土曜日, 12月 21, 2002


Won't Get My Old Job Back - Paddick

これは、ブライアン・パディックという警部(police commander)が大麻疑惑によって、デスクワークにチェンジさせられたというものなんだけど、なんかイギリスの警察小説を読むにあたって興味深いというか……というより画像を見る限りパディック氏が凛々しくてセクシーで。

記事によると、ブライアン・パディック氏はゲイであることを公言している警察官。以前のパートナー(ということは男だろう)の申し立てにより、大麻疑惑が持ちあがったが、結局は証拠不充分になった。
ただ彼は、ドラッグ関係の捜査に当たっていたので、その仕事を続けることが問題になり、スコットランドヤードでのデスクワークになったというもの。

さすがイギリスっていう感じ。レジナルド・ヒルの小説に登場するウィールド部長刑事ようなゲイの警察官がいて、しかも南ロンドンのランバートの "police chief ""police commander"というから階級はかなり上だろう。ルース・レンデルの小説でいうと、ウェクスフォード警部と同じぐらいかな。


[更新状況]

Iron Gate にプラトン『饗宴』を追加しました。


金曜日, 12月 20, 2002

[シカゴ、市参事議員にオープンリー・ゲイのビジネスマンを指名する]

シカコ市長リチャード・M・ダーレイ氏は、市の参事議員に、ゲイであることを公言しているビジネスマン、トム・ターネイ(Tom Tunney )氏を指名した。

Chicago mayor nominates openly gay alderman

トム・ターネイ氏は47歳。Ann Sather というスウェーデン・レストランの経営者で、シカゴのゲイ・コミュニティのリーダー的存在。
「トムはスモール・ビジネスに精通しており、それらのシカゴ経済への重要性も十分理解している」とは市長の弁。

これに対しターネイ氏は「私のパーソナリティは……私はオープンリー・ゲイであり、そのことに満足(comfortable)している。私はとても異なったコミュニティを代表していることに満足している。そして私は、ハード・ワーカーだ」と応えている。

[裁判所、同性パートナーに対し養育費の支払いを命じる]

これはある意味グッドニュースなんだろうか。

ペンシルバニアの裁判所は、レズビアンの元パートナーに対し、子供の養育費を支払うよう命じた。

Court orders nonbiological parent to pay child support

記事によると、このレズビアンのカップルは、1980年から1997年まで同棲し、その間、<二人の合意により>原告の女性が人工授精により5人の子供をもうけた。被告の女性は、生物学上の母親(biological mother )が仕事に出ている間、子供たちの面倒を見ていたのだが、後に二人は「離婚」。今回の裁判になった。

問題は、「生物学上の親でない」(Nonbiological parents)同性パートナーに対し、子供の養育費を払う義務があるのか、ということだ。そしてこれは、すなわち、同性カップル(とその子供)の社会的な「認知」の問題も孕んでいる。

裁判所の判断は、異性カップルと同様、レズビアンのパートナーに対し養育費の支払いを命じた。裁判官は、「過去の記録によれば、二人は子供の養育に関し、「両・親」(co-parent)であることは明白である」と述べた。

原告の弁護士は、これは Nonbiological parents である同性パートナーに対し、子供の養育の義務を示した初めての判決で、このことによりレズビアンとゲイの「親たち」は、親権とそれに伴う義務が「公に」通知された、と語った。

被告の女性は控訴する模様。

木曜日, 12月 19, 2002

[ニューヨーク、反差別法成立へ]

ニューヨーク州知事ジョージ・パタキ(George Pataki、共和党 )氏は、ゲイやレズビアンに対する差別を違法とする法案にサインをした。

New York governor signs gay rights bill

New York Adopts Gay Rights Bill

この法案は、SONDA(Sexual Orientation Non-Discrimination Act)と呼ばれ、就業、住居、教育、公共サービス等において、性的指向によるあらゆる差別、迫害、ハラスメントを禁止。これにより30年におよぶアクティビストの悲願が達成された。
SONDA は30日以内に施行される。
[ペンギンのゲイ・カップル]

