作家!を演じるフランソワ・オゾンの新作も。

http://www.advocate.com/html/stories/890/890_preview.asp




土曜日, 5月 24, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『ゴールデンボーイ』を追加しました。



[更新状況]

Iron Gate に白洲正子 『両性具有の美』を追加しました。




金曜日, 5月 23, 2003

[更新状況]

Iron Gate に曽根幸子+滝本誠+編集部[編] 『アート系映画徹底攻略』を追加しました。


木曜日, 5月 22, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『リビング・エンド』を追加しました。

日曜日, 5月 18, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『キャンディマン』を追加しました。


土曜日, 5月 17, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『メディカル・レッスン』を追加しました。


木曜日, 5月 15, 2003

『アレクサンドリア四重奏』文庫化!

ジュネやユイスマンスなどのマスト・バイ・アイテムを放っている河出文庫の海外モダン・クラシックスより、ロレンス・ダレルの『アレクサンドリア四重奏』が遂に文庫化される。(情報元  ok.memo

他にもカルヴィーノやコクトー、ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』まで。まさに「涙が出る」くらい嬉しいラインナップだ。
この分だと、イアン・マキューアン『ベッドの中で』(マキューアンはやっぱり初期短編)やミュリエル・スパーク(かつて早川で出ていたやつ)、ゴンブロヴィッチ(これは単行本持ってるけど)、ブッツァーティ(これも持ってるけど、やっぱり多くの人にこの作家の凄さを味わって欲しい)も読めるかも……読めたらいいね。

月曜日, 5月 12, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『青い夢の女』を追加しました。


日曜日, 5月 11, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『焼け石に水』を追加しました。





土曜日, 5月 10, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『小さな死』を追加しました。


木曜日, 5月 08, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『アクション、ヴェリテ』『X 2000』を追加しました。


火曜日, 5月 06, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『サマードレス』を追加しました。



月曜日, 5月 05, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『クリミナル・ラヴァーズ』を追加しました。


日曜日, 5月 04, 2003

[更新状況]

映画レビューのコンテンツ"This Sweet Sickness"を新たに作成しました。最初の感想はフランソワ・オゾン監督『ホーム・ドラマ』です。


土曜日, 5月 03, 2003

[更新状況]

ディスク・レビューにシェーンベルク『期待』を追加しました。


水曜日, 4月 30, 2003

[更新状況]

Iron Gate に石井陽一 『世界の汚職 日本の汚職』を追加しました。


日曜日, 4月 27, 2003

[更新状況]

Iron Gate に佐藤亜紀『1809 ナポレオン暗殺』を追加しました。

金曜日, 4月 25, 2003

[更新状況]

ディスクレビューに高橋悠治「新ウィーン学派ピアノ作品集」を追加しました。


水曜日, 4月 23, 2003

[更新状況]

Iron Gate にマーク・レイナー『前より薄くなったペンキを吸ったあとに物した文章』を追加しました。


日曜日, 4月 20, 2003

さっき見ていたNHK教育の芸術劇場のニュースで、作曲家の石井眞木氏が4月8日に逝去されたことを知りました。石井氏の曲は、DENONから出ている CONCERTANTE Op.79 (1988)しか聴いたことがありませんが、この曲は、刺激的かつ非常に美しく、霊妙とさえ言いたいような<間>のある「打楽器音楽」で、カップリングのクセナキス『プレイアデス』に勝るとも劣らない魅力的な響きに溢れています。
ご冥福をお祈りいたします。




[更新状況]

Iron Gate に大江健三郎『空の怪物アグイー』を追加しました。


土曜日, 4月 19, 2003

[SOVIET JEANS]

ここのところショスタコーヴィチやプロコフィエフばかり聴いていたためか、夢の中にまで「共産党」が出てきた……と思ったら、選挙カーの連呼だった。こんな朝早くに……といっても9時30分だが、でも、食い物の恨みよりも、睡眠の恨みのがイラだつこの頃。

そういえば下のショスタコ/プロコ/スクリャービンのCDのカヴァーで思い出したのだが、「ソヴィエト・ジーンズ」といういイタリアのジーンズを昨日は履いていたんだった。これ、随分前に買ったもので、売っていた日本のショップも今はなくなってしまったのだが、メーカー自体は今でもあるのだろうか? と探してみたら、あった。SOVIET JEANS(cl) 。赤い星がやけに目立つ以外は、どこをとってもイタリアン……あれ、 cl ドメインってイタリアじゃなくて、調べてみたら、チリだった(でもチリの男性モデルがなかなかセクシーだったのでこっちも載せておくね)。
メインの入口はこっち Soviet Jeans.com 。さすがは凝ったデザインだ。






ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲が1990円という超バジェットプライスだったので買ってきた。全15曲5枚組み。良心的な値段、というよりも、こんなに安くていいのか? と思ってしまうほどだ。
演奏は Rubio Quartet 。今も聴いているが、なかなか良い感じ。それにボックスのデザインもショスタコの音楽に相応しいモダンなもので、CD本体にも作曲者の顔が印刷されているし、ケースの側面も同様だ。値段のわりに全然安っぽくないのが嬉しい。レーベルは BRILLIANT CLASSICS で、「complete」をウリにしており、どれもまるでレンガのような分厚さのCDボックスになっている。

それで、BRILLIANT CLASSICS のウェブサイトを眺めていたら、ショスタコ、プロコフィエフ、スクリャービンのピアノソナタ全集がカタログに載っていて、演奏者はホーカン・アウストベだった。アウストベはNAXOSから出ているメシアンがとても良かったので、彼のスクリャービンやプロコフィエフも聴いてみたい気がする。カヴァーのいかにも「ソビエトっぽさ」も良い感じ。




金曜日, 4月 18, 2003

[気になる新刊]

晶文社からアフロディーテ双書というエロティックな海外文学コレクションが刊行される。第1回目はアルフレッド・ミュッセの『ガミアニ』とピエール・ルイスの『女と人形』。『ガミアニ』はジョルジュ・サンドをモデルにしたレズビアン小説のようだ。

筑摩書房からはフラナリー・オコナー全短編集が5月に刊行。これは本当に待望の短編集だ。オコナーの凄まじさは、そんじょそこらの暴力的な雰囲気だけに与った作品とは根本的に次元が違う。『善良な田舎者』や『高く昇って一点へ』の異様さは、一読、忘れ難い。「敵意を持った観衆」取り巻かれた「恐怖」をこれほどまでに壮絶に表現できる作家はそうはいない。そういえば大江健三郎もフラナリー・オコナーについてよく言及していたな。




木曜日, 4月 17, 2003

ソフロニツキーと言えばスクリャービン。 PHILIPS のGREAT PIANISTS OF THE 20th CENTURY にはショパンとスクリャービンが半々ずつ収録されており、その名演を堪能できる。
とにかく3番ソナタが素晴らしくて、重々しく劇的な一楽章から焦燥感を掻き立てる情熱的なフィナーレまで、どこを取ってもソフロニツキーの圧倒的な表現力を感じさせてくれる。また「黒ミサ・ソナタ」のまさに異様で呪術的とも言えるエクスタシー(トリルが妖しすぎる)、「焔に向かいて」の性的興奮にも似た上昇運動も強烈だ。

いまさらのクリシェであるが、やっぱりこういうのはディオニュソス的熱狂と言うんだろうな。

水曜日, 4月 16, 2003

弾きたいけど絶対にムリだろう?と思うのがプロコフィエフ。でも大好きだ。『ロメオとジュリエット』の「モンターギュ家とキャプレット家」はなんとなく弾けそうな気がしたのだけれども、やっぱり弾けない。『悪魔的暗示』(Suggestion diablique op.4 No.4)なんかはもってのほか、いちおう楽譜は持っているけど(黄色に赤のショッキングなカバー。しかも MCA MUSIC PUBLISHING というアメリカ、ミルウォーキーにある出版社のもの)。

なのでCDを聴く。DGから出ているアンドレイ・ガブリーロフのやつ。あの超難曲『悪魔的暗示』を難なくインテンポで弾きこなしている。

『悪魔的暗示』と言えば、以前NHKでウラディミール・ソフロニツキーが弾いていたのを見たことがある。ソ連時代に、社会主義リアリズムではなく、アヴァンギャルド音楽を好んで演奏していたので当局により冷遇されていた芸術家、という扱いだったと思う。なかなかハンサムで、しかも革ジャンを着て『悪魔的暗示』をドライブしていたのが印象的だった。




火曜日, 4月 15, 2003

[シャンプー・プラネット]

