火曜日, 5月 06, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『サマードレス』を追加しました。



月曜日, 5月 05, 2003

[更新状況]

This Sweet Sickness に『クリミナル・ラヴァーズ』を追加しました。


日曜日, 5月 04, 2003

[更新状況]

映画レビューのコンテンツ"This Sweet Sickness"を新たに作成しました。最初の感想はフランソワ・オゾン監督『ホーム・ドラマ』です。


土曜日, 5月 03, 2003

[更新状況]

ディスク・レビューにシェーンベルク『期待』を追加しました。


水曜日, 4月 30, 2003

[更新状況]

Iron Gate に石井陽一 『世界の汚職 日本の汚職』を追加しました。


日曜日, 4月 27, 2003

[更新状況]

Iron Gate に佐藤亜紀『1809 ナポレオン暗殺』を追加しました。

金曜日, 4月 25, 2003

[更新状況]

ディスクレビューに高橋悠治「新ウィーン学派ピアノ作品集」を追加しました。


水曜日, 4月 23, 2003

[更新状況]

Iron Gate にマーク・レイナー『前より薄くなったペンキを吸ったあとに物した文章』を追加しました。


日曜日, 4月 20, 2003

さっき見ていたNHK教育の芸術劇場のニュースで、作曲家の石井眞木氏が4月8日に逝去されたことを知りました。石井氏の曲は、DENONから出ている CONCERTANTE Op.79 (1988)しか聴いたことがありませんが、この曲は、刺激的かつ非常に美しく、霊妙とさえ言いたいような<間>のある「打楽器音楽」で、カップリングのクセナキス『プレイアデス』に勝るとも劣らない魅力的な響きに溢れています。
ご冥福をお祈りいたします。




[更新状況]

Iron Gate に大江健三郎『空の怪物アグイー』を追加しました。


土曜日, 4月 19, 2003

[SOVIET JEANS]

ここのところショスタコーヴィチやプロコフィエフばかり聴いていたためか、夢の中にまで「共産党」が出てきた……と思ったら、選挙カーの連呼だった。こんな朝早くに……といっても9時30分だが、でも、食い物の恨みよりも、睡眠の恨みのがイラだつこの頃。

そういえば下のショスタコ/プロコ/スクリャービンのCDのカヴァーで思い出したのだが、「ソヴィエト・ジーンズ」といういイタリアのジーンズを昨日は履いていたんだった。これ、随分前に買ったもので、売っていた日本のショップも今はなくなってしまったのだが、メーカー自体は今でもあるのだろうか? と探してみたら、あった。SOVIET JEANS(cl) 。赤い星がやけに目立つ以外は、どこをとってもイタリアン……あれ、 cl ドメインってイタリアじゃなくて、調べてみたら、チリだった(でもチリの男性モデルがなかなかセクシーだったのでこっちも載せておくね)。
メインの入口はこっち Soviet Jeans.com 。さすがは凝ったデザインだ。






ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲が1990円という超バジェットプライスだったので買ってきた。全15曲5枚組み。良心的な値段、というよりも、こんなに安くていいのか? と思ってしまうほどだ。
演奏は Rubio Quartet 。今も聴いているが、なかなか良い感じ。それにボックスのデザインもショスタコの音楽に相応しいモダンなもので、CD本体にも作曲者の顔が印刷されているし、ケースの側面も同様だ。値段のわりに全然安っぽくないのが嬉しい。レーベルは BRILLIANT CLASSICS で、「complete」をウリにしており、どれもまるでレンガのような分厚さのCDボックスになっている。

それで、BRILLIANT CLASSICS のウェブサイトを眺めていたら、ショスタコ、プロコフィエフ、スクリャービンのピアノソナタ全集がカタログに載っていて、演奏者はホーカン・アウストベだった。アウストベはNAXOSから出ているメシアンがとても良かったので、彼のスクリャービンやプロコフィエフも聴いてみたい気がする。カヴァーのいかにも「ソビエトっぽさ」も良い感じ。




金曜日, 4月 18, 2003

[気になる新刊]

晶文社からアフロディーテ双書というエロティックな海外文学コレクションが刊行される。第1回目はアルフレッド・ミュッセの『ガミアニ』とピエール・ルイスの『女と人形』。『ガミアニ』はジョルジュ・サンドをモデルにしたレズビアン小説のようだ。

筑摩書房からはフラナリー・オコナー全短編集が5月に刊行。これは本当に待望の短編集だ。オコナーの凄まじさは、そんじょそこらの暴力的な雰囲気だけに与った作品とは根本的に次元が違う。『善良な田舎者』や『高く昇って一点へ』の異様さは、一読、忘れ難い。「敵意を持った観衆」取り巻かれた「恐怖」をこれほどまでに壮絶に表現できる作家はそうはいない。そういえば大江健三郎もフラナリー・オコナーについてよく言及していたな。




