土曜日, 12月 28, 2002

[プラトン熱、再び]

ちょっと更新が雑になるかもしれないけど、いろいろと本、読んでます。
特にプラトン。関係書もいくつか買ってきました。

神崎繁『プラトンと反遠近法』(新書館)
エリック・A・ハヴロック『プラトン序説』(新書館)
エルンスト・カッシーラー『英国のプラトン・ルネサンス』(工作舎)
藤沢令夫『プラトンの哲学』(岩波新書)
廣川洋一『プラトンの学園アカデメイア』(講談社学術文庫)
現代思想『甦るギリシャ』(青土社)

で、今神崎繁『プラトンと反遠近法』読んでるけど、これは面白い!
プラトン関係でお勧めがあったら、よろしく。

ミステリーではルース・レンデル『聖なる森』(ポケミス)
これもすごく面白い。ウェクスフォード・シリーズを見直した感じ。

他にロレンス・ダレル『ジュスティーヌ』(河出書房)
男色家バルタザールの存在がなかなか。



金曜日, 12月 27, 2002

[ハーブリッツ追悼記事]

Gurdian の「カメラで神と女神を創造した」という本格的な追悼記事を始め、海外メディアではハーブリッツの死去を大きく扱っています。

Herb Ritts: Work (Boston Museum of Fine Arts)

The man who created gods and goddesses with his camera (Gurdian)

Photographer Herb Ritts dies (BBC)

Top Hollywood photographer dies of pneumonia at 50 (San Francisco Chronicle)

Herb Ritts, Celebrity Photographer, Dies at 50 (NY Times)


Herb Ritts Dead At 50 (Gaycom)

Photographer Herb Ritts's death came after years of battling HIV (Advocate)

また Advocate の記事によると、ハーブリッツ氏の死因はHIV感染による肺炎の合併症が原因で、彼は何年も病気と闘っていたそうです。

こういった記事を読むと、「やおい」関係者がエイズをネタにしたふざけたテクストにリンクし、ふざけたコメントを書いていたということに、あらためて強い憤りを感じます。

木曜日, 12月 26, 2002

[ハーブリッツ、死亡]

写真家のハーブリッツ(Herb Ritts)氏が、24日亡くなりました。50歳でした。

Prominent photographer Herb Ritts dead of pneumonia

記事によると死因は肺炎で、ロサンゼルスの病院で亡くなったということです。

ハーブリッツ氏はオープンリー・ゲイであり、男性ヌードや数々の有名人の写真を撮ってきました。僕の大好きな写真家であり、とても残念です。
ご冥福をお祈りいたします。



[更新状況]

Iron Gate にプラトン『イオン』を追加しました。


水曜日, 12月 25, 2002

[ジジェクの「差別」に対する考察]

スラヴォイ・ジジェクについて紹介しているサイトがあり、その「差別」に対する考察にとても興味を惹きました。
リンク・フリー、引用OKだということなので、紹介させていただきます。

「遅れてきた青年」
ジジェク翻訳より

これによると、

「私は、自分自身がアフリカ系アメリカ人やユダヤ人やアラブ人に対して吐く暴力的な言葉の噴出の、真の語り手ではない」と語る人種差別主義者をためしに考えてみる

彼の演技的な言い方はそれ自体においては暴力的な行為をしでかしているわけだが、彼は単に歴史上手に入る侮辱に対し言及したり、引用を行ったり、事例を引いてきたりしているだけであり、そのために彼自身ではなく歴史的な伝統が審理にかけられねばならなくなる

しかし、そうではなくて

「彼の背後に行為者はいない」というだけであって、差別的な言葉を吐いている以上は、彼本人が審理にかけられるべきだ

という趣旨になるようです。

これこそ、まさに、「やおい」関係者が、差別的なテクストにリンクをしたり、引用していることにおいて──しかもその侮蔑性、差別性を十分に認識しておきながら──、「やおい」はただの「妄想」であるとか、あるいは自分の意見ではなくて、ただ(差別的な情報に)「リンク」張っただけだかいう免罪は通用しないことの根拠になると思います。なにしろ、引用をもとに、馬鹿にしたような、嘲るような「コメント」を「本人」がしているのだから。

