土曜日, 1月 04, 2003

[2002年度ベスト本]

ずいぶんと偏ったチョイスと読み方をしてるし、ここのところフィクションの比率がガクンと下がったのですが、とりあえず小説のベスト5を。

1.ドナ・タート『シークレット・ヒストリー』(扶桑社ミステリー)
2.笠井潔『オイディプス症候群』(光文社)
3.ルース・レンデル『聖なる森』(早川ポケミス)
4.ヘンリー・ジェイムズ『金色の盃』(講談社文芸文庫)
5.バーバラ・ヴァイン『ソロモン王の絨毯』(角川文庫)

ドナ・タートは10年ぶりの新作ニュースで盛りあがっていたので読んでみたら、まぎれもない傑作だった。
同じく『オイディプス症候群』も10年ぶりの矢吹駆シリーズ。こちらも読み応え抜群。
レンデル『聖なる森』でウェクスフォード・シリーズを見直した。最後の最後まで「ミステリー」にこだわった充実の一冊。リーダビリティはこれが一番かな。
ジェイムズは読むのに苦労したけど、それだけ得るものは大きかった。小説が「芸術作品」となる見本のようなもの。
ヴァインは本当にハズレがない。これはどちらかというとサスペンス寄りの作品だけど、ヴァイン名義ならではの余韻がたまらない。

金曜日, 1月 03, 2003

[更新状況]

Iron Gate に浅田彰『ヘルメスの音楽』を追加しました。ついでに『ヒッピアス(小)』を加筆訂正。


火曜日, 12月 31, 2002

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


[更新状況]

Iron Gate にプラトン『ヒッピアス(小)』を追加しました。(今年最後の「怒りのレビュー」)

月曜日, 12月 30, 2002

[更新状況]

Iron Gate に蓮實重彦『ジル・ドゥルーズと「恩寵」』を追加しました。

土曜日, 12月 28, 2002

[プラトン熱、再び]

ちょっと更新が雑になるかもしれないけど、いろいろと本、読んでます。
特にプラトン。関係書もいくつか買ってきました。

神崎繁『プラトンと反遠近法』(新書館)
エリック・A・ハヴロック『プラトン序説』(新書館)
エルンスト・カッシーラー『英国のプラトン・ルネサンス』(工作舎)
藤沢令夫『プラトンの哲学』(岩波新書)
廣川洋一『プラトンの学園アカデメイア』(講談社学術文庫)
現代思想『甦るギリシャ』(青土社)

で、今神崎繁『プラトンと反遠近法』読んでるけど、これは面白い!
プラトン関係でお勧めがあったら、よろしく。

ミステリーではルース・レンデル『聖なる森』(ポケミス)
これもすごく面白い。ウェクスフォード・シリーズを見直した感じ。

他にロレンス・ダレル『ジュスティーヌ』(河出書房)
男色家バルタザールの存在がなかなか。



金曜日, 12月 27, 2002

[ハーブリッツ追悼記事]

Gurdian の「カメラで神と女神を創造した」という本格的な追悼記事を始め、海外メディアではハーブリッツの死去を大きく扱っています。

Herb Ritts: Work (Boston Museum of Fine Arts)

The man who created gods and goddesses with his camera (Gurdian)

Photographer Herb Ritts dies (BBC)

Top Hollywood photographer dies of pneumonia at 50 (San Francisco Chronicle)

Herb Ritts, Celebrity Photographer, Dies at 50 (NY Times)


Herb Ritts Dead At 50 (Gaycom)

Photographer Herb Ritts's death came after years of battling HIV (Advocate)

また Advocate の記事によると、ハーブリッツ氏の死因はHIV感染による肺炎の合併症が原因で、彼は何年も病気と闘っていたそうです。

こういった記事を読むと、「やおい」関係者がエイズをネタにしたふざけたテクストにリンクし、ふざけたコメントを書いていたということに、あらためて強い憤りを感じます。

木曜日, 12月 26, 2002

[ハーブリッツ、死亡]

写真家のハーブリッツ(Herb Ritts)氏が、24日亡くなりました。50歳でした。

Prominent photographer Herb Ritts dead of pneumonia

記事によると死因は肺炎で、ロサンゼルスの病院で亡くなったということです。

ハーブリッツ氏はオープンリー・ゲイであり、男性ヌードや数々の有名人の写真を撮ってきました。僕の大好きな写真家であり、とても残念です。
ご冥福をお祈りいたします。



[更新状況]