木曜日, 4月 17, 2003

ソフロニツキーと言えばスクリャービン。 PHILIPS のGREAT PIANISTS OF THE 20th CENTURY にはショパンとスクリャービンが半々ずつ収録されており、その名演を堪能できる。
とにかく3番ソナタが素晴らしくて、重々しく劇的な一楽章から焦燥感を掻き立てる情熱的なフィナーレまで、どこを取ってもソフロニツキーの圧倒的な表現力を感じさせてくれる。また「黒ミサ・ソナタ」のまさに異様で呪術的とも言えるエクスタシー(トリルが妖しすぎる)、「焔に向かいて」の性的興奮にも似た上昇運動も強烈だ。

いまさらのクリシェであるが、やっぱりこういうのはディオニュソス的熱狂と言うんだろうな。

水曜日, 4月 16, 2003

弾きたいけど絶対にムリだろう?と思うのがプロコフィエフ。でも大好きだ。『ロメオとジュリエット』の「モンターギュ家とキャプレット家」はなんとなく弾けそうな気がしたのだけれども、やっぱり弾けない。『悪魔的暗示』(Suggestion diablique op.4 No.4)なんかはもってのほか、いちおう楽譜は持っているけど(黄色に赤のショッキングなカバー。しかも MCA MUSIC PUBLISHING というアメリカ、ミルウォーキーにある出版社のもの)。

なのでCDを聴く。DGから出ているアンドレイ・ガブリーロフのやつ。あの超難曲『悪魔的暗示』を難なくインテンポで弾きこなしている。

『悪魔的暗示』と言えば、以前NHKでウラディミール・ソフロニツキーが弾いていたのを見たことがある。ソ連時代に、社会主義リアリズムではなく、アヴァンギャルド音楽を好んで演奏していたので当局により冷遇されていた芸術家、という扱いだったと思う。なかなかハンサムで、しかも革ジャンを着て『悪魔的暗示』をドライブしていたのが印象的だった。




火曜日, 4月 15, 2003

[シャンプー・プラネット]

ダグラス・クープランドの『シャンプー・プラネット』(森田義信訳、角川書店)を読んでいたら、ちょっと良い場面があったのでメモ。
ハロウィーンの夜、主人公の「僕」と恋人のステファニーがとっても「洗練されたコスチューム」の子供を見つけるシーン。

僕らの背後に立っているのは、黒いジーンズをはき、黒いタートルネックのセーターを着て、毛の逆立った白い小さなかつらをかぶった小さな男の子だ。そばには、同じく毛の逆立ったかつらをつけ、小さな黒いドレスを着た女の子がいる。ふたりは手をつないで、静まりかえった通りのまんなかを歩いてくる。袋をキャンディでいっぱいにし、これからまたどれだけのキャンディがもらえるのかと期待に心を燃えたたせながら。
「アンディとイーディだよ」僕は囁く。天国へ行き、ようやく幸せそうにしているアンディ・ウォーホルとイーディ・セジウッィクを見て、うれしくなる。
子供たちは、まるで夢のなかに生きている。

p.193

解説にもあるように、クープランドの「小説」って、ささやかでさりげないことが語られている「四コマ漫画」が積み重なって出来ている感じ。ちょっとしたエピソードがさりげなく心に留まる。

だからってわけじゃないけど、BGMはドビュッシーの『前奏曲集』。ピアノはミケランジェリ。<沈める寺>はノスタルジックで美しい。


月曜日, 4月 14, 2003

昨日、掲示板に書いたジュディス・バトラー『ジェンダー・トラブル』を適当にパラパラとめくってみたが、開いたページ、目に付いた場所、どれを取っても含蓄のある言葉で埋め尽されている。示唆に富んでいる。勇気付けられる。さすがだ。

ゾルターン・コダーイの『ブダバリ・テ・デウム(ブダ城のテ・デウム)/ミサ・ブレヴィス』(HUNGAROTON)を聴く。カッコイイ宗教曲だ。高らかなファンファーレから始まる荘厳な「テ・デウム」、神秘的な「ミサ・ブレヴィス」。変化に富んでいて退屈しない。





土曜日, 4月 12, 2003

マーガレット・アトウッドの『昏き目の暗殺者』(早川書房)をちょっと読んだのだが、やめた。無論、つまらないわけではない。まったく逆だ。ミステリーであり、SFであり、純文学でもある。そして仕掛けられたメタ構造。これは傑作に違いない。あまりに凄すぎて、現在の時間の取れない状況で、ポツリポツリと読みたくないからだ。連休にガーと読むつもりだ。