ダグラス・クープランドの『シャンプー・プラネット』(森田義信訳、角川書店)を読んでいたら、ちょっと良い場面があったのでメモ。
ハロウィーンの夜、主人公の「僕」と恋人のステファニーがとっても「洗練されたコスチューム」の子供を見つけるシーン。

僕らの背後に立っているのは、黒いジーンズをはき、黒いタートルネックのセーターを着て、毛の逆立った白い小さなかつらをかぶった小さな男の子だ。そばには、同じく毛の逆立ったかつらをつけ、小さな黒いドレスを着た女の子がいる。ふたりは手をつないで、静まりかえった通りのまんなかを歩いてくる。袋をキャンディでいっぱいにし、これからまたどれだけのキャンディがもらえるのかと期待に心を燃えたたせながら。
「アンディとイーディだよ」僕は囁く。天国へ行き、ようやく幸せそうにしているアンディ・ウォーホルとイーディ・セジウッィクを見て、うれしくなる。
子供たちは、まるで夢のなかに生きている。

p.193

解説にもあるように、クープランドの「小説」って、ささやかでさりげないことが語られている「四コマ漫画」が積み重なって出来ている感じ。ちょっとしたエピソードがさりげなく心に留まる。

だからってわけじゃないけど、BGMはドビュッシーの『前奏曲集』。ピアノはミケランジェリ。<沈める寺>はノスタルジックで美しい。


月曜日, 4月 14, 2003

昨日、掲示板に書いたジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』を適当にパラパラとめくってみたが、開いたページ、目に付いた場所、どれを取っても含蓄のある言葉で埋め尽されている。示唆に富んでいる。勇気付けられる。さすがだ。

ゾルターン・コダーイの『ブダバリ・テ・デウム(ブダ城のテ・デウム)/ミサ・ブレヴィス』(HUNGAROTON)を聴く。カッコイイ宗教曲だ。高らかなファンファーレから始まる荘厳な「テ・デウム」、神秘的な「ミサ・ブレヴィス」。変化に富んでいて退屈しない。





土曜日, 4月 12, 2003

マーガレット・アトウッドの『昏き目の暗殺者』(早川書房)をちょっと読んだのだが、やめた。無論、つまらないわけではない。まったく逆だ。ミステリーであり、SFであり、純文学でもある。そして仕掛けられたメタ構造。これは傑作に違いない。あまりに凄すぎて、現在の時間の取れない状況で、ポツリポツリと読みたくないからだ。連休にガーと読むつもりだ。

代わりに短編を(再)読みたい思う。『positive 01』(書肆風の薔薇)。この短編集はピンチョン以後のポストモダン小説のアンソロジーで、最初にこの本の存在を知ったときは狂喜したものだ。惹句の「小説は斬新だ」に偽りはない。既成の「小説」の概念を解体しつつ、新たな「小説観」を創造する「小説」たち。ピーター・ケアリーからウィリアム・ヴォルマン、デイヴィッド・フォスター・ウォーレス、ハロルド・ジェフィなんかはこのアンソロジーで知った。訳者も柴田元幸、越川芳明、佐藤良明らの信頼のおけるメンツであるし、何より風間賢二が加わっているのが心強い。
それにしても予告にあった02以下は出ていないのだろうか。




チェンバロって、ピアノと比べると、音的にかなり「喧しい」と思う。だから愉しく、そしてときに激しく響く。曽根麻矢子の弾くJ.S.バッハ「イギリス組曲第2、3、6」(ERATO)はそんなチェンバロ独特の響き──愉悦と迫力に満ちている。2番のブーレやジーグはちょっとおどけた感じが実に面白く愉しい。打って変わって、6番のプレリュードは素晴らしく劇的だ。技巧的に冴えも効いている。そして最後のジーグ。これは壮絶と言ってもよいだろう。実はこれを聴いて、僕はチェンバロの表現力の凄さを実感したのだった。改めて聴いて、やっぱり凄い。


アンサンブル・モデルンによるジェルジュ・クルターグ曲集(György Kurtág "Song Cycles", SONY CLASSICAL)。ツィンバロンがじゃらじゃらと掻き鳴らされる「Message of the Late Miss R.V.Troussava, Op.17」が強烈だ。色彩的でエキゾチックな伴奏を背景に、ソプラノがエネルギッシュにギャーギャーと叫びまくる。ちょっとシェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』みたいな感じ。

