火曜日, 12月 31, 2002

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。


[更新状況]

Iron Gate にプラトン『ヒッピアス(小)』を追加しました。(今年最後の「怒りのレビュー」)

月曜日, 12月 30, 2002

[更新状況]

Iron Gate に蓮實重彦『ジル・ドゥルーズと「恩寵」』を追加しました。

土曜日, 12月 28, 2002

[プラトン熱、再び]

ちょっと更新が雑になるかもしれないけど、いろいろと本、読んでます。
特にプラトン。関係書もいくつか買ってきました。

神崎繁『プラトンと反遠近法』(新書館)
エリック・A・ハヴロック『プラトン序説』(新書館)
エルンスト・カッシーラー『英国のプラトン・ルネサンス』(工作舎)
藤沢令夫『プラトンの哲学』(岩波新書)
廣川洋一『プラトンの学園アカデメイア』(講談社学術文庫)
現代思想『甦るギリシャ』(青土社)

で、今神崎繁『プラトンと反遠近法』読んでるけど、これは面白い!
プラトン関係でお勧めがあったら、よろしく。

ミステリーではルース・レンデル『聖なる森』(ポケミス)
これもすごく面白い。ウェクスフォード・シリーズを見直した感じ。

他にロレンス・ダレル『ジュスティーヌ』(河出書房)
男色家バルタザールの存在がなかなか。



金曜日, 12月 27, 2002

[ハーブリッツ追悼記事]

Gurdian の「カメラで神と女神を創造した」という本格的な追悼記事を始め、海外メディアではハーブリッツの死去を大きく扱っています。

Herb Ritts: Work (Boston Museum of Fine Arts)

The man who created gods and goddesses with his camera (Gurdian)

Photographer Herb Ritts dies (BBC)

Top Hollywood photographer dies of pneumonia at 50 (San Francisco Chronicle)

Herb Ritts, Celebrity Photographer, Dies at 50 (NY Times)


Herb Ritts Dead At 50 (Gaycom)

Photographer Herb Ritts's death came after years of battling HIV (Advocate)

また Advocate の記事によると、ハーブリッツ氏の死因はHIV感染による肺炎の合併症が原因で、彼は何年も病気と闘っていたそうです。

こういった記事を読むと、「やおい」関係者がエイズをネタにしたふざけたテクストにリンクし、ふざけたコメントを書いていたということに、あらためて強い憤りを感じます。

木曜日, 12月 26, 2002

[ハーブリッツ、死亡]

写真家のハーブリッツ(Herb Ritts)氏が、24日亡くなりました。50歳でした。

Prominent photographer Herb Ritts dead of pneumonia

記事によると死因は肺炎で、ロサンゼルスの病院で亡くなったということです。

ハーブリッツ氏はオープンリー・ゲイであり、男性ヌードや数々の有名人の写真を撮ってきました。僕の大好きな写真家であり、とても残念です。
ご冥福をお祈りいたします。



[更新状況]

Iron Gate にプラトン『イオン』を追加しました。


水曜日, 12月 25, 2002

[ジジェクの「差別」に対する考察]

スラヴォイ・ジジェクについて紹介しているサイトがあり、その「差別」に対する考察にとても興味を惹きました。
リンク・フリー、引用OKだということなので、紹介させていただきます。

「遅れてきた青年」
ジジェク翻訳より

これによると、

「私は、自分自身がアフリカ系アメリカ人やユダヤ人やアラブ人に対して吐く暴力的な言葉の噴出の、真の語り手ではない」と語る人種差別主義者をためしに考えてみる

彼の演技的な言い方はそれ自体においては暴力的な行為をしでかしているわけだが、彼は単に歴史上手に入る侮辱に対し言及したり、引用を行ったり、事例を引いてきたりしているだけであり、そのために彼自身ではなく歴史的な伝統が審理にかけられねばならなくなる

しかし、そうではなくて

「彼の背後に行為者はいない」というだけであって、差別的な言葉を吐いている以上は、彼本人が審理にかけられるべきだ

という趣旨になるようです。

これこそ、まさに、「やおい」関係者が、差別的なテクストにリンクをしたり、引用していることにおいて──しかもその侮蔑性、差別性を十分に認識しておきながら──、「やおい」はただの「妄想」であるとか、あるいは自分の意見ではなくて、ただ(差別的な情報に)「リンク」張っただけだかいう免罪は通用しないことの根拠になると思います。なにしろ、引用をもとに、馬鹿にしたような、嘲るような「コメント」を「本人」がしているのだから。

[ジュディス・バトラー『アンティゴネーの主張』発売]

待望の、ジュディス・バトラーの『アンティゴネーの主張』(竹村 和子訳、青土社)が翻訳出版されました。

アンティゴネーの主張 問い直される親族関係(bk1)

原書のペーパーバックはこちら
Judith Butler "Antigone's Claim" (Amazon)

セクシュアリティ、ゲイ・スタディーズ、フェミニズムに関心のある人はぜひ。
僕はもちろん、「やおい」の差別性を告発するために読み抜きます。



火曜日, 12月 24, 2002

[ダン・フッターマン、ウィル&グレースに出演]

本家アメリカ『ウィル&グレース』では、グレースがハリー・コニックJrと結婚してしまい、残されたウィルはどうなるんだ、と多くの視聴者は気になっていたが、エピソード5ではダン・フッターマン(Dan Futterman )が登場するということだ。

"Will" he or won't he get laid?

フッターマンの役はカレンのいとこで、名前はバリー。遅咲きのゲイ(late-blooming queer)で、ウィルとジャックが彼を「一人前のゲイ」にすべく、ゲイ・シーンを紹介したりするらしい。そして、ウィルのボーイ・フレンドになる可能性も……。




月曜日, 12月 23, 2002

[更新状況]

Iron Gate にニコラス・ロイル『サクソフォン』を追加しました。



[名曲喫茶スカラ座閉店]

ユトレヒトのニュースによると、新宿歌舞伎町にある「名曲喫茶スカラ座」が12月31日で閉店するようです。

歌舞伎町の名曲喫茶「スカラ座」閉店へ

個人的にここはよく利用したんですよね。待ち合わせとかデートとかひまつぶしとか。音楽を聴きに行くというよりも、「名曲喫茶」というレトロな雰囲気がすごく好きで、それになんといってもあのツタのからまった洋館が、歌舞伎町にあってひときわユニークで(そういえばここ以外でも、中野の「クラシック」や渋谷円山町の「ライオン」とかもいい味だしてたな)。
こういった名物店がなくなることになって、とても寂しい気がします。



日曜日, 12月 22, 2002

[RING02、来年2月発売]

ジープロジェクトより、ゲイ&レズビアン、セクシャルマイノリティ向けのインターネットガイドブック RING (Rainbow INternet Guide) の第2号が、来年2月に発売されるようです。

インターネットガイド「RING」







イギリスからアートの話題を二つほど。

[ルシアン・フロイド、売上ナンバー・ワン]

Freud painting takes top spot in Tate postcard stakes

英テイトギャラリーでのポストカード売上のトップは、なんとルシアン・フロイド。これまで人気ダントツだった、ジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』を破っての快挙だそうだ。また、『オフィーリア』同様、可憐な美女の代名詞のようなウォーター・ハウス『レディ・シャーロット』も売上ダウンしているようだ。

これは、現代美術愛好家が増えてきていることと、そしてまた「囚われた」感じの古い女性像よりも、自己主張している女性像のほうが時代にフィットしているからだろうと関係者は見ている。そういえば、たしか高山宏の『テクスト世紀末』にも、ラファエル前派あたりの「窮屈な」女性像のことが書かれてあったはずだ。


[盗まれたターナーの絵画、発見される]

