『このミステリーがすごい』を買ってきてました。
順位もさることながら、誰がどの作品を選んでいるのか、というのが一番気になっていたりして。やっぱりなんだかんだ言っても参考にしてしまう。
で、ちょっとしたメモ。
ヴァイン『煙突掃除の少年』、ストラウヴ『ミスターX』、トンプスン『死ぬほどいい女』はもともと必ず読む予定だったので(プラトン全作読破という野望を適当に切り上げてから)、それ以外でドロンフィールド『飛蝗の農場』とカーシュ『壜の中の手記』、レッドファーン『天球の調べ』、ヴァルガス『死者を起こせ』を読みたくなった。
国内ものは、紹介文を読んですごく読みたくなったのが『ロンド』。ダヴィッドの絵画の見立てというのがツボ。
あと風間賢二氏と千街晶之氏両人が選出している『GOTH』、『バラバの方を』。池上冬樹氏の推す『ハルビン・カフェ』あたり。
土曜日, 12月 07, 2002
イギリスの新たな同性パートナー制度の審議を受けて、Guardian ではさっそくゲイ・ライツについてスペシャル・レポートを載せている。
Special report:gay rights
さすが「一流紙」Guardian だなあ。税金のことから、宗教、ヘイト・クライム(ゲイに対する犯罪)、野党保守党の動向、養子問題、もちろんこれまでのゲイ・ライツ運動の歴史まで様々な角度からゲイ・ライツについてまとめている。日本にはこういった「高級紙」はないのだろうか。
Special report:gay rights
さすが「一流紙」Guardian だなあ。税金のことから、宗教、ヘイト・クライム(ゲイに対する犯罪)、野党保守党の動向、養子問題、もちろんこれまでのゲイ・ライツ運動の歴史まで様々な角度からゲイ・ライツについてまとめている。日本にはこういった「高級紙」はないのだろうか。
金曜日, 12月 06, 2002
[まるでグレアム・グリーンの小説のようなグレアム・グリーン]
Guardian のスクープ、なのかな。US Freedom of Information Act により、『ヒューマン・ファクター』『情事の終わり』他で有名な英国作家グレアム・グリーンに関するFBI秘密文書が明らかになった。
In life as in fiction, Greene's taunts left Americans in a quiet fury
この記事によると、アンチ・アメリカニズムを標榜しコミュニスト・シンパのグリーンについて、アメリカ当局はかなり神経と尖らし、彼を監視していたようだ。グリーンはキューバのカストロ議長と親しく、またオノ・ヨーコと一緒に俳優のクリス・クリストファーソン(誰?)と神についてや戦争と平和について意見を交わしていた──そのことがアメリカの秘密文書に克明に記されているという。
同様に、ニカラグアのサンディニスタ政権を支持していたグリーンが、最近絶好調のノーム・チョムスキーや作家のカルロス・フェンテスらとサンティニスタ革命10周年に参加しようとしていたことも、もちろん監視されていた、ということだ。
さすがは『ヒューマン・ファクター』の作家、思っていた以上に左翼系知識人のみならず、有力政治家(例えばオルテガとか)とも親交があり、FBI、CIAにマークされていた事実がわかる。英国といえば、やっぱり007の国。エスピオナージ小説が面白いのはあたりまえか。
また、グリーン原作『おとなしいアメリカ人』というまたまたアメリカ人を逆撫でしそうな映画”The Quiet American”がマイケル・ケイン主役でリリースされる。
……と書いていたら、大ニュースが。
同じくGuardian の記事で、イギリスでもついに異性愛のカップル(つまり「結婚」)と同等の権利を同性愛のカップルにも与えるパートナー制度(civil partnerships)の審議に入った模様。
Equal rights plan for gay couples
お、BBCのトップニュースに。
Gay couples 'to get equal rights'
Yahoo! UK でも政治記事で
Gays to secure same rights as married couples
タブロイドのミラーは、なんかエルトン・ジョンとその恋人(もちろん男)の痴話ケンカが……(笑)
DAVID FURNISH ON LIFE WITH A MEGASTAR
Guardian のスクープ、なのかな。US Freedom of Information Act により、『ヒューマン・ファクター』『情事の終わり』他で有名な英国作家グレアム・グリーンに関するFBI秘密文書が明らかになった。
In life as in fiction, Greene's taunts left Americans in a quiet fury
この記事によると、アンチ・アメリカニズムを標榜しコミュニスト・シンパのグリーンについて、アメリカ当局はかなり神経と尖らし、彼を監視していたようだ。グリーンはキューバのカストロ議長と親しく、またオノ・ヨーコと一緒に俳優のクリス・クリストファーソン(誰?)と神についてや戦争と平和について意見を交わしていた──そのことがアメリカの秘密文書に克明に記されているという。
同様に、ニカラグアのサンディニスタ政権を支持していたグリーンが、最近絶好調のノーム・チョムスキーや作家のカルロス・フェンテスらとサンティニスタ革命10周年に参加しようとしていたことも、もちろん監視されていた、ということだ。