Iron Gate にプラトン『イオン』を追加しました。


水曜日, 12月 25, 2002

[ジジェクの「差別」に対する考察]

スラヴォイ・ジジェクについて紹介しているサイトがあり、その「差別」に対する考察にとても興味を惹きました。
リンク・フリー、引用OKだということなので、紹介させていただきます。

「遅れてきた青年」
ジジェク翻訳より

これによると、

「私は、自分自身がアフリカ系アメリカ人やユダヤ人やアラブ人に対して吐く暴力的な言葉の噴出の、真の語り手ではない」と語る人種差別主義者をためしに考えてみる

彼の演技的な言い方はそれ自体においては暴力的な行為をしでかしているわけだが、彼は単に歴史上手に入る侮辱に対し言及したり、引用を行ったり、事例を引いてきたりしているだけであり、そのために彼自身ではなく歴史的な伝統が審理にかけられねばならなくなる

しかし、そうではなくて

「彼の背後に行為者はいない」というだけであって、差別的な言葉を吐いている以上は、彼本人が審理にかけられるべきだ

という趣旨になるようです。

これこそ、まさに、「やおい」関係者が、差別的なテクストにリンクをしたり、引用していることにおいて──しかもその侮蔑性、差別性を十分に認識しておきながら──、「やおい」はただの「妄想」であるとか、あるいは自分の意見ではなくて、ただ(差別的な情報に)「リンク」張っただけだかいう免罪は通用しないことの根拠になると思います。なにしろ、引用をもとに、馬鹿にしたような、嘲るような「コメント」を「本人」がしているのだから。

[ジュディス・バトラー『アンティゴネーの主張』発売]

待望の、ジュディス・バトラーの『アンティゴネーの主張』(竹村 和子訳、青土社)が翻訳出版されました。

アンティゴネーの主張 問い直される親族関係(bk1)

原書のペーパーバックはこちら
Judith Butler "Antigone's Claim" (Amazon)

セクシュアリティ、ゲイ・スタディーズ、フェミニズムに関心のある人はぜひ。
僕はもちろん、「やおい」の差別性を告発するために読み抜きます。



火曜日, 12月 24, 2002

[ダン・フッターマン、ウィル&グレースに出演]

本家アメリカ『ウィル&グレース』では、グレースがハリー・コニックJrと結婚してしまい、残されたウィルはどうなるんだ、と多くの視聴者は気になっていたが、エピソード5ではダン・フッターマン(Dan Futterman )が登場するということだ。

"Will" he or won't he get laid?

フッターマンの役はカレンのいとこで、名前はバリー。遅咲きのゲイ(late-blooming queer)で、ウィルとジャックが彼を「一人前のゲイ」にすべく、ゲイ・シーンを紹介したりするらしい。そして、ウィルのボーイ・フレンドになる可能性も……。




月曜日, 12月 23, 2002

[更新状況]

Iron Gate にニコラス・ロイル『サクソフォン』を追加しました。



[名曲喫茶スカラ座閉店]

ユトレヒトのニュースによると、新宿歌舞伎町にある「名曲喫茶スカラ座」が12月31日で閉店するようです。

歌舞伎町の名曲喫茶「スカラ座」閉店へ

個人的にここはよく利用したんですよね。待ち合わせとかデートとかひまつぶしとか。音楽を聴きに行くというよりも、「名曲喫茶」というレトロな雰囲気がすごく好きで、それになんといってもあのツタのからまった洋館が、歌舞伎町にあってひときわユニークで(そういえばここ以外でも、中野の「クラシック」や渋谷円山町の「ライオン」とかもいい味だしてたな)。
こういった名物店がなくなることになって、とても寂しい気がします。



日曜日, 12月 22, 2002

[RING02、来年2月発売]

ジープロジェクトより、ゲイ&レズビアン、セクシャルマイノリティ向けのインターネットガイドブック RING (Rainbow INternet Guide) の第2号が、来年2月に発売されるようです。

インターネットガイド「RING」







イギリスからアートの話題を二つほど。

[ルシアン・フロイド、売上ナンバー・ワン]

Freud painting takes top spot in Tate postcard stakes

英テイトギャラリーでのポストカード売上のトップは、なんとルシアン・フロイド。これまで人気ダントツだった、ジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』を破っての快挙だそうだ。また、『オフィーリア』同様、可憐な美女の代名詞のようなウォーター・ハウス『レディ・シャーロット』も売上ダウンしているようだ。