こちらもテイトギャラリーの話題。

Stolen Turner paintings found

8年前、ドイツで盗まれたターナーの二つの絵が発見された。これらの絵はテイトギャラリーが所有していたもので、展覧会のため、ドイツに貸し出していた。ターナーの作品の中でも極めて重要な作品だということだ。
ただ、作品が戻ったことについて、テイトギャラリーの責任者は多くを語っていない模様。なぜだ?気になる。
また、オリジナルの額縁は紛失しており、同時に盗まれたフリードリッヒの作品もまだ見つかっていない。

土曜日, 12月 21, 2002


Won't Get My Old Job Back - Paddick

これは、ブライアン・パディックという警部(police commander)が大麻疑惑によって、デスクワークにチェンジさせられたというものなんだけど、なんかイギリスの警察小説を読むにあたって興味深いというか……というより画像を見る限りパディック氏が凛々しくてセクシーで。

記事によると、ブライアン・パディック氏はゲイであることを公言している警察官。以前のパートナー(ということは男だろう)の申し立てにより、大麻疑惑が持ちあがったが、結局は証拠不充分になった。
ただ彼は、ドラッグ関係の捜査に当たっていたので、その仕事を続けることが問題になり、スコットランドヤードでのデスクワークになったというもの。

さすがイギリスっていう感じ。レジナルド・ヒルの小説に登場するウィールド部長刑事ようなゲイの警察官がいて、しかも南ロンドンのランバートの "police chief ""police commander"というから階級はかなり上だろう。ルース・レンデルの小説でいうと、ウェクスフォード警部と同じぐらいかな。


[更新状況]

Iron Gate にプラトン『饗宴』を追加しました。


金曜日, 12月 20, 2002

[シカゴ、市参事議員にオープンリー・ゲイのビジネスマンを指名する]

シカコ市長リチャード・M・ダーレイ氏は、市の参事議員に、ゲイであることを公言しているビジネスマン、トム・ターネイ(Tom Tunney )氏を指名した。

Chicago mayor nominates openly gay alderman

トム・ターネイ氏は47歳。Ann Sather というスウェーデン・レストランの経営者で、シカゴのゲイ・コミュニティのリーダー的存在。
「トムはスモール・ビジネスに精通しており、それらのシカゴ経済への重要性も十分理解している」とは市長の弁。

これに対しターネイ氏は「私のパーソナリティは……私はオープンリー・ゲイであり、そのことに満足(comfortable)している。私はとても異なったコミュニティを代表していることに満足している。そして私は、ハード・ワーカーだ」と応えている。

[裁判所、同性パートナーに対し養育費の支払いを命じる]

これはある意味グッドニュースなんだろうか。

ペンシルバニアの裁判所は、レズビアンの元パートナーに対し、子供の養育費を支払うよう命じた。

Court orders nonbiological parent to pay child support

記事によると、このレズビアンのカップルは、1980年から1997年まで同棲し、その間、<二人の合意により>原告の女性が人工授精により5人の子供をもうけた。被告の女性は、生物学上の母親(biological mother )が仕事に出ている間、子供たちの面倒を見ていたのだが、後に二人は「離婚」。今回の裁判になった。

問題は、「生物学上の親でない」(Nonbiological parents)同性パートナーに対し、子供の養育費を払う義務があるのか、ということだ。そしてこれは、すなわち、同性カップル(とその子供)の社会的な「認知」の問題も孕んでいる。

裁判所の判断は、異性カップルと同様、レズビアンのパートナーに対し養育費の支払いを命じた。裁判官は、「過去の記録によれば、二人は子供の養育に関し、「両・親」(co-parent)であることは明白である」と述べた。

原告の弁護士は、これは Nonbiological parents である同性パートナーに対し、子供の養育の義務を示した初めての判決で、このことによりレズビアンとゲイの「親たち」は、親権とそれに伴う義務が「公に」通知された、と語った。

被告の女性は控訴する模様。

木曜日, 12月 19, 2002

[ニューヨーク、反差別法成立へ]

ニューヨーク州知事ジョージ・パタキ(George Pataki、共和党 )氏は、ゲイやレズビアンに対する差別を違法とする法案にサインをした。

New York governor signs gay rights bill

New York Adopts Gay Rights Bill

この法案は、SONDA(Sexual Orientation Non-Discrimination Act)と呼ばれ、就業、住居、教育、公共サービス等において、性的指向によるあらゆる差別、迫害、ハラスメントを禁止。これにより30年におよぶアクティビストの悲願が達成された。
SONDA は30日以内に施行される。
[ペンギンのゲイ・カップル]

たまには、ちょっと和み系の話題でも。
昨日(12/18)の日経新聞夕刊に、大阪の水族館のペンギンがすべてオスだった、という記事が出ていた。これは水族館にいるイワトビペンギンたちが、10年間卵を生んだりしなかったので、DNA鑑定を行ったところ、メスのペンギンは一匹もいなくすべてオスだったというもの。

なんでも、ペンギンの雌雄を外見で確認することは難しく、しかも同性のパートナーを作ったりするからだという。そうか、ペンギンにも同性愛があるんだ。
で、そこの飼育係はこんなことを言っている。どうも巣作りが雑なカップルがいると思ったら、オス同士のカップルだった、と。

水曜日, 12月 18, 2002

[図書館、ブック・オフについて]

このことは先日、たまたま掲示板のレスで書いたけど、現在わりとホットな話題になっているらしい。
で、短気で感情的な僕の殴り書きよりも、冷静で「それもそうだね」って思わせてくれる意見があったので紹介します。

一つは「内田樹の研究室」の12月13日の日記。
もう一つは、それを受けての「鈴木晶の優雅な生活」の12月18日の日記。

お二人とも大学の先生で、さすがに理性的で説得力のある意見を述べています。
僕もこういった考えに納得しちゃいます。

と言うより──ここから短気で感情的な僕の意見になりますが──図書館に補償金を出すなんて絶対賛成できないですね。このあいだ掲示板に書いたように、図書館やブック・オフの利点は、ヘイト・クライムを助長するような差別的な作家(舞城王)に「金を払わなくて済む」からという理由も、僕の場合は大きい(つまり、例えば舞城王が載ってる本や雑誌なんかは絶対に「金を出して」買いたくないし、それに「加担」している人たちも同様に)。

それなのに、図書館が金を払ったらぜんぜん意味ないじゃん。それは図書館が差別を「奨励」していることと同じだ、ユダヤ人差別を国として行ったナチの政策だ……という理由(詭弁でもいいや)でもつけて、そういう議論が上がったときに、なんとしてでも反対したいですね。

[ブラッド・ピットの広告、禁止に]

とことんバカな国だと思う、マレーシアは。
ブラッド・ピットをフィーチャーした自動車の広告(トヨタ)が、アジアを見下しているんだって。

'Anti-Asian' Brad Pitt advert banned

なんでもアジアのブラピファンが、広告ポスターを拝借して、寝室に貼ったりしているから、という理由。

で、そんなことを言い出したある大臣は
「どうして、やつら(欧米人)を広告に使わなければならないんだ?」
「オレたちはハンサムじゃないっつーのか!」
なんてのたまっており、挙句の果てに、アジア人が劣っているような風潮を植え付けるという「プチ・ナショ」OR「ポチ保守」発言をしている。

じゃ、「外専」はどうしろっていうんだよ! と僕は言いたくなるね。

だいたい「劣っている」のは、マレーシア人の「ルックス」ではなくて、その政治体制で、「ルック・イースト」だかなんだか知らないが、日本に「おべっか」使ってニタニタしているマハティールの「ルックス」が怪しいだけだろ。

あ、言っとくけど、僕はそれほどブラピはタイプじゃないけどね。


火曜日, 12月 17, 2002

[バイロンのバイセクシュアル、明らかになる]