とくに第二集「A Little Erotic」の第一曲「Heat」。刺激的な題名そのままで、まさにエロティックにヒートする。かなりの高音で、微妙な音程を変化させること自体が最高に超絶技巧なのであるが──しかもかなり息が長い──高音から一挙に下がってくるとき、まるで悪意めいた「哄笑」になっているのがとても印象的で、一度聴いたら忘れられない。クルタークの「音響」は面白すぎる。





木曜日, 4月 10, 2003

デュラン・デュラン『ニュームーン・オン・マンデイ』のPVの冒頭のセリフ。あれがクルト・ワイルの『三文オペラ』から取られているのを知ったのはずっと後のこと。マウチェリー指揮RISAシンフォニアのCD(DECCA)を聴いたときだ。あー、あれがそうだったのか、と思ったのも束の間、次の「マック・ザ・ナイフ」(メッキース)のメロディーを聴いて、これも聴いたことがあるぞ!そして「大砲ソング」も、と狂喜した次第。

『三文オペラ』ってほんとうにいろいろなところで耳にしていた。ワイルの音楽だというのを知らなくても『三文オペラ』の「ナンバー」はいろいろな歌手が歌っている。マウチェリー盤は由緒正しきワーグナー歌手ルネ・コロに、ポップス界の女王的存在のミルバ、それにマレーネ・デードリッヒの再来のようなウテ・レンパーという異色のメンバーの共演が興味深かった。

しかしそれにも増して僕が気に入っているのが、アンサンブル・モデルン盤(BMG)。なんといっても現代音楽の精鋭集団のアンサンブルモデルンが「わざと下手に聞えるように」(なんといっても「三文オペラ」なのだし)最強のテクニックを披露しているのが、ニクイ。そこにロック歌手のニナ・ハーゲン(ピーチャム夫人役)の毒々しいシャウトが絡み、異様だけととても面白い演奏になっている。また、マウチェリー盤ルネ・コロの堂々としたメッキースと違って、モデルン盤ではMax Raabeがいかにも優男的だし、同じく、ミルバのようなドスの効いた低音ではなくて、可憐でちょっと甘えた感じのTimna Brauserのジェニーがいかにも「らしく」て愉しい。二人のデュエット「Pimps' Ballad」なんかは本当に安っぽくて、まさに「三文オペラ」的、戸梶圭太的「激安」な世界が繰り広げられる。


水曜日, 4月 09, 2003

今日も帰宅が11時過ぎてしまったが、ムソルグスキー『展覧会の絵』の中の「キエフの大門」を弾く。やっぱりオクターブ/和音をガンガン鳴らすのはストレス解消になる。ラフマニノフのプレリュード1番しかり、ブラームスのラプソディ2番しかり。
ちょっとセンチメンタルなメンデルスゾーンの「アルバムの一葉」はちょっと指がもつれて思うように弾けないな。週末にでもきちんとさらおう。

今聴いているのは、リリヤ・ジルベルシュタインのリスト曲集。「バッハのテーマによる幻想曲とフーガ」がすごくかっこいい。バッハの綴り”BACH”はそのまま「音名」になるので、これをテーマにしたもの。シューマンの「アベッグ変奏曲」も同じ発想だが、リストは厳格な、何重にも仕組まれたフーガとピアノのヴィルトゥオジティで勝負する。ジルベルシュタインもスケールの大きい演奏を聴かせる。彼女の確かなテクニックはバラード2番でも同様、素晴らしいプレゼンを披露し、なんといっても低音のスケールが荒々しく情熱的に響き渡る。やはりかっこいいの一言。
一時DGから集中的にリリースされていたジルベルシュタインのCDだが、最近はぜんぜん見かけない。どうしたんだろう。



火曜日, 4月 08, 2003

今、モニク・アースのラヴェルを聴いている。決してヴィルトゥオーゾではないし、とりたてて個性的な演奏ではないのだが、モニク・アースというピアニストの弾くラヴェルはとても気に入っている。もちろん『夜のガスパール』には情熱的なアルゲリッチやまさに個性的なポゴレリッチ、『クープランの墓』の「トッカータ」なんかはディボーデのキレやパスカル・ロジェのスピード感をウリにしたもの、『高雅で感傷的なワルツ』は強烈な打鍵のアルゲリッチなど多士多彩なCDがある。

でも、モニク・アースのラヴェルは、味があるというか「雰囲気」があるというか、つまり「印象批判」でしか語ることのできない魅力がある。技術的な洗練を競い合うのではなく、しかも洗練された言葉で批評される「対象」でもなく、言わずがもなな「雰囲気」、音楽。
『ハイドンの名によるメヌエット』なんかとてもいい雰囲気を醸し出している。