たまには、ちょっと和み系の話題でも。
昨日(12/18)の日経新聞夕刊に、大阪の水族館のペンギンがすべてオスだった、という記事が出ていた。これは水族館にいるイワトビペンギンたちが、10年間卵を生んだりしなかったので、DNA鑑定を行ったところ、メスのペンギンは一匹もいなくすべてオスだったというもの。

なんでも、ペンギンの雌雄を外見で確認することは難しく、しかも同性のパートナーを作ったりするからだという。そうか、ペンギンにも同性愛があるんだ。
で、そこの飼育係はこんなことを言っている。どうも巣作りが雑なカップルがいると思ったら、オス同士のカップルだった、と。

水曜日, 12月 18, 2002

[図書館、ブック・オフについて]

このことは先日、たまたま掲示板のレスで書いたけど、現在わりとホットな話題になっているらしい。
で、短気で感情的な僕の殴り書きよりも、冷静で「それもそうだね」って思わせてくれる意見があったので紹介します。

一つは「内田樹の研究室」の12月13日の日記。
もう一つは、それを受けての「鈴木晶の優雅な生活」の12月18日の日記。

お二人とも大学の先生で、さすがに理性的で説得力のある意見を述べています。
僕もこういった考えに納得しちゃいます。

と言うより──ここから短気で感情的な僕の意見になりますが──図書館に補償金を出すなんて絶対賛成できないですね。このあいだ掲示板に書いたように、図書館やブック・オフの利点は、ヘイト・クライムを助長するような差別的な作家(舞城王)に「金を払わなくて済む」からという理由も、僕の場合は大きい(つまり、例えば舞城王が載ってる本や雑誌なんかは絶対に「金を出して」買いたくないし、それに「加担」している人たちも同様に)。

それなのに、図書館が金を払ったらぜんぜん意味ないじゃん。それは図書館が差別を「奨励」していることと同じだ、ユダヤ人差別を国として行ったナチの政策だ……という理由(詭弁でもいいや)でもつけて、そういう議論が上がったときに、なんとしてでも反対したいですね。

[ブラッド・ピットの広告、禁止に]

とことんバカな国だと思う、マレーシアは。
ブラッド・ピットをフィーチャーした自動車の広告(トヨタ)が、アジアを見下しているんだって。

'Anti-Asian' Brad Pitt advert banned

なんでもアジアのブラピファンが、広告ポスターを拝借して、寝室に貼ったりしているから、という理由。

で、そんなことを言い出したある大臣は
「どうして、やつら(欧米人)を広告に使わなければならないんだ?」
「オレたちはハンサムじゃないっつーのか!」
なんてのたまっており、挙句の果てに、アジア人が劣っているような風潮を植え付けるという「プチ・ナショ」OR「ポチ保守」発言をしている。

じゃ、「外専」はどうしろっていうんだよ! と僕は言いたくなるね。

だいたい「劣っている」のは、マレーシア人の「ルックス」ではなくて、その政治体制で、「ルック・イースト」だかなんだか知らないが、日本に「おべっか」使ってニタニタしているマハティールの「ルックス」が怪しいだけだろ。

あ、言っとくけど、僕はそれほどブラピはタイプじゃないけどね。


火曜日, 12月 17, 2002

[バイロンのバイセクシュアル、明らかになる]

ロマンティックな詩人、バイロンのバイセクシュアルが明らかになった……と言うより、バイロンのバイセクシュアリティを「隠していたこと」が明らかになった。

Byron's bisexual secrets were kept from biographer, exhibition reveals

記事によると、バイロンの「ロマンティックな情事」=若い男性との恋愛は、50年代には伝記作者の Leslie Marchand により葬られてしまっていた。しかし今回の国立肖像画ギャラリーにおける展覧会では、そういった詩人の「ロマンティックな」バイセクシュアルが一つの焦点となっているようだ。