ロマンティックな詩人、バイロンのバイセクシュアルが明らかになった……と言うより、バイロンのバイセクシュアリティを「隠していたこと」が明らかになった。

Byron's bisexual secrets were kept from biographer, exhibition reveals

記事によると、バイロンの「ロマンティックな情事」=若い男性との恋愛は、50年代には伝記作者の Leslie Marchand により葬られてしまっていた。しかし今回の国立肖像画ギャラリーにおける展覧会では、そういった詩人の「ロマンティックな」バイセクシュアルが一つの焦点となっているようだ。

題して、"Mad, Bad and Dangerous"。これはバイロンの青年との「情事」について、元愛人(女性)が「狂気、悪徳、そして危険」と述べたことからきている。もちろん当時の抑圧的な社会では、バイロンのセクシュアリティはひた隠しにされ、ソドミーで告発されたとき彼は、国外へ逃亡せざるを得なかった。

まあ、なんとなくバイロンの作品にはそういった「友愛」というか同性愛的なものが感じられるし、そして実生活でもギリシア文化を守るためにトルコとの戦争に赴いたりと、あまりにも過剰なロマンティシズムに彩られている。やっぱり情熱的で真のロマン派だったんだな、と思う。

なおBBCでは、ジョニー・リー・ミラー主演によるバイロンのドラマ化が進んでいるという。


月曜日, 12月 16, 2002

[マジメにセクシーな文学書、トップ10]

ウェンディ・ペリアムという「セックス」について一言ある作家が、お堅い文学作品の中から、お気に入りのセクシーな作品をチョイスした。
もちろん Gurdian の記事なのでマジメなチョイスだけれども。

Wendy Perriam's seriously sexy books

これによると1位がエミリー・ブロンテ『嵐ヶ丘』。うーん、マジメだ。
2位がD・H・ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』。ま、妥当か。
3位がアナイス・ニンの日記。ここらあたりからセクシャルになってくる。
4位がフィリップ・ロスのオナニー小説『ポートノイの不満』
5位をとばして、6位がアラン・ホリング・ハーストのゲイ小説『スイミングプール・ライブラリ』。コメントをみると、ポルノグラフィックなゲイ・セックス・シーンと非の打ち所のない文章スタイルが印象的だとか。
7位は翻訳されていないと思うけど、これまたゲイ小説でDavid Plante の『The Catholic 』。宗教と同性愛というのが映画『司祭』のようで、ことのほかセクシーに感じる。
8位がジョン・アップダイク。多分未訳かな。9位がジョセフィーヌ・ハートの『ダメージ』。
で、ラスト10位が『聖書』。ジョークではなく、本当にセクシーだと熱弁している。

まあ、この人、シャーロットではなくエミリー・ブロンテを選んでいること。アナイス・ニンやフィリップ・ロスを選んでいること。ゲイ小説が二つ。そして『聖書』を選んでいることから、あまり政治的=フェミニズムではない人のようだ。





[Google 検索語ランキング2002]

先週のニュースだけど──先週は頭に血が昇って書けなかった── Google の検索語ランキングが発表になった。

2002 Year-End Google Zeitgeist

ええと、日本での検索語の1位が「2ch」っていうのは、まあどうでもよくて。やっぱり Top Men ということで。
1位がエミネム、2位がブラッド・ピットとうのはまあ妥当か。
で、7位にベン・アフレック。これはオレもずいぶんと「貢献」したと思う。

国別でイギリスだと、マイケル・オーウェンが入っていて、日本との「温度差」が感じられる──ベッカムより(あとイルハン王子よりも)オーウェンのほうがいいじゃん!
あとウィル・ヤングが入っているのがイギリスっぽい。



日曜日, 12月 15, 2002

[英保守党、ゲイの「派閥」を歓迎]

このところ、ブレア夫人叩きに躍起になっているイギリス保守党党首イアン・ダンカンスミス氏であるが、日本の笑ってしまうほど絶望的な野党と違い、やることはきちんとやっているようだ。

Tories Welcome Gay Conservative Group

以前も、ある保守党議員がゲイであることをカミング・アウトしたことを書いたが、今回は党を挙げて、ゲイの保守党グループ(「派閥」でいいのかな)を「公式」に了承したということだ。
そして、差別的な法律「セクション28」(Section 28 )も廃止に向けて動き出し始めた。

このことにより、先日審議に挙がった「同性パートナー制」(同性結婚)もスムーズに可決されるのではないかと思う。




土曜日, 12月 14, 2002

[韓国、性転換(セックス・チェンジ)を認める]

「やおい大国」ではない韓国は、日本よりもセクシュアリティにおける「尊厳」を重視したようだ。

Court Allows Transgender Singer to Change Sex

Korea Times の記事によると、韓国の地方裁判所は、トランス・ジェンダーの歌手 Ha さんに対し、「法的に」女性になる許可を与えた。つまり、戸籍(family resister)の変更が可能になり、これにより Ha さんはもっと女性的な名前になるということだ。

そして裁判所は、憲法で保証された幸福追求の権利において、彼女の「尊厳」(dignity)に考慮した、と述べている。

こういったセクシュアリティに関する「尊厳」こそ、日本では無視されていないだろうか。いや、無視どころではない、蹂躙されている。同性愛を、ネガティブで侮蔑的なポルノの「カテゴリー名」=「やおい」と呼ぶこと、あるいは、「ジェンダー」という概念を「やおい」で遊ぶ「方便/口実」に堕すること、それがその最たるものだ。


[パリ市、ゲイ向け観光を後押しする]

オープンリー・ゲイの市長ベルトラン・ドラノエ氏率いるパリ市当局は、フランス観光局と共同で、ゲイ向け観光業を後押しすることを発表した。

Paris Seeks To Boost Gay Tourism

「私たちはパリ市全体をあげて、ゲイ・フレンドリー・スピリットを目指します」とは、このプロジェクトの組織メンバーの1人Laurent Queige氏の弁。ゲイの旅行者向けキャンペーンのため、様々なプロモーション活動を行うようだ。

これにより、同じくゲイの市長クラウス・ヴォヴェライト(Klaus Wowereit)氏率いるベルリン市と、"Gay London"というブローシャーを発行してゲイ向け観光に力を入れているロンドン市との「客引き」競争が激しくなる模様。

まあちょっと醒めた見方をすれば、このアプローチは特にアメリカに向けたもので、多分9・11以降の観光収入の落ちこみを回復させる一つの策なんだろうと思う。でもやっぱりパリは好きだ。

金曜日, 12月 13, 2002

[更新状況]

Iron Gate にミシェル・フーコー『真理とディスクール パレーシア講義』を追加しました。
[アルゼンチン、ゲイ・カップルの権利を法制化]

Buenos Aires Legalizes Same-Sex Unions

Gay couples win legal recognition in Buenos Aires

記事によると、ブエノスアイレス市の同性カップルは、健康保険、年金の支給等を受けられるようになったようだ。

これはオランダのような完全な「結婚制度」とは違うものであるが、行政側がゲイ・カップルを社会的に認知したことに意義があると思う。ラテン・アメリカでは最初の試みであり、(「ラテン・アメリカ」であるから)カトリック教会の反対を押し切っての快挙だ。



マーガレット・サッチャーという最悪のバカ女が政権にいたせいか、北欧、大陸の国に比べ著しく見劣りしていたイギリスの人権政策が、ここにきて欧州のデファクト・スタンダードに近づきつつある。先日の同性パートナー制(同性結婚)の審議入りに続き、セックス・チェンジの法整備が整った。