さすがは『ヒューマン・ファクター』の作家、思っていた以上に左翼系知識人のみならず、有力政治家(例えばオルテガとか)とも親交があり、FBI、CIAにマークされていた事実がわかる。英国といえば、やっぱり007の国。エスピオナージ小説が面白いのはあたりまえか。
また、グリーン原作『おとなしいアメリカ人』というまたまたアメリカ人を逆撫でしそうな映画”The Quiet American”がマイケル・ケイン主役でリリースされる。
……と書いていたら、大ニュースが。
同じくGuardian の記事で、イギリスでもついに異性愛のカップル(つまり「結婚」)と同等の権利を同性愛のカップルにも与えるパートナー制度(civil partnerships)の審議に入った模様。
Equal rights plan for gay couples
お、BBCのトップニュースに。
Gay couples 'to get equal rights'
Yahoo! UK でも政治記事で
Gays to secure same rights as married couples
タブロイドのミラーは、なんかエルトン・ジョンとその恋人(もちろん男)の痴話ケンカが……(笑)
DAVID FURNISH ON LIFE WITH A MEGASTAR
木曜日, 12月 05, 2002
[ネオコンと中道派、ゲイ編]
例えば、ニューヨーク・タイムズのこの記事(読むためには登録が必要、無料)
Justices to Reconsider Ruling Against Sex Between Gays
これはテキサス州の「ソドミー法」が違憲にあたるかどうかを、ワシントンの最高裁判所が検討に入ったという記事。
当然ニューヨーク・タイムズ以外でも大きく報道されている。
Supreme Court to review Texas anti-sodomy law (USA TODAY)
Court to Hear Texas Case on Gay Rights(Washington Post )
もちろんこういった差別的、というよりも古色蒼然とした悪法は撤廃されるべきだと思っている。しかし実際の適用としては、州によってはほとんど有名無実化しているものもあるし、またソドミー法といっても同性間にだけ適用される「差別的」なものと、異性、同性間問わずアナル・セックス等を禁止している「平等的?」なソドミー法もある。
これについては言いたいことが山ほどある……けれど、とくに気になるのは、なぜ「今」なのか、だ?
さらにワシントン・ポストでは軍隊におけるゲイの話題がさかんに議論されている(これも登録が必要、もちろん無料)。
Real Evidence on Gays in the Military
Opinion Focus: Gays in the Military
ワシントン・ポストって「保守系」じゃなかったけ。ロサンゼルス・タイムズやサンフランシスコ・クロニクルだったらこういったゲイ関係の記事はよくあるんだけど。
で、これって最近、田中宇の国際ニュース解説でよく目にする「ネオコン(新保守主義派)」と「中道派」の権力争いが絡んでないか?
なにしろ「ソドミー法」の話題では、ブッシュ大統領の地元テキサス州絡みだし、軍隊はもちろんワシントン中枢と関係があるのは容易に予想される。それにもし純粋に「人権上」の問題だったら、クリントン民主党政権時代で解決されているはずだろうし(実際に議論されたが、ソドミー法も軍隊関係もゲイ側の権利が認められなかった)。もちろん時代がやっと21世紀らしくなったということもあるだろう(しかしながら日本では、21世紀になって時代に逆行するように、「やおい」関係者が悪意のある差別的なテキストをWebに載せ、卑劣な人権侵害を行っている)。
ただ、やっぱり「今の時期」というのが気になる。アッシュクロフト司法長官はたしかに超保守主義者として知られているが、単なる宗教的、あるいは思想的な保守を表明しているだけかもしれない。チェイニーの娘はレズビアンだということも聞いたことがある──そういえばチェイニー絡みで、例のエンロンはゲイ・フレンドリーな企業として有名だった……。
うーん、ついにワシントンの熾烈な権力争にゲイも巻きこまれてしまったのか……なんてことを思ってしまうくらい最近の「田中宇の国際ニュース解説」は面白い。
例えば、ニューヨーク・タイムズのこの記事(読むためには登録が必要、無料)
Justices to Reconsider Ruling Against Sex Between Gays
これはテキサス州の「ソドミー法」が違憲にあたるかどうかを、ワシントンの最高裁判所が検討に入ったという記事。
当然ニューヨーク・タイムズ以外でも大きく報道されている。
Supreme Court to review Texas anti-sodomy law (USA TODAY)
Court to Hear Texas Case on Gay Rights(Washington Post )
もちろんこういった差別的、というよりも古色蒼然とした悪法は撤廃されるべきだと思っている。しかし実際の適用としては、州によってはほとんど有名無実化しているものもあるし、またソドミー法といっても同性間にだけ適用される「差別的」なものと、異性、同性間問わずアナル・セックス等を禁止している「平等的?」なソドミー法もある。
これについては言いたいことが山ほどある……けれど、とくに気になるのは、なぜ「今」なのか、だ?