代わりに短編を(再)読みたい思う。『positive 01』(書肆風の薔薇)。この短編集はピンチョン以後のポストモダン小説のアンソロジーで、最初にこの本の存在を知ったときは狂喜したものだ。惹句の「小説は斬新だ」に偽りはない。既成の「小説」の概念を解体しつつ、新たな「小説観」を創造する「小説」たち。ピーター・ケアリーからウィリアム・ヴォルマン、デイヴィッド・フォスター・ウォーレス、ハロルド・ジェフィなんかはこのアンソロジーで知った。訳者も柴田元幸、越川芳明、佐藤良明らの信頼のおけるメンツであるし、何より風間賢二が加わっているのが心強い。
それにしても予告にあった02以下は出ていないのだろうか。




チェンバロって、ピアノと比べると、音的にかなり「喧しい」と思う。だから愉しく、そしてときに激しく響く。曽根麻矢子の弾くJ.S.バッハ「イギリス組曲第2、3、6」(ERATO)はそんなチェンバロ独特の響き──愉悦と迫力に満ちている。2番のブーレやジーグはちょっとおどけた感じが実に面白く愉しい。打って変わって、6番のプレリュードは素晴らしく劇的だ。技巧的に冴えも効いている。そして最後のジーグ。これは壮絶と言ってもよいだろう。実はこれを聴いて、僕はチェンバロの表現力の凄さを実感したのだった。改めて聴いて、やっぱり凄い。


アンサンブル・モデルンによるジェルジュ・クルターグ曲集(György Kurtág "Song Cycles", SONY CLASSICAL)。ツィンバロンがじゃらじゃらと掻き鳴らされる「Message of the Late Miss R.V.Troussava, Op.17」が強烈だ。色彩的でエキゾチックな伴奏を背景に、ソプラノがエネルギッシュにギャーギャーと叫びまくる。ちょっとシェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』みたいな感じ。

とくに第二集「A Little Erotic」の第一曲「Heat」。刺激的な題名そのままで、まさにエロティックにヒートする。かなりの高音で、微妙な音程を変化させること自体が最高に超絶技巧なのであるが──しかもかなり息が長い──高音から一挙に下がってくるとき、まるで悪意めいた「哄笑」になっているのがとても印象的で、一度聴いたら忘れられない。クルタークの「音響」は面白すぎる。





木曜日, 4月 10, 2003

デュラン・デュラン『ニュームーン・オン・マンデイ』のPVの冒頭のセリフ。あれがクルト・ワイルの『三文オペラ』から取られているのを知ったのはずっと後のこと。マウチェリー指揮RISAシンフォニアのCD(DECCA)を聴いたときだ。あー、あれがそうだったのか、と思ったのも束の間、次の「マック・ザ・ナイフ」(メッキース)のメロディーを聴いて、これも聴いたことがあるぞ!そして「大砲ソング」も、と狂喜した次第。

『三文オペラ』ってほんとうにいろいろなところで耳にしていた。ワイルの音楽だというのを知らなくても『三文オペラ』の「ナンバー」はいろいろな歌手が歌っている。マウチェリー盤は由緒正しきワーグナー歌手ルネ・コロに、ポップス界の女王的存在のミルバ、それにマレーネ・デードリッヒの再来のようなウテ・レンパーという異色のメンバーの共演が興味深かった。

しかしそれにも増して僕が気に入っているのが、アンサンブル・モデルン盤(BMG)。なんといっても現代音楽の精鋭集団のアンサンブルモデルンが「わざと下手に聞えるように」(なんといっても「三文オペラ」なのだし)最強のテクニックを披露しているのが、ニクイ。そこにロック歌手のニナ・ハーゲン(ピーチャム夫人役)の毒々しいシャウトが絡み、異様だけととても面白い演奏になっている。また、マウチェリー盤ルネ・コロの堂々としたメッキースと違って、モデルン盤ではMax Raabeがいかにも優男的だし、同じく、ミルバのようなドスの効いた低音ではなくて、可憐でちょっと甘えた感じのTimna Brauserのジェニーがいかにも「らしく」て愉しい。二人のデュエット「Pimps' Ballad」なんかは本当に安っぽくて、まさに「三文オペラ」的、戸梶圭太的「激安」な世界が繰り広げられる。


水曜日, 4月 09, 2003

今日も帰宅が11時過ぎてしまったが、ムソルグスキー『展覧会の絵』の中の「キエフの大門」を弾く。やっぱりオクターブ/和音をガンガン鳴らすのはストレス解消になる。ラフマニノフのプレリュード1番しかり、ブラームスのラプソディ2番しかり。
ちょっとセンチメンタルなメンデルスゾーンの「アルバムの一葉」はちょっと指がもつれて思うように弾けないな。週末にでもきちんとさらおう。