題して、"Mad, Bad and Dangerous"。これはバイロンの青年との「情事」について、元愛人(女性)が「狂気、悪徳、そして危険」と述べたことからきている。もちろん当時の抑圧的な社会では、バイロンのセクシュアリティはひた隠しにされ、ソドミーで告発されたとき彼は、国外へ逃亡せざるを得なかった。

まあ、なんとなくバイロンの作品にはそういった「友愛」というか同性愛的なものが感じられるし、そして実生活でもギリシア文化を守るためにトルコとの戦争に赴いたりと、あまりにも過剰なロマンティシズムに彩られている。やっぱり情熱的で真のロマン派だったんだな、と思う。

なおBBCでは、ジョニー・リー・ミラー主演によるバイロンのドラマ化が進んでいるという。


月曜日, 12月 16, 2002

[マジメにセクシーな文学書、トップ10]

ウェンディ・ペリアムという「セックス」について一言ある作家が、お堅い文学作品の中から、お気に入りのセクシーな作品をチョイスした。
もちろん Gurdian の記事なのでマジメなチョイスだけれども。

Wendy Perriam's seriously sexy books

これによると1位がエミリー・ブロンテ『嵐ヶ丘』。うーん、マジメだ。
2位がD・H・ロレンス『チャタレイ夫人の恋人』。ま、妥当か。
3位がアナイス・ニンの日記。ここらあたりからセクシャルになってくる。
4位がフィリップ・ロスのオナニー小説『ポートノイの不満』
5位をとばして、6位がアラン・ホリング・ハーストのゲイ小説『スイミングプール・ライブラリ』。コメントをみると、ポルノグラフィックなゲイ・セックス・シーンと非の打ち所のない文章スタイルが印象的だとか。
7位は翻訳されていないと思うけど、これまたゲイ小説でDavid Plante の『The Catholic 』。宗教と同性愛というのが映画『司祭』のようで、ことのほかセクシーに感じる。
8位がジョン・アップダイク。多分未訳かな。9位がジョセフィーヌ・ハートの『ダメージ』。
で、ラスト10位が『聖書』。ジョークではなく、本当にセクシーだと熱弁している。

まあ、この人、シャーロットではなくエミリー・ブロンテを選んでいること。アナイス・ニンやフィリップ・ロスを選んでいること。ゲイ小説が二つ。そして『聖書』を選んでいることから、あまり政治的=フェミニズムではない人のようだ。





[Google 検索語ランキング2002]

先週のニュースだけど──先週は頭に血が昇って書けなかった── Google の検索語ランキングが発表になった。

2002 Year-End Google Zeitgeist

ええと、日本での検索語の1位が「2ch」っていうのは、まあどうでもよくて。やっぱり Top Men ということで。
1位がエミネム、2位がブラッド・ピットとうのはまあ妥当か。
で、7位にベン・アフレック。これはオレもずいぶんと「貢献」したと思う。

国別でイギリスだと、マイケル・オーウェンが入っていて、日本との「温度差」が感じられる──ベッカムより(あとイルハン王子よりも)オーウェンのほうがいいじゃん!
あとウィル・ヤングが入っているのがイギリスっぽい。



日曜日, 12月 15, 2002

[英保守党、ゲイの「派閥」を歓迎]

このところ、ブレア夫人叩きに躍起になっているイギリス保守党党首イアン・ダンカンスミス氏であるが、日本の笑ってしまうほど絶望的な野党と違い、やることはきちんとやっているようだ。

Tories Welcome Gay Conservative Group

以前も、ある保守党議員がゲイであることをカミング・アウトしたことを書いたが、今回は党を挙げて、ゲイの保守党グループ(「派閥」でいいのかな)を「公式」に了承したということだ。
そして、差別的な法律「セクション28」(Section 28 )も廃止に向けて動き出し始めた。

このことにより、先日審議に挙がった「同性パートナー制」(同性結婚)もスムーズに可決されるのではないかと思う。