さらにワシントン・ポストでは軍隊におけるゲイの話題がさかんに議論されている(これも登録が必要、もちろん無料)。
Real Evidence on Gays in the Military
Opinion Focus: Gays in the Military
ワシントン・ポストって「保守系」じゃなかったけ。ロサンゼルス・タイムズやサンフランシスコ・クロニクルだったらこういったゲイ関係の記事はよくあるんだけど。
で、これって最近、田中宇の国際ニュース解説でよく目にする「ネオコン(新保守主義派)」と「中道派」の権力争いが絡んでないか?
なにしろ「ソドミー法」の話題では、ブッシュ大統領の地元テキサス州絡みだし、軍隊はもちろんワシントン中枢と関係があるのは容易に予想される。それにもし純粋に「人権上」の問題だったら、クリントン民主党政権時代で解決されているはずだろうし(実際に議論されたが、ソドミー法も軍隊関係もゲイ側の権利が認められなかった)。もちろん時代がやっと21世紀らしくなったということもあるだろう(しかしながら日本では、21世紀になって時代に逆行するように、「やおい」関係者が悪意のある差別的なテキストをWebに載せ、卑劣な人権侵害を行っている)。
ただ、やっぱり「今の時期」というのが気になる。アッシュクロフト司法長官はたしかに超保守主義者として知られているが、単なる宗教的、あるいは思想的な保守を表明しているだけかもしれない。チェイニーの娘はレズビアンだということも聞いたことがある──そういえばチェイニー絡みで、例のエンロンはゲイ・フレンドリーな企業として有名だった……。
うーん、ついにワシントンの熾烈な権力争にゲイも巻きこまれてしまったのか……なんてことを思ってしまうくらい最近の「田中宇の国際ニュース解説」は面白い。
火曜日, 12月 03, 2002
BLOGGER のテンプレート・サーバーがトラブっていたので、昨日はパブリッシュできなかった。
で、軽く更新。ちょっと和み系(デンパな)記事を、Boston Globe の人生相談(ANNIE'S MAILBOX)から。
[自分はゲイ?]
Infatuation has him questioning his orientation
親愛なるアニーへ
わしは妻がいて、子供がいて、孫もいる65歳の男だが、最近うちの若いビジネス・パートナーに魅力を感じてしまって……そのパートナーは男性なんだよ。
自分はずっと異性愛だと思っていたのだが、彼のことを思うと、ちょっと混乱して……。わしの世代ではゲイであるということを受け入れることはできなかったのだが、それが原因なのか? でもなんで今ごろになってこんな気を起こすのだろう? 自分はゲイなんだろうか? わしはどうしたらよいだろう?
アニーの答え
そんなこと(ゲイかどうかがわからないなんて)カリフォルニアではびっくり。
もしこういったことが最初で、唯一のことで、彼以外の他の男性に魅力を感じないのなら、あなたはゲイじゃないわ。そう珍しいことではないし。でもなんといってもあなたは結婚しているのだし、どちらにしても「不倫」になっちゃう。ヘルプが必要かも。ドクターに相談してセラピーを受けたほうが……すぐ予約取って!
で、軽く更新。ちょっと和み系(デンパな)記事を、Boston Globe の人生相談(ANNIE'S MAILBOX)から。
[自分はゲイ?]
Infatuation has him questioning his orientation
親愛なるアニーへ
わしは妻がいて、子供がいて、孫もいる65歳の男だが、最近うちの若いビジネス・パートナーに魅力を感じてしまって……そのパートナーは男性なんだよ。
自分はずっと異性愛だと思っていたのだが、彼のことを思うと、ちょっと混乱して……。わしの世代ではゲイであるということを受け入れることはできなかったのだが、それが原因なのか? でもなんで今ごろになってこんな気を起こすのだろう? 自分はゲイなんだろうか? わしはどうしたらよいだろう?
アニーの答え
そんなこと(ゲイかどうかがわからないなんて)カリフォルニアではびっくり。
もしこういったことが最初で、唯一のことで、彼以外の他の男性に魅力を感じないのなら、あなたはゲイじゃないわ。そう珍しいことではないし。でもなんといってもあなたは結婚しているのだし、どちらにしても「不倫」になっちゃう。ヘルプが必要かも。ドクターに相談してセラピーを受けたほうが……すぐ予約取って!