Sex change victory after 30 years

記事によると、30年に渡るトランス・セクシュアルの人たちの「戦い」が認められ、戸籍(birth certificates)の変更、そして結婚が可能になった。つまり完全に「異性」になれるということだ。
なんでも、ヨーロッパでこういった権利が認められていないのは、イギリス、アルバニア、アンドラ(Andorra、どこの国だ!)、アイルランドの4カ国だけだという。イギリスって遅れていたんだな、と改めて思う。

もっともイギリスの最近のドラスティックな変化には、単に労働党政権の功績だけではなく、EUの勧告もあったんだろうと思う。
とすると、現在話題の中心になっているトルコのEU加盟が実現されれば、トルコが日本よりも早く、同性結婚やセックス・チェンジを認めるかもしれない。

水曜日, 12月 11, 2002

[ステレオタイプと侮蔑]

Gurdian に興味深い記事が載っていた。

History teaching in UK stokes xenophobia, says German envoy

これはイギリスの教育に対し、ドイツの外交官が苦言を呈したものだ。記事によるとイギリスの教育では、現代の「民主的な」ドイツについて何も教えていない、ナチ時代の「犯罪的な」ステレオタイプのイメージばかり植え付けられる。そしてこのことが深刻な差別を生んでいる。そうドイツ外交官は申し立てている──実際にイギリスに在住しているドイツ人児童がいじめを受けたり暴力行為を受けたりしている。

このことは、同じ敗戦国として、そして近隣諸国の日本に対する「教科書(教育)を通して」のイメージの「大きさ」を考えると、他人事とは感じられない。むしろ同じような問題が「やはり」横たわっていることが理解できる。

しかし、この記事で重要なのは、ドイツの外交官がこの問題(一方的なステレオタイプのイメージの流布、イギリスの教育)について英国に理解を求め、それを英国メディアが「問題として」きちんと報告していることだ。

ドイツの外交官はこう言っている「(ナチ時代の犯罪的な)常套句やステレオタイプは、ときとしてリアリティの代用となる」と。
つまり「実際のドイツ」に対する無知から、不用意に流布されたステレオタイプがリアリティを持ち、結果として、差別や侮蔑、暴力を生むということだろう。

そしてこのこともまた、僕にとって、他人事とは思えず、強烈な怒りが込み上げてくる。

12/11でも書いたが、Beltorchicca というサイトで、「同性愛」を「やおい」というネガティブなニュアンスの言葉に「置き換え」、シリアスな問題を嘲けっているからだ。

しかもこの管理人は、日本を「やおい大国」だと言っている。この人は、このことの「本当の」意味を理解しているのだろうか。つまり「やおい大国」ということは、一方で、「同性愛侮蔑大国」であることと表裏であることだ。

「やおい大国」だからと言って、ゲイにとっては何の意味もない。その証拠に、北欧やオランダ、フランス、ドイツ(そしてイギリスも審理中)といったヨーロッパ主要国で認められている、同性結婚・同性パートナー制度は、日本にはまったくない。それどころかゲイを侮蔑する言説が溢れている。

そもそも「同性愛」を「やおい」のような「やまなし、おちなし、意味なし」というネガティブでしかも「やめて、お尻が痛い」というような愚弄した言葉に置き換えることが「侮蔑」でなくてなんであろう。それが「テクスチュアル・ハラスメント」だということが、わからないのだろうか。

そしてある「やおい」関係者のように、人権上の問題のため回収されたゲイを侮蔑した本を──回収されたことを知りながら──Webに引用し、ふざけたコメントを書いている卑劣な差別主義者もいる。
「やおい」がどれほど同性愛者に「屈辱」を与えているのか、たとえ同じ痛みを共有できなくても、想像ぐらいはできないのだろうか。「やおい」によるステレオタイプのイメージがどれほどネガティブなものか考えられないのだろうか。
このサイトの管理人はライターであるということだが、こういった嘲るような文章をあちこちに書いているのだろうか。

Gurdian の記事でドイツの外交官が言ったように、「やおい」による常套句やステレオタイプは、ときとしてリアリティの代用となってしまう。

火曜日, 12月 10, 2002

あまりにも頭にきたので

Beltorchicca2002/12/09の情報の書きかた

どうしてこの人は、「同性愛」「やおい」「置き換え」「嘲る」ようなニュアンスにしてしまうのだろう。
こういったことこそ「テクスチュアル・ハラスメント」であることが、なぜわからないのだろう。



[またまたカミングアウトしたアメ・コミのキャラ]

50年代のアメ・コミ、"The Rawhide Kid." のキャラクターがリバイバルした。21世紀に相応しく、彼のセクシュアリティはゲイ。

Marvel Comics to unveil gay gunslinger

何よりそのキャラクターを見て欲しい。カーボーイ・ハットに質感のある服、そして「二つ」の銃(これ重要、わかるかな)、もちろんハンサム。ゲイのツボを押さえたそのキャラクターは感動的だ。

RAWHIDE KID #1

このCNNの記事によると、オリジナルのRAWHIDE KID は、女性にはシャイであったが、特にゲイ・キャラを意識してつくられたわけではない(50年代だから当然だけど)。それで今回の新しいバージョンでは、あからさまではないもののゲイであることがわかるようになっているという。まあ言われなくても、そのキャラクターを見ればわかるように、「キャンピー」であることは誰でもわかるだろう。

では、オリジナルはどうだったのか、と思い調べてみたら、オリジナルもかなりイケる感じだ。

RAWHIDE KID 1955-71

アメ・コミって──バット・マンやスパイダー・マンもそうだけど──、そういう「テイスト」がすごく感じられるんだよな。

月曜日, 12月 09, 2002

[ I'll show you mine, you show me yours ]

イギリスの歌手ジョージ・マイケルが、1998年、ビヴァリーフィルのトイレで逮捕されたことは誰でも知ってるよね(彼がゲイだってこともね)。とにかく一番びっくりしたのは、あんなに有名なポップスターでも、トイレでクルージングなんかするのか、ということだったけど。
まあその後、彼は開き直って"Outside." というアルバムで事の次第を(いくぶん自虐的に)語り、ゲイ雑誌の表紙も飾るようになったし。

で、その件がまた蒸し返されたらしく、マイケルを逮捕した警察官の名誉毀損の訴えを、サンフランシスコの法廷が聞き入れたということだ。

Court OKs suit against George Michael

記事によると、「おとり捜査」を行った警察官ロドリゲス氏が、ジョージ・マイケルがあちこちのインタビューで捜査官を非難したことにカチンときて訴えた模様。とりわけ、ロドリゲス氏がマイケルに対し言ったという「セリフ」が気に障ったらしい。曰く

「オレのも見せるから、お前のも見せてくれよ」

これが本当だとすると、このセリフにマイケルが引っ掛かって、「露出」してしまったんだろう。ということは、ロドリゲス氏、いかにもゲイな感じで、しかもよほどハンサムだったんだろうな。だって、もしサエないオヤジだったら、鼻で笑われて終わりだと思うし……おとり捜査は失敗。

こういった「おとり捜査」では、いかにも「売春婦」らしい婦人警官が「おとり捜査」を行い、いかにも麻薬売人風の警官が「おとり捜査」を行うと思う。なので、ロドリゲス氏、いかにもゲイな感じ(マッチョ風かな、それともピアス&タトゥーのクラバー風)で、マイケルを誘惑したことは想像に難くない。

もっとも今回の騒動は、ジョージ・マイケルがジョージ・W・ブッシュ(&アメリカ)を「戦争好き」と揶揄したPVの「報復」の意もあるだろうけど。



土曜日, 12月 07, 2002

『このミステリーがすごい』を買ってきてました。
順位もさることながら、誰がどの作品を選んでいるのか、というのが一番気になっていたりして。やっぱりなんだかんだ言っても参考にしてしまう。
で、ちょっとしたメモ。