月曜日, 4月 07, 2003

今さらであるが、渋谷の古書センターの2階がリニューアルしてとても洒落た感じになった。品揃えも妙に気になるものばかり。で、現代思想1973/8号「特集=ケレーニイ/新しいギリシア像の発見」とエピステーメー11「仮面・ペルソナ」を手に入れた。どちらもプラトン関係の記事がめあて。
カール・ケレーニイ「饗宴の大いなるダイモン」(現代思想)には”不屈のプラトン学者ディオニュス・ケヴェンディに捧ぐ”というケレーニイの献呈がなにより心強い。また、エピステーメーの方にはジル・ドゥルーズの「模像 プラトニスムを逆転させる」が載っている。ちょっとだけ読み始めたドゥルーズの方は、たしかに難しいのだが、すごく気になることが書いてあって、まさに目からウロコ状態。すなわち「プラトニスムを逆転する、とはこれとは逆にこの動機を白日の下に晒し、プラトンがソフィストを駆逐するようにこの動機を《駆逐する》意味でなければならない」(杉本紀子訳)。これは「差別作家」を臆面もなく「宣伝」している人たちに抗するための一つの戦略になるかもしれない。精読しよう。

昨日のNHK教育芸術劇場に平野啓一郎が出演。「27歳の芥川賞作家・平野啓一郎」がショパンについて語るというもの。まあ番組の内容はともかく、平野啓一郎ってもっと「いかにも作家」というか、暗い感じというか、神経質そうなイメージを勝手に抱いていたのだが、昨日のTVの平野啓一郎は、しゃべりも闊達とまではいかないが別に普通で、なんだか街中でADSLの機器を配っている兄ちゃん風で、それがとても驚いた。別にいいんだけどね。


日曜日, 4月 06, 2003

B・A・ツィンマーマン Bernd Alois Zimmermann "Antiphene / Ommia tenpus habent / Presence" (BMG)を聴く。演奏はアンサンブル・モデルン。これはまさしくアヴァンギャルドな響き。プレザンスでプロコフィエフが引用されているのはいつ聴いても驚く。まあこれはツィンマーマン特有の引用やパロディで、音楽的には「時間構造の多層性」を狙ったものだという。『作曲の20世紀』(音楽之友社)によると、ツィンマーマンはベルクソン哲学やフッサールの現象学に深く影響を受け、未来、過去、現在の「時間把握」に取り組んだということだ。ひさしぶりにツィンマーマンを聴きたくなったのは、今読んでいるハイデガー関係の繋がりだ(ハイデガーも、あんなわけわからん言葉を使って、またそんなに言葉に拘泥しなくても、素直に時間を操作する芸術=音楽/作曲すれば良かったんじゃないかと思う。ツィンマーマンの「プレザンス( Presence)」みたいなことをやりたかったんじゃないのか、ハイデガーって?)

それとツィンマーマンはメシアンと同じ熱烈なカトリック信者なのだが、メシアンと同様、その作品はかなりいかがわしい「響き」を獲得している。前述の『作曲の20世紀』ではツィンマーマンの作品を「宗教的敬虔さと卑俗でカーニバル的な破天荒が同居していた」と指摘している。これもメシアンと近い。しかもツィンマーマンはカトリックでは罪である「自殺」をしている。不思議な作曲家だ。


土曜日, 4月 05, 2003

「積読」という言葉があるのなら、「積聴」というのもあってもいいだろう。というわけで、少し前に買ったローレムの室内楽曲集(NAXOS)をやっとまともに聴いた。やっぱりローレムはいいなあ。弦楽四重奏曲のレビューでも書いたけど、ローレムの音楽って聴きやすくて、適度にエキサイトさせてくれるし、何より爽快だ。

ローレムとは全然傾向が違うが、やはり「積聴」だったパスカル・デュサパンもまあまあ良かった。Pascal Dusapin "Extenso / Apex / La melancholia"(MONTAIGNE)。デュサパンに興味を持ったのは、以前音楽雑誌の記事(多分レコ芸かな)で、シャルル・デュトワがフランスで現代もののコンサートを行ったときに、そのコンサートに行ったリスナーの評価として「デュサパンは誰でもできる、誰でもやる」ようなことが書かれてあったからだ。多分その通ぶったリスナーは、デュサパンはデュトワのようなポピュラーな指揮者が取り入れるのに相応しい現代音楽作曲家だと言いたかったのだろう。そして何よりデュトワがその程度の指揮者だとも。まあ、これもKill Joy な言いかたの一つに違いない。