今聴いているのは、リリヤ・ジルベルシュタインのリスト曲集。「バッハのテーマによる幻想曲とフーガ」がすごくかっこいい。バッハの綴り”BACH”はそのまま「音名」になるので、これをテーマにしたもの。シューマンの「アベッグ変奏曲」も同じ発想だが、リストは厳格な、何重にも仕組まれたフーガとピアノのヴィルトゥオジティで勝負する。ジルベルシュタインもスケールの大きい演奏を聴かせる。彼女の確かなテクニックはバラード2番でも同様、素晴らしいプレゼンを披露し、なんといっても低音のスケールが荒々しく情熱的に響き渡る。やはりかっこいいの一言。
一時DGから集中的にリリースされていたジルベルシュタインのCDだが、最近はぜんぜん見かけない。どうしたんだろう。



火曜日, 4月 08, 2003

今、モニク・アースのラヴェルを聴いている。決してヴィルトゥオーゾではないし、とりたてて個性的な演奏ではないのだが、モニク・アースというピアニストの弾くラヴェルはとても気に入っている。もちろん『夜のガスパール』には情熱的なアルゲリッチやまさに個性的なポゴレリッチ、『クープランの墓』の「トッカータ」なんかはディボーデのキレやパスカル・ロジェのスピード感をウリにしたもの、『高雅で感傷的なワルツ』は強烈な打鍵のアルゲリッチなど多士多彩なCDがある。

でも、モニク・アースのラヴェルは、味があるというか「雰囲気」があるというか、つまり「印象批判」でしか語ることのできない魅力がある。技術的な洗練を競い合うのではなく、しかも洗練された言葉で批評される「対象」でもなく、言わずがもなな「雰囲気」、音楽。
『ハイドンの名によるメヌエット』なんかとてもいい雰囲気を醸し出している。



月曜日, 4月 07, 2003

今さらであるが、渋谷の古書センターの2階がリニューアルしてとても洒落た感じになった。品揃えも妙に気になるものばかり。で、現代思想1973/8号「特集=ケレーニイ/新しいギリシア像の発見」とエピステーメー11「仮面・ペルソナ」を手に入れた。どちらもプラトン関係の記事がめあて。
カール・ケレーニイ「饗宴の大いなるダイモン」(現代思想)には”不屈のプラトン学者ディオニュス・ケヴェンディに捧ぐ”というケレーニイの献呈がなにより心強い。また、エピステーメーの方にはジル・ドゥルーズの「模像 プラトニスムを逆転させる」が載っている。ちょっとだけ読み始めたドゥルーズの方は、たしかに難しいのだが、すごく気になることが書いてあって、まさに目からウロコ状態。すなわち「プラトニスムを逆転する、とはこれとは逆にこの動機を白日の下に晒し、プラトンがソフィストを駆逐するようにこの動機を《駆逐する》意味でなければならない」(杉本紀子訳)。これは「差別作家」を臆面もなく「宣伝」している人たちに抗するための一つの戦略になるかもしれない。精読しよう。

昨日のNHK教育芸術劇場に平野啓一郎が出演。「27歳の芥川賞作家・平野啓一郎」がショパンについて語るというもの。まあ番組の内容はともかく、平野啓一郎ってもっと「いかにも作家」というか、暗い感じというか、神経質そうなイメージを勝手に抱いていたのだが、昨日のTVの平野啓一郎は、しゃべりも闊達とまではいかないが別に普通で、なんだか街中でADSLの機器を配っている兄ちゃん風で、それがとても驚いた。別にいいんだけどね。


日曜日, 4月 06, 2003

B・A・ツィンマーマン Bernd Alois Zimmermann "Antiphene / Ommia tenpus habent / Presence" (BMG)を聴く。演奏はアンサンブル・モデルン。これはまさしくアヴァンギャルドな響き。プレザンスでプロコフィエフが引用されているのはいつ聴いても驚く。まあこれはツィンマーマン特有の引用やパロディで、音楽的には「時間構造の多層性」を狙ったものだという。『作曲の20世紀』(音楽之友社)によると、ツィンマーマンはベルクソン哲学やフッサールの現象学に深く影響を受け、未来、過去、現在の「時間把握」に取り組んだということだ。ひさしぶりにツィンマーマンを聴きたくなったのは、今読んでいるハイデガー関係の繋がりだ(ハイデガーも、あんなわけわからん言葉を使って、またそんなに言葉に拘泥しなくても、素直に時間を操作する芸術=音楽/作曲すれば良かったんじゃないかと思う。ツィンマーマンの「プレザンス( Presence)」みたいなことをやりたかったんじゃないのか、ハイデガーって?)