ヴァイン『煙突掃除の少年』、ストラウヴ『ミスターX』、トンプスン『死ぬほどいい女』はもともと必ず読む予定だったので(プラトン全作読破という野望を適当に切り上げてから)、それ以外でドロンフィールド『飛蝗の農場』とカーシュ『壜の中の手記』、レッドファーン『天球の調べ』、ヴァルガス『死者を起こせ』を読みたくなった。

国内ものは、紹介文を読んですごく読みたくなったのが『ロンド』。ダヴィッドの絵画の見立てというのがツボ。
あと風間賢二氏と千街晶之氏両人が選出している『GOTH』、『バラバの方を』。池上冬樹氏の推す『ハルビン・カフェ』あたり。

イギリスの新たな同性パートナー制度の審議を受けて、Guardian ではさっそくゲイ・ライツについてスペシャル・レポートを載せている。

Special report:gay rights

さすが「一流紙」Guardian だなあ。税金のことから、宗教、ヘイト・クライム(ゲイに対する犯罪)、野党保守党の動向、養子問題、もちろんこれまでのゲイ・ライツ運動の歴史まで様々な角度からゲイ・ライツについてまとめている。日本にはこういった「高級紙」はないのだろうか。

金曜日, 12月 06, 2002

[まるでグレアム・グリーンの小説のようなグレアム・グリーン]

Guardian のスクープ、なのかな。US Freedom of Information Act により、『ヒューマン・ファクター』『情事の終わり』他で有名な英国作家グレアム・グリーンに関するFBI秘密文書が明らかになった。

In life as in fiction, Greene's taunts left Americans in a quiet fury

この記事によると、アンチ・アメリカニズムを標榜しコミュニスト・シンパのグリーンについて、アメリカ当局はかなり神経と尖らし、彼を監視していたようだ。グリーンはキューバのカストロ議長と親しく、またオノ・ヨーコと一緒に俳優のクリス・クリストファーソン(誰?)と神についてや戦争と平和について意見を交わしていた──そのことがアメリカの秘密文書に克明に記されているという。

同様に、ニカラグアのサンディニスタ政権を支持していたグリーンが、最近絶好調のノーム・チョムスキーや作家のカルロス・フェンテスらとサンティニスタ革命10周年に参加しようとしていたことも、もちろん監視されていた、ということだ。

さすがは『ヒューマン・ファクター』の作家、思っていた以上に左翼系知識人のみならず、有力政治家(例えばオルテガとか)とも親交があり、FBI、CIAにマークされていた事実がわかる。英国といえば、やっぱり007の国。エスピオナージ小説が面白いのはあたりまえか。
また、グリーン原作『おとなしいアメリカ人』というまたまたアメリカ人を逆撫でしそうな映画”The Quiet American”がマイケル・ケイン主役でリリースされる。



……と書いていたら、大ニュースが。
同じくGuardian の記事で、イギリスでもついに異性愛のカップル(つまり「結婚」)と同等の権利を同性愛のカップルにも与えるパートナー制度(civil partnerships)の審議に入った模様。

Equal rights plan for gay couples

お、BBCのトップニュースに。

Gay couples 'to get equal rights'

Yahoo! UK でも政治記事で

Gays to secure same rights as married couples

タブロイドのミラーは、なんかエルトン・ジョンとその恋人(もちろん男)の痴話ケンカが……(笑)

DAVID FURNISH ON LIFE WITH A MEGASTAR







木曜日, 12月 05, 2002

[ネオコンと中道派、ゲイ編]

例えば、ニューヨーク・タイムズのこの記事(読むためには登録が必要、無料)

Justices to Reconsider Ruling Against Sex Between Gays

これはテキサス州の「ソドミー法」が違憲にあたるかどうかを、ワシントンの最高裁判所が検討に入ったという記事。
当然ニューヨーク・タイムズ以外でも大きく報道されている。

Supreme Court to review Texas anti-sodomy law (USA TODAY)

Court to Hear Texas Case on Gay Rights(Washington Post )

もちろんこういった差別的、というよりも古色蒼然とした悪法は撤廃されるべきだと思っている。しかし実際の適用としては、州によってはほとんど有名無実化しているものもあるし、またソドミー法といっても同性間にだけ適用される「差別的」なものと、異性、同性間問わずアナル・セックス等を禁止している「平等的?」なソドミー法もある。

これについては言いたいことが山ほどある……けれど、とくに気になるのは、なぜ「今」なのか、だ?

さらにワシントン・ポストでは軍隊におけるゲイの話題がさかんに議論されている(これも登録が必要、もちろん無料)。

Real Evidence on Gays in the Military

Opinion Focus: Gays in the Military

ワシントン・ポストって「保守系」じゃなかったけ。ロサンゼルス・タイムズやサンフランシスコ・クロニクルだったらこういったゲイ関係の記事はよくあるんだけど。

で、これって最近、田中宇の国際ニュース解説でよく目にする「ネオコン(新保守主義派)」と「中道派」の権力争いが絡んでないか? 

なにしろ「ソドミー法」の話題では、ブッシュ大統領の地元テキサス州絡みだし、軍隊はもちろんワシントン中枢と関係があるのは容易に予想される。それにもし純粋に「人権上」の問題だったら、クリントン民主党政権時代で解決されているはずだろうし(実際に議論されたが、ソドミー法も軍隊関係もゲイ側の権利が認められなかった)。もちろん時代がやっと21世紀らしくなったということもあるだろう(しかしながら日本では、21世紀になって時代に逆行するように、「やおい」関係者が悪意のある差別的なテキストをWebに載せ、卑劣な人権侵害を行っている)。

ただ、やっぱり「今の時期」というのが気になる。アッシュクロフト司法長官はたしかに超保守主義者として知られているが、単なる宗教的、あるいは思想的な保守を表明しているだけかもしれない。チェイニーの娘はレズビアンだということも聞いたことがある──そういえばチェイニー絡みで、例のエンロンはゲイ・フレンドリーな企業として有名だった……。
うーん、ついにワシントンの熾烈な権力争にゲイも巻きこまれてしまったのか……なんてことを思ってしまうくらい最近の「田中宇の国際ニュース解説」は面白い。


水曜日, 12月 04, 2002

[更新状況]

Iron Gate にプラトン『パイドロス』を追加しました。

火曜日, 12月 03, 2002

BLOGGER のテンプレート・サーバーがトラブっていたので、昨日はパブリッシュできなかった。
で、軽く更新。ちょっと和み系(デンパな)記事を、Boston Globe の人生相談(ANNIE'S MAILBOX)から。

[自分はゲイ?]

Infatuation has him questioning his orientation

親愛なるアニーへ
わしは妻がいて、子供がいて、孫もいる65歳の男だが、最近うちの若いビジネス・パートナーに魅力を感じてしまって……そのパートナーは男性なんだよ。
自分はずっと異性愛だと思っていたのだが、彼のことを思うと、ちょっと混乱して……。わしの世代ではゲイであるということを受け入れることはできなかったのだが、それが原因なのか? でもなんで今ごろになってこんな気を起こすのだろう? 自分はゲイなんだろうか? わしはどうしたらよいだろう?

アニーの答え
そんなこと(ゲイかどうかがわからないなんて)カリフォルニアではびっくり
もしこういったことが最初で、唯一のことで、彼以外の他の男性に魅力を感じないのなら、あなたはゲイじゃないわ。そう珍しいことではないし。でもなんといってもあなたは結婚しているのだし、どちらにしても「不倫」になっちゃう。ヘルプが必要かも。ドクターに相談してセラピーを受けたほうが……すぐ予約取って!