昨日夜、ウイスキーを飲んで寝たためか朝勃ちなしの起床。しかし疲労やストレスが溜まると酒を飲んだりピアノを弾きたくなったりセックスをしたくなったり泳ぎたくなったりと肉体を酷使したくなるのが不思議だ。

景気付けにキーシンのピアノを聴く。バッハ=ブゾーニの『シャコンヌ』。『シャコンヌ』はファジル・サイの方が情感があって、さすがにカッコよく盛り上げてくれるのだけれでも、ついでにシューマン『クライスレリアーナ』も聴きたかったので。それにしてもここのところのキーシンは凄い。以前、カラヤンやアバド、小澤なんかとコンチェルトをやっていたころは、上手いけど、アクがなさすぎて強い印象がなかった。しかし、BMGから出たブラームスのパガニーニ変奏曲を聴いてからダントツに好きなピアニストになった。これを聴いたときは本当に腰を抜かした。だってあんなに三度や六度をスピーディーに攻撃的挑発的に弾けるなんて他にいない。衝撃的事件だった、と多少大袈裟に言いたい。

去年出たシューマンの1番ソナタと謝肉祭もこの曲のデファクトスタンダードと言っても良いだろう。1番ソナタは大好きな作品で、シューマン特有のこんがらがった曲想がたまらなく、遊びで弾いたりするが、弾きばえはするものの(自己満足)、聴きばえがさほどない感じが難点かな。しかしキーシンが弾くとリストの作品に匹敵するくらいカッコよくドラマティックに響く。さすがだ。それとどうでも良いことだが、僕は倉橋由美子の『交歓』にも出てきた、「中抜き」、つまりロマン派抜きで、古典、バロックと近代を聴く、と「喧伝」しているリスナーは基本的に嫌いだ。それとピリオド楽器やスタイルがどうのこうのと言う連中も。というのも思い出したのだが、たしかレコ芸で、キーシンのパガニーニ変奏曲を評した人物が、ベートーヴェンとフランクとそのブラームスを「カップリングしたそのこと」によって評価を下げていたからだ。どうでも良いことだが、そのことを思い出すと今でもアタマにくる。
[四月は一番残酷な月だ]

と始まるT・S・エリオットの詩が身にしみる。だって今日も出勤で、この雨の中、移動しまくって、ついさっき帰宅。土曜日だってのに遊びに(Hしに)も行けやしない。だから更新……と言ってもろくに本も読めてないので、これまであんまし書こうと思わなかった日記/雑記のたぐい。まあ、一種のBlogだと思えばいいか。

忙しいとなぜかピアノをガンガン弾きたくなる。幸い電子ピアノなので夜でも弾ける。でもガンガンと弾くのは、実はハノンがメインであって、最近はショパンのノクターンでしんみりと遊んでいる。『戦場のピアニスト』のCMで流れていた19番あたり。でもこれって、ショパンのノクターンの中で多分一番弾きやすいんじゃないかと思う。左手の伴奏は規則的なリズムだし、三度や六度もないし、最初が面倒なポリリズムもないし。15番も易しいけど、ひさしぶりに試してみたら、最後の三連符のところがギコちなかった。15番は地味だけど、なかなかいいね。僕は好きだ。もちろん一番好きなのは13番だけど、ぜんぜん弾けやしない。難しすぎ。
それでもやっぱりガンガン「曲」も弾いてみたいので、明日はヴィラ・ロボスの『苦悩のワルツ』を練習しよう。この曲には最低音のAが出てくるので、このAの音をガツンと鳴らすのがなかなか快感なんだ。

いちおう通勤では木田元『ハイデガー「存在と時間」の構築』(岩波現代文庫)を読んでいる。が、やっぱり難しいな。だいたいハイデガーはプラトンよりアリストテレスに重きを置いているようなので、それだけで心証が悪いのだが。ただし『存在と時間』にはプラトンの『ソフィスト』が引用されているようなので、気にはなっている(が、多分僕は『存在と時間』自体は読まないだろう)。そしてまだ読みはじめたばかりであるが、こちらは古東哲明『ハイデガー=存在神秘の哲学』(講談社現代新書)は筆者の語り口が愉しい。

