土曜日, 11月 23, 2002

ウィル&グレイス、絶好調

NHKでも放映しているゲイ・テーマのシット・コム『ウィル&グレイス』。今日のエピソードもなかなか面白かったが(ウィルとジャックのキスシーンがあったし)、本家のアメリカNBCでは、記念すべきエピソード100でなんとグレイス(デブラ・メッシング)がレオ(ハリー・コニック Jr.)と結婚! advocate の記事によると、これがかなりの高視聴率を記録したようで、マット・デイモンがゲスト出演したエピソードに次ぎ、約2440万人が番組を見たそうだ。

Will & Grace wedding episode delivers high ratings




金曜日, 11月 22, 2002

ジョディ・フォスター監督『Flora Plum 』にユアン・マクレガー

レズビアン・アイコンのジョディ・フォスターの監督作品『Flora Plum 』は、2000年に撮影スタートのはずだったが、ラッセル・クロウの怪我により中断。その後、ラッセル・クロウは役を降りてしまったが、しかしこのたびクロウの代わりにユアン・マクレガー主演で、プロジェクトが再開した。

Jodie Foster's Plum back in play

この映画はサーカスが舞台で、ユアンはサーカスの「フリークス」という役。個人的にはラッセル・クロウよりもユアン・マクレガーのほうがタイプなので、ちょっと楽しみ。
他にメリル・ストリープにも出演を打診している模様。
[デイヴィッド・ピースの特集記事]

それほど関心があったわけではなく、ただなんとなくその記事を読んでいたら、興味をそそる文章にぶち当たった。
Crime Time に掲載されたデイヴィッド・ピースの特集記事で、ここでピースは『1980』(Nineteen Eighty)は画家のフランシス・ベイコンの影響──とくに構成と色彩に関して──を受けたということだ。

フランシス・ベイコン! この言葉が出てくるだけで、デイヴィッド・ピースに対する見方が変わった。フランシス・ベイコンは僕の大好きな画家で、英国No1のアーティストだと思う。そしてその作品はまさに「ノワール」そのもので、戦慄のイマジネーションを掻き立てる素晴らしいものだ(ジル・ドゥルーズのベイコン論はいつ出るんだ!)。
そのベイコン作品の構成や色彩に影響を受けた「小説」というものが、どういうものなのか──たとえ?なものであっても──とても気になりだした。近いうちに読んでみよう。

それとその記事で面白かったのは、デイヴィッド・ピースは──日本滞在の経験があるからなのか──、芥川龍之介や中上健次を気に入っているらしく、とくに中上健次の作品は、ジェイムズ・M・ケインやジム・トンプスンに比すべきものだと述べている。中上健次の作品は(当然のごとく)『讃歌』しか読んでなく、その露悪趣味に辟易してあまり良い印象はないのだが、ジム・ドンプスンとの比較はちょっと興味深い。さらにピースはイギリスで馳星周の作品が読めないことは恥ずべきことだとも言っている。

この記事を読むと、デイヴィッド・ピースって、あのサングラスのいかついイメージと違い、文学通で(最も影響を受けたのがダンテだそうだ)意外に折り目正しい紳士のようだ。

水曜日, 11月 20, 2002

[ Mike Henson 逝去]

80年代後半から90年代始め、ゲイ・ポルノスターとして活躍した Mike Henson (本名 Kenneth Seymour)が、2002年9月20日、亡くなりました。死因はドラッグ中毒のようです。

dead porn stars

Mike Henson というと、個人的に Joey Stefano と共演した "More Of a Man"(All Worlds) という作品が忘れられません。単なるポルノを超えた素晴らしい「ゲイ映画」で、とくに Joey と Mike がゲイ・パレードの最中に愛し合うシーンは 感動以外の何物でもありません。 Joey もすでに亡くなっており、 Mike もいなくなってしまってとても寂しいです。

Mike Henson, 1964-2002

When we two parted In silence and tears,
Half broken-hearted, To sever for years,
-------------------------
In secret we met: In silence I greive
That thy heart could forget,
Thy spirit deceive.
If I should meet thee After long years,
How should I greet thee? --
With silence and tears
.