月曜日, 12月 02, 2002

[「ホモセクシュアル」、不使用へ]

イギリス政府が推進している職場における差別撤廃プロジェクトでは、「ホモセクシュアル(homosexua)」という言葉の不使用を検討している。

New Equality Law Will Drop Word "Homosexual"

記事によると、 "orientation towards people of the same sex" 、つまり同性への性的「指向」(orientation)を持つ人々のことを、「ゲイ、レズビアン」という言葉に改正する新法の施行を2003年度より目指しているという。もちろん言うまでもなく、セクシュアリティによる職場での差別は違法だ。

まあ、こんなことは、イギリスではなくてもあたりまえのことで、「ホモセクシュアル」という「症例」のようなニュアンスの「言葉」の使用こそ、差別的であり、「テクスチュアル・ハラスメント」であることは、少し考えればわかることだ。
借り物でない「テクスチュアル・ハラスメント」の概念が日本でも根付くためには、「当事者」がまず使用する「言葉」の意味やニュアンスをきちんと再考すべきであろう。



日曜日, 12月 01, 2002

[ゲイ、レズビアンの投票者数は5%]

先日(といっても、ちょっと時間が経ってしまったが)行われたアメリカ中間選挙では、共和党の歴史的勝利により、いちおうブッシュ政権が信任されたようだが、日本ではまだ行われていないだろう興味深い分析結果が発表になった。まあ、よくある「投票者像」の分析なのだが、これがゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの投票者全体に占める割合が示されている。

Poll: Five Percent of Electorate Gay

この記事よると、有権者としてのGLBTのパーセンテイジは全体の5%。これが実際、どの程度の政治的パワーになるのかは、個人的にちょっと計りかねるが──統計はあくまでも統計だと思うので──、例えば、他のマイノリティ・グループとの比較で言えば、2000年度のアフリカ系アメリカ人の割合は10%、ヒスパニック系が7%、ユダヤ系が4%、アジア系が2%となる。つまり数値的には決して少なくはないと言えるだろう。(ただ、例えばヒスパニックでゲイの場合は、どちらを優先するのかは、この分析では不明)

またGLBTの支持政党は、71%が民主党、19%が共和党で、ゲイ、レズビアンは圧倒的に民主党支持だ。

あと蛇足ながら、この記事が載っている THE GAY FINANCIAL NETWORK は、ゲイを対象にしたビジネスや投資を専門に扱っているサイトなので、「堅め」のニュースが多い。IBMが大きく広告を載せているのも印象的だ。




金曜日, 11月 29, 2002

[更新状況]

Iron Gate にドナ・タート『シークレット・ヒストリー』を追加しました。
(結局三日続けてドナ・タート)

木曜日, 11月 28, 2002

[ドナ・タートの聖地]

ええと、二日続けてドナ・タートです。だってこんなにハマッた小説は久しぶりなんだもん。

海外には彼女の熱烈なファンサイトがあって、Danna Tartt Shrine もその一つです。ここはとにかく内容が充実していて、ほとんどの情報が手に入ります。デザインもドナ・タートに相応しい美しさです。

このサイトで面白かったのは、『シークレット・ヒストリー』のキャラクター紹介があって、オーナーさんの好みなのか、フランシス・アバネイシィに力が入っていることです。
フランシスはゲイで、作品中でもアルフレッド・ダグラス(オスカー・ワイルドの恋人)やロベール・モンテスキュー(プルースト『失われた時を求めて』のシャルリュス男爵のモデル)のイメージで語られていますが、アルフレッドやモンテスキューの写真があるのは当然として、お洒落なフランシスが身に付けているアクセサリーの画像まで掲載されています。

人気投票では、ヘンリーがダントツですが、フランシスも主人公のリチャードといい勝負です。
また映画になったときのキャスティングは? という投票では

フランシス : ジュード・ロウ
リチャード  : トビー・マクガイア
ヘンリー  : ジョクイーン・フェニックス
カミラ    : グイニス・パトロウ
チャールズ : ジュード・ロウ
バニー   : クリス・クレイン

あたりが票を集めているようです。

水曜日, 11月 27, 2002

[ドナ・タート、新作を語る]

10年ぶりの新作、『The Little Friend』が絶好調のドナ・タート。SFGate(San Francisco Chronicle)の読書欄でも特集記事が掲載されている。

Donna Tartt is back. This time, with full orchestra

これによると、ミリオンセラーを記録した『シークレット・ヒストリー』(扶桑社ミステリー)は、『ソフィーの選択』『推定無罪』『ペリカン文書』のアラン・パクラ(Alan Pakula)が映画化権を取得したものの、パクラが死亡してしまい、計画は流れてしまったようだ。残念。(誘惑的なフランシス──彼はゲイ──の役を楽しみにしていたのだが)

で、新作の『The Little Friend』は、タートによれば──『シークレット・ヒストリー』が一人称によるソロ楽器による「コンチェルト」ならば──『戦争と平和』のような多楽章、多声部、多楽器による「フル・オーケストラ」のようなものだという。

そして彼女はソフォクレス、コンラッド、キプリング、ルイス・キャロル、ヘンリー・ジェイムズ、そしてディケンズを引用しながら自作を語り、さらに南部の作家としての自分の「血統」(フォークナーのような)を意識し始めたということだ。

『シークレット・ヒストリー』に劣らず重厚でロマンティックな感じがする新作『The Little Friend』も早く「日本語」で読みたい。


火曜日, 11月 26, 2002

[オリヴァー・ストーンのアレクサンザー大王、中止か]

Advocate の記事によると、オリヴァー・ストーン監督が計画していたアレキサンダー大王の生涯を描く映画「Alexander the Great」が中止になる模様。

Oliver Stone's Alexander the Great movie may be history

理由は、『ムーラン・ルージュ』の監督バズ・ラーマンが、同じくアレキサンダー大王の映画をプロジェクトしており、しかもレオナルド・デカプリオが主演だということらしい。

……で、なぜこの記事が advocate に載っているかというと、アレキサンダー大王がゲイであることは周知の事実らしく(記事でも”gay conqueror Alexander ”と書いてある)、映画も当然そういったことが描かれるはずだからだろう。
それにしても、バズ・ラーマン&デカプリオはちょっと出来すぎのような……。

月曜日, 11月 25, 2002

[更新状況]

Iron Gate に野矢茂樹 『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』を追加しました。

日曜日, 11月 24, 2002

ハーヴァードの醜聞、明らかになる

ハーヴァード大学の暗い過去が、学生新聞により明らかになった。

'20s Harvard scandal exposed

今から82年前、ハーヴァード大学で二人の男子学生が自殺をし、数人の学生、教師が大学を辞めさせられた。その理由は彼らがゲイだったからだ──クリムゾン・リポーターの Amit R. Paley 氏は、当時ハーバード大学に設置された「秘密の裁判」の記録を発見し、それについて取材し、記事を公表した。

Paley 氏が最初、大学の記録文書に不審を抱いたのは、「秘密の裁判」と書かれた部分にある汚れに気づき、隠された「章」の存在を確信したことによる。
このことにより、6人の学生と1人の教員が同性愛のため大学を追われ、さらに2人のストレートの学生がゲイの学生との「交流」により、学校を辞めさせられたことがわかった。

Paley 氏の記事は、1人1人、犠牲になった人物たちを紹介する。1920年に自殺した Cyril Wilcox──彼の寮の部屋に "faggoty parties'' という中傷文書があった──からスタートし、同性愛が原因で大学を出ていった人たちを追う。
その中で興味深いのは自身はゲイではなく、ゲイの学生たちと交流があったため「罪」に問われた Joseph E. Lumbard 氏。彼の孫である Lumbard 氏は祖父のことを「本当にリベラルな心の持ち主であった」と語った。