これは、現代美術愛好家が増えてきていることと、そしてまた「囚われた」感じの古い女性像よりも、自己主張している女性像のほうが時代にフィットしているからだろうと関係者は見ている。そういえば、たしか高山宏の『テクスト世紀末』にも、ラファエル前派あたりの「窮屈な」女性像のことが書かれてあったはずだ。


[盗まれたターナーの絵画、発見される]

こちらもテイトギャラリーの話題。

Stolen Turner paintings found

8年前、ドイツで盗まれたターナーの二つの絵が発見された。これらの絵はテイトギャラリーが所有していたもので、展覧会のため、ドイツに貸し出していた。ターナーの作品の中でも極めて重要な作品だということだ。
ただ、作品が戻ったことについて、テイトギャラリーの責任者は多くを語っていない模様。なぜだ?気になる。
また、オリジナルの額縁は紛失しており、同時に盗まれたフリードリッヒの作品もまだ見つかっていない。

土曜日, 12月 21, 2002


Won't Get My Old Job Back - Paddick

これは、ブライアン・パディックという警部(police commander)が大麻疑惑によって、デスクワークにチェンジさせられたというものなんだけど、なんかイギリスの警察小説を読むにあたって興味深いというか……というより画像を見る限りパディック氏が凛々しくてセクシーで。

記事によると、ブライアン・パディック氏はゲイであることを公言している警察官。以前のパートナー(ということは男だろう)の申し立てにより、大麻疑惑が持ちあがったが、結局は証拠不充分になった。
ただ彼は、ドラッグ関係の捜査に当たっていたので、その仕事を続けることが問題になり、スコットランドヤードでのデスクワークになったというもの。

さすがイギリスっていう感じ。レジナルド・ヒルの小説に登場するウィールド部長刑事ようなゲイの警察官がいて、しかも南ロンドンのランバートの "police chief ""police commander"というから階級はかなり上だろう。ルース・レンデルの小説でいうと、ウェクスフォード警部と同じぐらいかな。


[更新状況]

Iron Gate にプラトン『饗宴』を追加しました。


金曜日, 12月 20, 2002

[シカゴ、市参事議員にオープンリー・ゲイのビジネスマンを指名する]

シカコ市長リチャード・M・ダーレイ氏は、市の参事議員に、ゲイであることを公言しているビジネスマン、トム・ターネイ(Tom Tunney )氏を指名した。

Chicago mayor nominates openly gay alderman

トム・ターネイ氏は47歳。Ann Sather というスウェーデン・レストランの経営者で、シカゴのゲイ・コミュニティのリーダー的存在。
「トムはスモール・ビジネスに精通しており、それらのシカゴ経済への重要性も十分理解している」とは市長の弁。

これに対しターネイ氏は「私のパーソナリティは……私はオープンリー・ゲイであり、そのことに満足(comfortable)している。私はとても異なったコミュニティを代表していることに満足している。そして私は、ハード・ワーカーだ」と応えている。

[裁判所、同性パートナーに対し養育費の支払いを命じる]

これはある意味グッドニュースなんだろうか。

ペンシルバニアの裁判所は、レズビアンの元パートナーに対し、子供の養育費を支払うよう命じた。

Court orders nonbiological parent to pay child support

記事によると、このレズビアンのカップルは、1980年から1997年まで同棲し、その間、<二人の合意により>原告の女性が人工授精により5人の子供をもうけた。被告の女性は、生物学上の母親(biological mother )が仕事に出ている間、子供たちの面倒を見ていたのだが、後に二人は「離婚」。今回の裁判になった。

問題は、「生物学上の親でない」(Nonbiological parents)同性パートナーに対し、子供の養育費を払う義務があるのか、ということだ。そしてこれは、すなわち、同性カップル(とその子供)の社会的な「認知」の問題も孕んでいる。

裁判所の判断は、異性カップルと同様、レズビアンのパートナーに対し養育費の支払いを命じた。裁判官は、「過去の記録によれば、二人は子供の養育に関し、「両・親」(co-parent)であることは明白である」と述べた。

原告の弁護士は、これは Nonbiological parents である同性パートナーに対し、子供の養育の義務を示した初めての判決で、このことによりレズビアンとゲイの「親たち」は、親権とそれに伴う義務が「公に」通知された、と語った。

被告の女性は控訴する模様。