それとツィンマーマンはメシアンと同じ熱烈なカトリック信者なのだが、メシアンと同様、その作品はかなりいかがわしい「響き」を獲得している。前述の『作曲の20世紀』ではツィンマーマンの作品を「宗教的敬虔さと卑俗でカーニバル的な破天荒が同居していた」と指摘している。これもメシアンと近い。しかもツィンマーマンはカトリックでは罪である「自殺」をしている。不思議な作曲家だ。


土曜日, 4月 05, 2003

「積読」という言葉があるのなら、「積聴」というのもあってもいいだろう。というわけで、少し前に買ったローレムの室内楽曲集(NAXOS)をやっとまともに聴いた。やっぱりローレムはいいなあ。弦楽四重奏曲のレビューでも書いたけど、ローレムの音楽って聴きやすくて、適度にエキサイトさせてくれるし、何より爽快だ。

ローレムとは全然傾向が違うが、やはり「積聴」だったパスカル・デュサパンもまあまあ良かった。Pascal Dusapin "Extenso / Apex / La melancholia"(MONTAIGNE)。デュサパンに興味を持ったのは、以前音楽雑誌の記事(多分レコ芸かな)で、シャルル・デュトワがフランスで現代もののコンサートを行ったときに、そのコンサートに行ったリスナーの評価として「デュサパンは誰でもできる、誰でもやる」ようなことが書かれてあったからだ。多分その通ぶったリスナーは、デュサパンはデュトワのようなポピュラーな指揮者が取り入れるのに相応しい現代音楽作曲家だと言いたかったのだろう。そして何よりデュトワがその程度の指揮者だとも。まあ、これもKill Joy な言いかたの一つに違いない。




昨日夜、ウイスキーを飲んで寝たためか朝勃ちなしの起床。しかし疲労やストレスが溜まると酒を飲んだりピアノを弾きたくなったりセックスをしたくなったり泳ぎたくなったりと肉体を酷使したくなるのが不思議だ。

景気付けにキーシンのピアノを聴く。バッハ=ブゾーニの『シャコンヌ』。『シャコンヌ』はファジル・サイの方が情感があって、さすがにカッコよく盛り上げてくれるのだけれでも、ついでにシューマン『クライスレリアーナ』も聴きたかったので。それにしてもここのところのキーシンは凄い。以前、カラヤンやアバド、小澤なんかとコンチェルトをやっていたころは、上手いけど、アクがなさすぎて強い印象がなかった。しかし、BMGから出たブラームスのパガニーニ変奏曲を聴いてからダントツに好きなピアニストになった。これを聴いたときは本当に腰を抜かした。だってあんなに三度や六度をスピーディーに攻撃的挑発的に弾けるなんて他にいない。衝撃的事件だった、と多少大袈裟に言いたい。

去年出たシューマンの1番ソナタと謝肉祭もこの曲のデファクトスタンダードと言っても良いだろう。1番ソナタは大好きな作品で、シューマン特有のこんがらがった曲想がたまらなく、遊びで弾いたりするが、弾きばえはするものの(自己満足)、聴きばえがさほどない感じが難点かな。しかしキーシンが弾くとリストの作品に匹敵するくらいカッコよくドラマティックに響く。さすがだ。それとどうでも良いことだが、僕は倉橋由美子の『交歓』にも出てきた、「中抜き」、つまりロマン派抜きで、古典、バロックと近代を聴く、と「喧伝」しているリスナーは基本的に嫌いだ。それとピリオド楽器やスタイルがどうのこうのと言う連中も。というのも思い出したのだが、たしかレコ芸で、キーシンのパガニーニ変奏曲を評した人物が、ベートーヴェンとフランクとそのブラームスを「カップリングしたそのこと」によって評価を下げていたからだ。どうでも良いことだが、そのことを思い出すと今でもアタマにくる。
[四月は一番残酷な月だ]

と始まるT・S・エリオットの詩が身にしみる。だって今日も出勤で、この雨の中、移動しまくって、ついさっき帰宅。土曜日だってのに遊びに(Hしに)も行けやしない。だから更新……と言ってもろくに本も読めてないので、これまであんまし書こうと思わなかった日記/雑記のたぐい。まあ、一種のBlogだと思えばいいか。

忙しいとなぜかピアノをガンガン弾きたくなる。幸い電子ピアノなので夜でも弾ける。でもガンガンと弾くのは、実はハノンがメインであって、最近はショパンのノクターンでしんみりと遊んでいる。『戦場のピアニスト』のCMで流れていた19番あたり。でもこれって、ショパンのノクターンの中で多分一番弾きやすいんじゃないかと思う。左手の伴奏は規則的なリズムだし、三度や六度もないし、最初が面倒なポリリズムもないし。15番も易しいけど、ひさしぶりに試してみたら、最後の三連符のところがギコちなかった。15番は地味だけど、なかなかいいね。僕は好きだ。もちろん一番好きなのは13番だけど、ぜんぜん弾けやしない。難しすぎ。
それでもやっぱりガンガン「曲」も弾いてみたいので、明日はヴィラ・ロボスの『苦悩のワルツ』を練習しよう。この曲には最低音のAが出てくるので、このAの音をガツンと鳴らすのがなかなか快感なんだ。