by George Gordon Byron




以前、Radical Will に書いた、オープンリー・ゲイで暴漢に襲われたパリ市長ドラノエ氏が、無事、公務に復帰しました。

Paris mayor back at work

まだ医師の診断を仰がなくてはならない状況のようですが、とりあえず仕事に復帰できたことを喜びたいと思います。





火曜日, 11月 19, 2002

[更新状況]
Iron Gate にプラトン『パイドン』を追加しました。

月曜日, 11月 18, 2002

ブック・モバイルから学んだこと
オライリーのWebサイトにもブック・モバイルについての記事がありました。

Lessons from the Internet Bookmobile

この記事によると、インターネット・ブック・モバイルを始めるきっかけとなったのは、Eldred v. Ashcroft という著作権延長の争いで、これはもともとミッキー・マウスの著作権絡みのことだったようです。

Mickey Mouse vs. The People


Lawrence Lessig 氏は、ミッキー・マウスなんか忘れろ! 私たちの文化に本当に必要なのは Brewster がしていること、 Eldred がしていることだ、と憤っています。Eric Eldred 氏は原告の出版人で、Brewster Kahle 氏は Internet Archive のディレクターでブック・モバイルの提唱者です。
(ちなみにアシュクロフト司法長官は保守派で知られ、司法長官任命の際、民主党の反対によって就任がかなり遅れました。その一つが同性愛者に対する過去の冷遇処置で、ゲイのアメリカ大使の任官をしぶった「前科」があります)

この記事を書いている Richard Koman 氏は、Brewster 氏とともに、HPのプリンター、二つのラップトップPC、製本機、裁断機をもってブック・モバイルに乗り込み、アメリカを横断したそうです。
ブック・モバイル、オン・ザ・ロード



インターネット上のパブリック・ドメイン(著作権フリー)の「テクスト」を印刷し製本する Bookmobile が文字通り全米を走り回りました。

http://www.archive.org/texts/bookmobile.php

2002年9月30日から始まったこのデモンストレーションは、衛星回線よりダウンロードしたネット上の著作権フリーのデジタルブックを、「いつでも、どこでも、だれにでも」というコンセプトのもと、印刷製本を行うものです。サンフランシスコからワシントンDCまで移動しながら、学校や図書館、老人ホーム等、本を必要としている人たちのいる場所へとブック・モバイルは走り続けます。

なぜ2002年9月30日からなのか? それには理由があります。最高裁において行われた著作権の延長に関する審議のためです。著作権の有効期限が長くなると、それだけパブリック・ドメインの「図書館」が影響を受けます。試算では、この著作権延長により、20年間、新しい本がパブリック・ドメイン図書館に入らないことになるということです。

Bookmobile は10月9日、歴史的な審議が行われているワシントンDCの最高裁判所へ向かいました。

日曜日, 11月 17, 2002


マットさんのサイトがまたまたクールにリニューアルしました。

http://www.guys-life.com/

いつもながらマットさんのセンスに脱帽です。
BLOGGER 、なかなか良い感じです。テンプレートもスクリプト部分以外はシンプルで、スタイルシートで簡単に修正ができ、なにより外部PCでのFTP操作がラク。本格的に使用することにしました。タイトルも"MINORITY REPORT"に変更。

ドナ・タートの『シークレット・ヒストリー』に感化されて、このところギリシア三昧。もともとプラトンは好きでよく読んでいたのですが、今は古典中の古典、ホメロス『イリアス』を読んでいます。いやー、アキレウス、凛々しくてカッコイイ。ストーリーはだいだい知っているので、読みどころは「親友」パトロクロスが戦死して、悲しみに打ちひしがれながらも弔い合戦をするアキレウスの勇姿。
いちおう『図説ギリシア神話』(ふくろうの本シリーズ)という本を見て、神々の系図や人間関係を整理しながら読んでますが、この本自体もなかなか良くて、美しい彫刻や絵画が満載です。とくにプラクシテレスのヘルメス像やアルカメネスのアレス像は最高に素晴らしい(セクシー)です。

他に読書中なのは、丹波隆子『はじめてのギリシア悲劇』、星野力『甦るチューリング』、野矢茂樹『ウィトゲンシュタイン”論理哲学論考”を読む』。