ハーヴァード大学学長 Lawrence Summers 氏は、この記事の事実と犠牲になった学生、並びにその家族に対し、遺憾の意を示した。
現在の学生の1人は、当時の大学の体制を「ばかげたこと」と非難する。1974年度の学生で、ハーヴァード・ゲイ&レズビアン幹部会メンバーの Tom Parry 氏は「過去に起こった典型的に悲しいことの一つだ……しかし現在のハーヴァードは(その当時と違い)変わった」と語った。


この記事を読んで思うのは──とくに自殺したゲイの学生に対し ``faggoty parties'' という中傷文が投げつけられたことに非常に憤りを感じる。なぜならば、日本でも同じように、「やおい」関係者が、人権上問題になり回収されたゲイを愚弄する文書をWebに転載し、馬鹿にしたコメントを書いているからだ。

いったい21世紀になって、どうして20世紀の「愚行」を繰り返すのだろう。当時のハーヴァードでさえ Joseph E. Lumbard 氏のような、ゲイを庇い、そのために学校を退学した人物がいるというのに、「同性愛」を扱っている「やおい」関係者たちが、率先してゲイを愚弄した「中傷文」を載せ、遊んでいるとは。
あきれてものも言えない。

土曜日, 11月 23, 2002

ウィル&グレイス、絶好調

NHKでも放映しているゲイ・テーマのシット・コム『ウィル&グレイス』。今日のエピソードもなかなか面白かったが(ウィルとジャックのキスシーンがあったし)、本家のアメリカNBCでは、記念すべきエピソード100でなんとグレイス(デブラ・メッシング)がレオ(ハリー・コニック Jr.)と結婚! advocate の記事によると、これがかなりの高視聴率を記録したようで、マット・デイモンがゲスト出演したエピソードに次ぎ、約2440万人が番組を見たそうだ。

Will & Grace wedding episode delivers high ratings




金曜日, 11月 22, 2002

ジョディ・フォスター監督『Flora Plum 』にユアン・マクレガー

レズビアン・アイコンのジョディ・フォスターの監督作品『Flora Plum 』は、2000年に撮影スタートのはずだったが、ラッセル・クロウの怪我により中断。その後、ラッセル・クロウは役を降りてしまったが、しかしこのたびクロウの代わりにユアン・マクレガー主演で、プロジェクトが再開した。

Jodie Foster's Plum back in play

この映画はサーカスが舞台で、ユアンはサーカスの「フリークス」という役。個人的にはラッセル・クロウよりもユアン・マクレガーのほうがタイプなので、ちょっと楽しみ。
他にメリル・ストリープにも出演を打診している模様。
[デイヴィッド・ピースの特集記事]

それほど関心があったわけではなく、ただなんとなくその記事を読んでいたら、興味をそそる文章にぶち当たった。
Crime Time に掲載されたデイヴィッド・ピースの特集記事で、ここでピースは『1980』(Nineteen Eighty)は画家のフランシス・ベイコンの影響──とくに構成と色彩に関して──を受けたということだ。

フランシス・ベイコン! この言葉が出てくるだけで、デイヴィッド・ピースに対する見方が変わった。フランシス・ベイコンは僕の大好きな画家で、英国No1のアーティストだと思う。そしてその作品はまさに「ノワール」そのもので、戦慄のイマジネーションを掻き立てる素晴らしいものだ(ジル・ドゥルーズのベイコン論はいつ出るんだ!)。
そのベイコン作品の構成や色彩に影響を受けた「小説」というものが、どういうものなのか──たとえ?なものであっても──とても気になりだした。近いうちに読んでみよう。

それとその記事で面白かったのは、デイヴィッド・ピースは──日本滞在の経験があるからなのか──、芥川龍之介や中上健次を気に入っているらしく、とくに中上健次の作品は、ジェイムズ・M・ケインやジム・トンプスンに比すべきものだと述べている。中上健次の作品は(当然のごとく)『讃歌』しか読んでなく、その露悪趣味に辟易してあまり良い印象はないのだが、ジム・ドンプスンとの比較はちょっと興味深い。さらにピースはイギリスで馳星周の作品が読めないことは恥ずべきことだとも言っている。

この記事を読むと、デイヴィッド・ピースって、あのサングラスのいかついイメージと違い、文学通で(最も影響を受けたのがダンテだそうだ)意外に折り目正しい紳士のようだ。

水曜日, 11月 20, 2002

[ Mike Henson 逝去]

80年代後半から90年代始め、ゲイ・ポルノスターとして活躍した Mike Henson (本名 Kenneth Seymour)が、2002年9月20日、亡くなりました。死因はドラッグ中毒のようです。

dead porn stars

Mike Henson というと、個人的に Joey Stefano と共演した "More Of a Man"(All Worlds) という作品が忘れられません。単なるポルノを超えた素晴らしい「ゲイ映画」で、とくに Joey と Mike がゲイ・パレードの最中に愛し合うシーンは 感動以外の何物でもありません。 Joey もすでに亡くなっており、 Mike もいなくなってしまってとても寂しいです。

Mike Henson, 1964-2002

When we two parted In silence and tears,
Half broken-hearted, To sever for years,
-------------------------
In secret we met: In silence I greive
That thy heart could forget,
Thy spirit deceive.
If I should meet thee After long years,
How should I greet thee? --
With silence and tears
.

by George Gordon Byron




以前、Radical Will に書いた、オープンリー・ゲイで暴漢に襲われたパリ市長ドラノエ氏が、無事、公務に復帰しました。

Paris mayor back at work

まだ医師の診断を仰がなくてはならない状況のようですが、とりあえず仕事に復帰できたことを喜びたいと思います。





火曜日, 11月 19, 2002

[更新状況]
Iron Gate にプラトン『パイドン』を追加しました。

月曜日, 11月 18, 2002

ブック・モバイルから学んだこと
オライリーのWebサイトにもブック・モバイルについての記事がありました。

Lessons from the Internet Bookmobile

この記事によると、インターネット・ブック・モバイルを始めるきっかけとなったのは、Eldred v. Ashcroft という著作権延長の争いで、これはもともとミッキー・マウスの著作権絡みのことだったようです。

Mickey Mouse vs. The People


Lawrence Lessig 氏は、ミッキー・マウスなんか忘れろ! 私たちの文化に本当に必要なのは Brewster がしていること、 Eldred がしていることだ、と憤っています。Eric Eldred 氏は原告の出版人で、Brewster Kahle 氏は Internet Archive のディレクターでブック・モバイルの提唱者です。
(ちなみにアシュクロフト司法長官は保守派で知られ、司法長官任命の際、民主党の反対によって就任がかなり遅れました。その一つが同性愛者に対する過去の冷遇処置で、ゲイのアメリカ大使の任官をしぶった「前科」があります)

この記事を書いている Richard Koman 氏は、Brewster 氏とともに、HPのプリンター、二つのラップトップPC、製本機、裁断機をもってブック・モバイルに乗り込み、アメリカを横断したそうです。
ブック・モバイル、オン・ザ・ロード



インターネット上のパブリック・ドメイン(著作権フリー)の「テクスト」を印刷し製本する Bookmobile が文字通り全米を走り回りました。

http://www.archive.org/texts/bookmobile.php

2002年9月30日から始まったこのデモンストレーションは、衛星回線よりダウンロードしたネット上の著作権フリーのデジタルブックを、「いつでも、どこでも、だれにでも」というコンセプトのもと、印刷製本を行うものです。サンフランシスコからワシントンDCまで移動しながら、学校や図書館、老人ホーム等、本を必要としている人たちのいる場所へとブック・モバイルは走り続けます。

なぜ2002年9月30日からなのか? それには理由があります。最高裁において行われた著作権の延長に関する審議のためです。著作権の有効期限が長くなると、それだけパブリック・ドメインの「図書館」が影響を受けます。試算では、この著作権延長により、20年間、新しい本がパブリック・ドメイン図書館に入らないことになるということです。