いちおう通勤では木田元『ハイデガー「存在と時間」の構築』(岩波現代文庫)を読んでいる。が、やっぱり難しいな。だいたいハイデガーはプラトンよりアリストテレスに重きを置いているようなので、それだけで心証が悪いのだが。ただし『存在と時間』にはプラトンの『ソフィスト』が引用されているようなので、気にはなっている(が、多分僕は『存在と時間』自体は読まないだろう)。そしてまだ読みはじめたばかりであるが、こちらは古東哲明『ハイデガー=存在神秘の哲学』(講談社現代新書)は筆者の語り口が愉しい。

それで最初に書いたT・S・エリオットと言えば、清水書院から出ている徳永暢三『T・S・エリオット』がなかなか良かった。このシリーズはホントに初歩の初歩って感じがあってそれほど気に掛けていなかったのだが、コンパクトなわりには、良く纏まっていたし読み応えもあった。『荒地』の解読もパズルを解くような面白さがある。

よし、これで今日は更新できた。ピアノと同じで、毎日少しでもヤラないと、勘が鈍るので。



火曜日, 4月 01, 2003

[差別の発信地]

あるWebサイトで知ったのだが、中上健次が自分が被差別部落出身者であり、そのため有形無形の差別を受け、またその差別を「目撃」した、と書いているらしい(中上健次全集・第十五巻「日本の二つの外部」)。その中で中上が使用している言葉「差別の発信地」にえらく共感した。それは舞城王太郎がその小説の中で、同性愛者に「ペドフィル」の罪を擦りつけ、ヘイトクライムを「正当化」する言説を平然と行っているからだ(宮崎勤の幼女連続殺人が「異性愛」に帰したか)。そしてそんな差別作家を書評家らが称揚する──それこそが「差別の発信地」なのではないか、それこそ「戦うべき」有形無形の差別事象ではないか。

これまで、個人的にある適度知識のあるユダヤ人問題を絡ませながら舞城の差別を説いてきたが、もっと身近な「差別」と一緒に扱ったほうが、わかりやすく効果的なのではないかと思うようになった。今でもハンナ・アーレントやベンヤミンにあたって、舞城の醜悪な差別を考えているが、中上健次のことや同和問題にも焦点を当てて考えてみたい。舞城王太郎の「ヘイトクライム」を正当化するような言説は絶対に看過できないからだ。
とりあえず中上健次の「日本の二つの外部」を読むつもりだ。

月曜日, 3月 31, 2003

タワーレコードのミュゼvol.42(内藤忠行のカヴァー写真が最高に綺麗だ)にデイヴィッド・クローネンバーグのインタビューが載っている。話題の中心はパトリック・マグラア原作の映画『スパイダー』について。

また先日亡くなったアメリカの作曲家ルー・ハリソンの追悼記事もある。ここで知ったのだが、ルー・ハリソンの本が翻訳されているようだ。メモしておこう。『ルー・ハリソンのワールド・ミュージック入門』(柿沼敏江/藤枝守訳、財団法人ジェンスク音楽文化振興会)。





日曜日, 3月 30, 2003

[更新状況]

Iron Gate に倉橋由美子『交歓』を追加しました。


土曜日, 3月 29, 2003

[更新状況]

Iron Gate に中沢新一 『知天使ケルビムのぶどう酒』を追加しました。


金曜日, 3月 28, 2003

[スティーブ・ベルの諷刺マンガ]

Guardian で連載しているスティーブ・ベル(Steve Bell )のカトゥーンが面白い。なにしろ画がルシアン・フロイドのように不気味、というか歪んでいて愉しい。

時期がらイラク攻撃特集で、毒を吐いており、イギリス伝統の「おちょくり」は健在だ。もちろんブッシュのデフォルメもそうであるが、特に笑ったのがフランス、ドイツ、ロシアの反対に見猿言猿聞猿のブッシュ、だって、フランスがカエルになっているし、ドイツをsquareheadにしているし。




木曜日, 3月 27, 2003

[フォルトゥイン党首殺害犯の裁判始まる]

オランダの政治家で、オープンリー・ゲイのピン・フォルトゥイン党首を殺害した Volkert Van der Graaf 容疑者の裁判が始まった。

Fortuyn murder suspect on trial [BBC NEWS]

Van der Graaf は33歳の動物愛護団体の活動家。彼は昨年5月、ラジオ局から出てきたフォルトゥインを銃で撃ち殺した。政治家の殺害はオランダ史上例のないことであり、そしてまたちょうど総選挙の一週間前であった。
今のところ検察は、Van der Graaf の動機は、フォルトゥインがこの「弱き」社会にとって脅威であると感じていたため──という抽象的なものあるいはエゴイズムと言ってもよいだろう──と見ている。
この後、被告の精神鑑定の結果拝聴、そして弁護側の抗弁がある。有罪となれば、終身刑が言い渡される。