月曜日, 12月 02, 2002
[「ホモセクシュアル」、不使用へ]
イギリス政府が推進している職場における差別撤廃プロジェクトでは、「ホモセクシュアル(homosexua)」という言葉の不使用を検討している。
New Equality Law Will Drop Word "Homosexual"
記事によると、 "orientation towards people of the same sex" 、つまり同性への性的「指向」(orientation)を持つ人々のことを、「ゲイ、レズビアン」という言葉に改正する新法の施行を2003年度より目指しているという。もちろん言うまでもなく、セクシュアリティによる職場での差別は違法だ。
まあ、こんなことは、イギリスではなくてもあたりまえのことで、「ホモセクシュアル」という「症例」のようなニュアンスの「言葉」の使用こそ、差別的であり、「テクスチュアル・ハラスメント」であることは、少し考えればわかることだ。
借り物でない「テクスチュアル・ハラスメント」の概念が日本でも根付くためには、「当事者」がまず使用する「言葉」の意味やニュアンスをきちんと再考すべきであろう。
イギリス政府が推進している職場における差別撤廃プロジェクトでは、「ホモセクシュアル(homosexua)」という言葉の不使用を検討している。
New Equality Law Will Drop Word "Homosexual"
記事によると、 "orientation towards people of the same sex" 、つまり同性への性的「指向」(orientation)を持つ人々のことを、「ゲイ、レズビアン」という言葉に改正する新法の施行を2003年度より目指しているという。もちろん言うまでもなく、セクシュアリティによる職場での差別は違法だ。
まあ、こんなことは、イギリスではなくてもあたりまえのことで、「ホモセクシュアル」という「症例」のようなニュアンスの「言葉」の使用こそ、差別的であり、「テクスチュアル・ハラスメント」であることは、少し考えればわかることだ。
借り物でない「テクスチュアル・ハラスメント」の概念が日本でも根付くためには、「当事者」がまず使用する「言葉」の意味やニュアンスをきちんと再考すべきであろう。
日曜日, 12月 01, 2002
[ゲイ、レズビアンの投票者数は5%]
先日(といっても、ちょっと時間が経ってしまったが)行われたアメリカ中間選挙では、共和党の歴史的勝利により、いちおうブッシュ政権が信任されたようだが、日本ではまだ行われていないだろう興味深い分析結果が発表になった。まあ、よくある「投票者像」の分析なのだが、これがゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの投票者全体に占める割合が示されている。
Poll: Five Percent of Electorate Gay
この記事よると、有権者としてのGLBTのパーセンテイジは全体の5%。これが実際、どの程度の政治的パワーになるのかは、個人的にちょっと計りかねるが──統計はあくまでも統計だと思うので──、例えば、他のマイノリティ・グループとの比較で言えば、2000年度のアフリカ系アメリカ人の割合は10%、ヒスパニック系が7%、ユダヤ系が4%、アジア系が2%となる。つまり数値的には決して少なくはないと言えるだろう。(ただ、例えばヒスパニックでゲイの場合は、どちらを優先するのかは、この分析では不明)
またGLBTの支持政党は、71%が民主党、19%が共和党で、ゲイ、レズビアンは圧倒的に民主党支持だ。
あと蛇足ながら、この記事が載っている THE GAY FINANCIAL NETWORK は、ゲイを対象にしたビジネスや投資を専門に扱っているサイトなので、「堅め」のニュースが多い。IBMが大きく広告を載せているのも印象的だ。
先日(といっても、ちょっと時間が経ってしまったが)行われたアメリカ中間選挙では、共和党の歴史的勝利により、いちおうブッシュ政権が信任されたようだが、日本ではまだ行われていないだろう興味深い分析結果が発表になった。まあ、よくある「投票者像」の分析なのだが、これがゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの投票者全体に占める割合が示されている。
Poll: Five Percent of Electorate Gay
この記事よると、有権者としてのGLBTのパーセンテイジは全体の5%。これが実際、どの程度の政治的パワーになるのかは、個人的にちょっと計りかねるが──統計はあくまでも統計だと思うので──、例えば、他のマイノリティ・グループとの比較で言えば、2000年度のアフリカ系アメリカ人の割合は10%、ヒスパニック系が7%、ユダヤ系が4%、アジア系が2%となる。つまり数値的には決して少なくはないと言えるだろう。(ただ、例えばヒスパニックでゲイの場合は、どちらを優先するのかは、この分析では不明)
またGLBTの支持政党は、71%が民主党、19%が共和党で、ゲイ、レズビアンは圧倒的に民主党支持だ。
あと蛇足ながら、この記事が載っている THE GAY FINANCIAL NETWORK は、ゲイを対象にしたビジネスや投資を専門に扱っているサイトなので、「堅め」のニュースが多い。IBMが大きく広告を載せているのも印象的だ。
登録:
投稿 (Atom)