それで最初に書いたT・S・エリオットと言えば、清水書院から出ている徳永暢三『T・S・エリオット』がなかなか良かった。このシリーズはホントに初歩の初歩って感じがあってそれほど気に掛けていなかったのだが、コンパクトなわりには、良く纏まっていたし読み応えもあった。『荒地』の解読もパズルを解くような面白さがある。

よし、これで今日は更新できた。ピアノと同じで、毎日少しでもヤラないと、勘が鈍るので。



火曜日, 4月 01, 2003

[差別の発信地]

あるWebサイトで知ったのだが、中上健次が自分が被差別部落出身者であり、そのため有形無形の差別を受け、またその差別を「目撃」した、と書いているらしい(中上健次全集・第十五巻「日本の二つの外部」)。その中で中上が使用している言葉「差別の発信地」にえらく共感した。それは舞城王太郎がその小説の中で、同性愛者に「ペドフィル」の罪を擦りつけ、ヘイトクライムを「正当化」する言説を平然と行っているからだ(宮崎勤の幼女連続殺人が「異性愛」に帰したか)。そしてそんな差別作家を書評家らが称揚する──それこそが「差別の発信地」なのではないか、それこそ「戦うべき」有形無形の差別事象ではないか。

これまで、個人的にある適度知識のあるユダヤ人問題を絡ませながら舞城の差別を説いてきたが、もっと身近な「差別」と一緒に扱ったほうが、わかりやすく効果的なのではないかと思うようになった。今でもハンナ・アーレントやベンヤミンにあたって、舞城の醜悪な差別を考えているが、中上健次のことや同和問題にも焦点を当てて考えてみたい。舞城王太郎の「ヘイトクライム」を正当化するような言説は絶対に看過できないからだ。
とりあえず中上健次の「日本の二つの外部」を読むつもりだ。

月曜日, 3月 31, 2003

タワーレコードのミュゼvol.42(内藤忠行のカヴァー写真が最高に綺麗だ)にデイヴィッド・クローネンバーグのインタビューが載っている。話題の中心はパトリック・マグラア原作の映画『スパイダー』について。

また先日亡くなったアメリカの作曲家ルー・ハリソンの追悼記事もある。ここで知ったのだが、ルー・ハリソンの本が翻訳されているようだ。メモしておこう。『ルー・ハリソンのワールド・ミュージック入門』(柿沼敏江/藤枝守訳、財団法人ジェンスク音楽文化振興会)。





日曜日, 3月 30, 2003

[更新状況]

Iron Gate に倉橋由美子『交歓』を追加しました。


土曜日, 3月 29, 2003

[更新状況]

Iron Gate に中沢新一 『知天使ケルビムのぶどう酒』を追加しました。


金曜日, 3月 28, 2003

[スティーブ・ベルの諷刺マンガ]

Guardian で連載しているスティーブ・ベル(Steve Bell )のカトゥーンが面白い。なにしろ画がルシアン・フロイドのように不気味、というか歪んでいて愉しい。

時期がらイラク攻撃特集で、毒を吐いており、イギリス伝統の「おちょくり」は健在だ。もちろんブッシュのデフォルメもそうであるが、特に笑ったのがフランス、ドイツ、ロシアの反対に見猿言猿聞猿のブッシュ、だって、フランスがカエルになっているし、ドイツをsquareheadにしているし。




木曜日, 3月 27, 2003

[フォルトゥイン党首殺害犯の裁判始まる]

オランダの政治家で、オープンリー・ゲイのピン・フォルトゥイン党首を殺害した Volkert Van der Graaf 容疑者の裁判が始まった。

Fortuyn murder suspect on trial [BBC NEWS]

Van der Graaf は33歳の動物愛護団体の活動家。彼は昨年5月、ラジオ局から出てきたフォルトゥインを銃で撃ち殺した。政治家の殺害はオランダ史上例のないことであり、そしてまたちょうど総選挙の一週間前であった。
今のところ検察は、Van der Graaf の動機は、フォルトゥインがこの「弱き」社会にとって脅威であると感じていたため──という抽象的なものあるいはエゴイズムと言ってもよいだろう──と見ている。
この後、被告の精神鑑定の結果拝聴、そして弁護側の抗弁がある。有罪となれば、終身刑が言い渡される。