火曜日, 3月 25, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に[詩集]ALLEN GINSBERG Collected Poems を追加しました。


月曜日, 3月 24, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に[雑誌]GQ Japan No.86 特集 アンディ・ウォーホルを追加しました。


日曜日, 3月 23, 2003

[アルゼンチンのゲイ・ライツ、正式に施行]

以前も書いたアルゼンチンの新法──同性カップルを正式に認知し、異性カップルと同等の権利を与える──が4月より正式に施行される。

Gay rights landmark [LATIN AMERICA PRESS ]
(一緒に掲載されている画像がキュート)

オランダやベルギーのように結婚、養子縁組は認められていないが、この法律が画期的なのは、南アメリカというカトリックの影響の強い地域で同性愛が「法的に」認知されたこと、さらにこの法律によって、結婚していない「異性愛者」、つまり「シングル・マザー」(「未婚の母」)等の言葉でラベリングされ、社会的な差別を受けていた人たちへの偏見も解消されることにある(実際に、就職等の差別があったらしい)。

国会議員でゲイ・ライツ推進派のRegina Kluz さんは、「これは(法律の施行)はとても重要なことです。なぜなら同性愛について偏見や先入観なしに話し合え、オープンな議論ができるからです」と語っている。



土曜日, 3月 22, 2003

[更新状況]

Iron Gate に三島由紀夫『獣の戯れ』を追加しました。


[更新状況]

LINK 2 LINK に、こうじさんの”International GAY community”を追加しました。



金曜日, 3月 21, 2003

[イギリス、ゲイ兵士のパートナーへ遺族年金支給]

昨日、アメリカにおけるゲイの兵士への差別待遇について書いたが、今回のイラク攻撃にアメリカとともに参加しているイギリスは、180度違う。

Same-sex partners of UK servicepeople will qualify for war pensions [Gay.com UK]

記事によると、イギリス国防省は、今回のイラク攻撃に参加しているゲイ&レズビアンの兵士が戦死した場合、(同性の)パートナーに対し、戦時年金を支給することを発表した。イギリスでは同性結婚は認められていないが、それに順ずる制度が施行されており、「実質的関係(a substantial relationship)」を重視した結果だ。

このイギリスの決定は、もちろん喜ばしいことであるが、しかし本当に喜ばしいことは、早く戦争が終結し、無事パートナーと再会することに決まっている。

木曜日, 3月 20, 2003

[ゲイ兵士の秘められた(秘めさせられた)送別]

クリントン政権の「妥協策」("don't ask, don't tell" policy)により、兵士のリクルートの際、面接官はセクシュアリティを質問しないこと、そして本人も自分が同性愛であることをカミング・アウトしない限り、ゲイ&レズビアンはアメリカの軍隊に所属できる(「とりあえず」職業選択の自由は守られる)。

しかし戦争が始まり、多くの「異性愛」の兵士が家族や恋人、パートナーに見守られながら前線に向かっていくのに対し、「同性愛」の兵士は、その「送別」を隠さざるを得ない。

Partners of Gay Soldiers Bid Farewell in Secret [gfn.com]

この記事では、J.Rという匿名のゲイの兵士が、"don't ask, don't tell" policyにおける問題点を指摘する。ここでは些細なこと、例えばストレートの兵士のようにガールフレンドからの手紙がこないことが、同性愛を怪しまれる原因となり、昇級にも影響するどころか、軍から放逐されてしまう。

だからJ.Rはパートナーから手紙を受け取ることもできないし、異性愛の兵士がするようにパートナーの写真を携帯することもできない。かわりに友人の女性に手紙を書いてもらい「カモフラージュ」する。

J.Rは言う。わたしたちは閉まったドアの内側で、(前線に旅立つのに際し)、密かに、パートナーに別れの言葉を言う、と。





[南アフリカ、ゲイ・カップルの権利を認める]

かつてアパルトヘイト政策を行い、人権抑圧の非難を受けていた南アフリカは、今では日本よりも遥かに人権尊重の国になった。

Equal benefits for SA gays [BBC NEWS]

記事によると、アフリカの高等裁判所は、ゲイ・カップルに対し、異性カップルと同等の経済的支援(例えば年金等)を制定した。
もともと南アフリカでは憲法により、性的指向による差別は禁じられており、また昨年には「恒久同性パートナー」(permanent same-sex relationships)に対し、養子縁組も認められていた。そして今度の裁判所の決定により、ほぼ異性カップルと同じ権利が同性愛者にも与えられたことになった(ただし「結婚」はまだ認められていない)。






水曜日, 3月 19, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に『夜想18 フィルム=オブセッション』を追加しました。


火曜日, 3月 18, 2003

Iron Gate に生垣真太郎 『フレームアウト』を追加しました。


日曜日, 3月 16, 2003

[更新状況]