[ジュディス・バトラー『アンティゴネーの主張』発売]

待望の、ジュディス・バトラーの『アンティゴネーの主張』(竹村 和子訳、青土社)が翻訳出版されました。

アンティゴネーの主張 問い直される親族関係(bk1)

原書のペーパーバックはこちら
Judith Butler "Antigone's Claim" (Amazon)

セクシュアリティ、ゲイ・スタディーズ、フェミニズムに関心のある人はぜひ。
僕はもちろん、「やおい」の差別性を告発するために読み抜きます。



火曜日, 12月 24, 2002

[ダン・フッターマン、ウィル&グレースに出演]

本家アメリカ『ウィル&グレース』では、グレースがハリー・コニックJrと結婚してしまい、残されたウィルはどうなるんだ、と多くの視聴者は気になっていたが、エピソード5ではダン・フッターマン(Dan Futterman )が登場するということだ。

"Will" he or won't he get laid?

フッターマンの役はカレンのいとこで、名前はバリー。遅咲きのゲイ(late-blooming queer)で、ウィルとジャックが彼を「一人前のゲイ」にすべく、ゲイ・シーンを紹介したりするらしい。そして、ウィルのボーイ・フレンドになる可能性も……。




月曜日, 12月 23, 2002

[更新状況]

Iron Gate にニコラス・ロイル『サクソフォン』を追加しました。



[名曲喫茶スカラ座閉店]

ユトレヒトのニュースによると、新宿歌舞伎町にある「名曲喫茶スカラ座」が12月31日で閉店するようです。

歌舞伎町の名曲喫茶「スカラ座」閉店へ

個人的にここはよく利用したんですよね。待ち合わせとかデートとかひまつぶしとか。音楽を聴きに行くというよりも、「名曲喫茶」というレトロな雰囲気がすごく好きで、それになんといってもあのツタのからまった洋館が、歌舞伎町にあってひときわユニークで(そういえばここ以外でも、中野の「クラシック」や渋谷円山町の「ライオン」とかもいい味だしてたな)。
こういった名物店がなくなることになって、とても寂しい気がします。



日曜日, 12月 22, 2002

[RING02、来年2月発売]

ジープロジェクトより、ゲイ&レズビアン、セクシャルマイノリティ向けのインターネットガイドブック RING (Rainbow INternet Guide) の第2号が、来年2月に発売されるようです。

インターネットガイド「RING」







イギリスからアートの話題を二つほど。

[ルシアン・フロイド、売上ナンバー・ワン]

Freud painting takes top spot in Tate postcard stakes

英テイトギャラリーでのポストカード売上のトップは、なんとルシアン・フロイド。これまで人気ダントツだった、ジョン・エヴァレット・ミレイの『オフィーリア』を破っての快挙だそうだ。また、『オフィーリア』同様、可憐な美女の代名詞のようなウォーター・ハウス『レディ・シャーロット』も売上ダウンしているようだ。

これは、現代美術愛好家が増えてきていることと、そしてまた「囚われた」感じの古い女性像よりも、自己主張している女性像のほうが時代にフィットしているからだろうと関係者は見ている。そういえば、たしか高山宏の『テクスト世紀末』にも、ラファエル前派あたりの「窮屈な」女性像のことが書かれてあったはずだ。


[盗まれたターナーの絵画、発見される]

こちらもテイトギャラリーの話題。

Stolen Turner paintings found

8年前、ドイツで盗まれたターナーの二つの絵が発見された。これらの絵はテイトギャラリーが所有していたもので、展覧会のため、ドイツに貸し出していた。ターナーの作品の中でも極めて重要な作品だということだ。
ただ、作品が戻ったことについて、テイトギャラリーの責任者は多くを語っていない模様。なぜだ?気になる。
また、オリジナルの額縁は紛失しており、同時に盗まれたフリードリッヒの作品もまだ見つかっていない。