Bookmobile は10月9日、歴史的な審議が行われているワシントンDCの最高裁判所へ向かいました。

日曜日, 11月 17, 2002


マットさんのサイトがまたまたクールにリニューアルしました。

http://www.guys-life.com/

いつもながらマットさんのセンスに脱帽です。
BLOGGER 、なかなか良い感じです。テンプレートもスクリプト部分以外はシンプルで、スタイルシートで簡単に修正ができ、なにより外部PCでのFTP操作がラク。本格的に使用することにしました。タイトルも"MINORITY REPORT"に変更。

ドナ・タートの『シークレット・ヒストリー』に感化されて、このところギリシア三昧。もともとプラトンは好きでよく読んでいたのですが、今は古典中の古典、ホメロス『イリアス』を読んでいます。いやー、アキレウス、凛々しくてカッコイイ。ストーリーはだいだい知っているので、読みどころは「親友」パトロクロスが戦死して、悲しみに打ちひしがれながらも弔い合戦をするアキレウスの勇姿。
いちおう『図説ギリシア神話』(ふくろうの本シリーズ)という本を見て、神々の系図や人間関係を整理しながら読んでますが、この本自体もなかなか良くて、美しい彫刻や絵画が満載です。とくにプラクシテレスのヘルメス像やアルカメネスのアレス像は最高に素晴らしい(セクシー)です。

他に読書中なのは、丹波隆子『はじめてのギリシア悲劇』、星野力『甦るチューリング』、野矢茂樹『ウィトゲンシュタイン”論理哲学論考”を読む』。

金曜日, 11月 15, 2002

スーパーエディターこと安原顯氏が癌で余命が1ヶ月以内というのを本人がbk1のサイトで述べられていて、びっくりしました。

ヤスケンのブックサイト

安原顯氏というと、その歯に衣着せぬ物言いが「何、この人?」とか思ったりしましたが、その口調自体がわりと好きだったりするんですよね。
そして彼の編集で真っ先に思い出すのが、角川文庫から出ていた『読書の快楽』や『活字中毒養成ギブス』あたりの「ぼくらはカルチャー探偵団編」による一連のブックガイド。これらのブックガイドにはいろいろとお世話になり、この本により読書の幅もかなり広がりました。

今手元にあるのは『活字中毒養成ギブス』だけですが、ここに安原顯氏の「文庫化希望リスト」にスーザン・ソンタグの『反解釈』があって、今は無事ちくま学芸文庫になっているのを見るにつけ、とても感慨深い気がします。

それにしても「ヤスケンのブックサイト」では、相変わらずハイテンションの文章が綴られており、とても癌患者とは思えないバイタリティが感じられます。とくに10月24日の編集長日記!で、ミシェル・フーコーの「コレージュ・ド・フランスでの講義集全13巻」の刊行に際し、「この、本の売れぬ、超貧乏かつ白痴豚国家日本にも、「筑摩書房」のような会社がまだ存在することに超感動し、希望もわいてくる」とかなり飛ばしています。

フーコーは難解なイメージがあってなかなか手が出せなかったのですが、「講義集」だったら取っ付きやすいかな。笠井潔の『オイディプス症候群』の影響もあり、ちょっとトライしてみたい気になりました。

木曜日, 11月 14, 2002

ゲイであることをカミングアウトした元NFL選手エセラ・トゥアオロ(Esera Tuaolo)氏の「夫」ミッチェル・ウェアリー(Mitchell Wherley)氏のインタビューがAdvocate のサイトに載ってました。

Husband to a gay NFL player


この記事によると、ミッチェルが最初にエセラと会ったのはミネアポリスのマクドナルド。ミッチェルはエセラのことを魅力的で美しい声の持ち主だと思ったが、そのときは、エセラは自分のことなんかに目もくれないだろうと思っていたそうだ。
しかし1ヶ月後二人はミネアポリスのゲイ・バーで再会する。ミッチェルは電話番号を教え、そしてエセラから電話が掛かってくる。こうして二人の交際が始まった。
二人のデートは金曜日に会って、日曜日に別れる(みんなそうだよね)。二人はヨーロッパに旅行にも行ったそうだ(しかもミッチェルの家族同伴で!)

もちろん相手はNFL選手という有名人。二人はチームのホームタウンを避けてデートをし、ミッチェルが試合を見に行ったときには、彼の「肩書き」は「エージェント」だったり「マネージャー」といろいろと工夫を凝らしたそうだ。ミッチェルはテレビでボーイフレンドの活躍を見、彼からの電話を待ち、その電話で彼を励ました。

面白いのはミッチェルはもともとアメフトのファンではなかったが、エセラと付き合うようになってからファンになったということ。そしてエセラは料理好きで腕前もかなりのものらしい。
まあ、ちょっとノロケの入ったインタビューですね。

水曜日, 11月 13, 2002

シオドア・スタージョンの『たとえ世界を失っても』を訳した大森望氏だから、その文章にいつも何かしら期待していたが、所詮他の評論家と変わらなかったのかと思うと、とても残念な気分だ。

有名な大森氏のサイトの11月の日記には《NEXT賞》の所感が書いてある。その内容をひとことで言えば「同性愛=変態」ということだ。過激な作品をただ単に明快に表しただけなのかもしれないが、どうしてこんな、まるでやる気のないB級映画に「官能」や「禁断」という興味本位の言葉をくっつけて売り出しただけのような表現しか出来ないのだろう(その作品は同性愛者を変態として、すなわち差別的に描いているのだろうか)。

そして「変態的セックスがフィーチャーされている」とあるが、言わせてもらうと、同性愛者が同性とセックスすることはまったくの「自然」で「正常」なことだ。その代わり異性愛者(両性愛者ではない)が同性とセックスをするならば「変態」と呼んでもさしつかえないだろう。だが、それにもかかわらず、高城響の文章のように、本末転倒な「やおい」論が存在する。

これまで大森氏のジャンルを横断するような、それでいながらジャンルを尊重し、そのジャンルに適した文章で綴られた評論はいつも気になっていた。SFや本格ミステリに限らず、「月刊アスキー」の連載記事でも技術偏重──専門語、新語、ハヤリ語を並べただけ──のものと違って、技術の冷静さよりも、なんとなく「コミュニティの暖かさ」を感じさせるものであったが、最近はどうもつまらない、と感じていた。いや、「同性愛=変態」という短絡的な書き方を見て、「つまらなかった」ことを「理解」しただけなのかもしれない。それともただ単に大森氏が年齢に相応しい「常識」と「良識」がその文章に伺えるようになったから、そう感じるのかもしれない。

ホモセクシュアルという言葉は1868年、あるドイツ人医師によって考案されたと言う。精神医学の擬似(えせ)科学思考は、より良い支配のための振り分け(切断)を通して、粗野な偏狭さを文明化された偏狭さへと取り替えたに過ぎない。
何故、社会はいつも精神医学者ばかりに発言させ、──臨床における「症例」の悲しげな繰り言は別として──同性愛者たちには発言のチャンスを与えようとしないのだろうか。

ギィー・オッカンガム『ホモセクシュアルな欲望』(関修訳、学陽書房)








火曜日, 11月 12, 2002

Blogger といえばジャーナリストでオープンリーゲイのアンドリュー・サリヴァン氏も使ってましたね。

http://www.andrewsullivan.com/
BLOGGERを試験的に使ってみようと思います。
更新状況やちょっとしたメモ(現在Radical Will)、使い勝手が良ければ本格的に使用します。

とりあえずMagritt Windowと併用。それとフレーム切るのが面倒だったので IFAME になっています。IEかネスケ6以上じゃないと見えないですね。というかここが既に見えている人には言うまでもないのですが。