Iron Gate に林好雄・廣瀬浩司 『デリダ』を追加しました。



金曜日, 3月 14, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に instinct FEBRUARY 2002 を追加しました。


水曜日, 3月 12, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に[雑誌] WAVE 5 を追加しました。


火曜日, 3月 11, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に[映画パンフレット] 『ヨーロッパ ヨーロッパ──僕を愛したふたつの国』 を追加しました。


日曜日, 3月 09, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に「鳩よ!No.81 特集 ランボー」 を追加しました。




土曜日, 3月 08, 2003

[更新状況]

Iron Gate に池田晶子『さよならソクラテス』を追加しました。


金曜日, 3月 07, 2003

[セバスチアン・ジャプリゾ死去]

THE GUMSHOE SITE によると、『シンデレラの罠』の作者セバスチアン・ジャプリゾが、3月4日、亡くなりました。71歳でした。
『シンデレラの罠』を最初読んだときの興奮は今でも忘れられません。
ご冥福をお祈りいたします。


火曜日, 3月 04, 2003

[正常と相貌盲について]

OKさん「だれもかれもがとち狂っている」?を読んで、どーしてもひとこと言いたくなったので書きます。

OKさんが書いている(笠井潔の意見を敷衍しての)

”馳星周の世界観は彼らに較べると古臭いのではないかと結論していたように記憶している。これは馳星周の煽り調子の「断言」におぼえる居心地の悪さを説明していて(……)”

というのは、要するに「精神分析医」のやり方と同じで、「とち狂った患者」に対して、「正常を自認する視点」で持って絶対的な「権力」を行使していることへの疑問と通じるように思える。だからこそ、馳星周の作品はある意味「エンターテイメントとして」成功しているのであるが、『オイディプス症候群』でフーコーを登場させ、「権力論」を提示した笠井氏はそこが引っ掛かっているのではないか、ということが一つ。

そこで吉野氏のゲシュタルト心理学の図版(ルビンの壷)の見え方の問題だけど、あれはある意味「恐ろしくはないはず」だと思うけど。というのは、同じような反転図形「ウサギ-アヒル」を使ってウィトゲンシュタインが「相貌盲(人)」──ウサギに見えたりアヒルに見えたりという反転体験が起こらない人─の考察で、彼は”実は「正常な人」はみんな相貌盲だ”と言っているからだ。要するに図形を見て(図形の上での)「ウサギ-アヒル」を反転することは、まあみんなある程度できるけれど、これが実生活での「ウサギ-アヒル」問題は、なかなかその反転を「知覚」し「理解」することが困難であるからだ。

これはさすが「同性愛者」であるウィトゲンシュタインならではだと思う。
例えばこの反転図形を、日常生活上で、「異性愛者」(ウサギ側)と「同性愛者」(アヒル側)として見た場合、どれだけ「反転」できるか、ということを考えればわかりやすいのではないか。つまり「異常とされる側=同性愛者=アヒル」は「相貌」を「意識」するが(相貌知覚)、「正常とされる側=異性愛者」はほとんど「相貌盲」ではないか、ということだ。つまり実際の「現実の」社会(異性愛至上社会)では、「相貌盲」は「恐ろしくない」はずだ。

ついでながら、このウィトゲンシュタインの「相貌盲」に関して永井均は面白いことを言っている。

”意味体験や相貌知覚を通してウィトゲンシュタインが考察した問題は、いわば「本質直感」の問題であった。彼は対象の新たな相貌が現われてくる体験を「相貌の閃き」と呼んで、「なかば視覚体験なかば思考」と評した。つまり、そこには何であるか(本質)が閃く(体験される)、というニ側面が含まれており、したがって、本質を理解できても知覚することができない表情盲性の相貌盲と、対象の諸属性は知覚できても内的関係(本質)を把握することができない解釈盲性の相貌盲が考えられるわけである”(『ウィトゲンシュタイン入門』、ちくま新書)

日曜日, 3月 02, 2003

[更新状況]

Iron Gate に大江健三郎 『性的人間/セヴンティーン』を追加しました。



金曜日, 2月 28, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に「インターネットマガジン2003年2月号」を追加しました。


木曜日, 2月 27, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に「グルーヴィー・ブック・リヴュー2001」を追加しました。

日曜日, 2月 23, 2003

[更新状況]

Iron Gate にプラトン 『クリトン』を追加しました。



金曜日, 2月 21, 2003

[更新状況]

drwxr-xr-x に展覧会「ドイツ表現主義の芸術」を追加しました。


火曜日, 2月 18, 2003

[更新状況]

Iron Gate にプラトン 『ピレボス』を追加しました。



土曜日, 2月 15, 2003

[更新状況]

Iron Gate にプラトン 『パルメニデス』を追加しました。


金曜日, 2月 14, 2003

[欧州最大のゲイ・フェスティバル、マンチェスターで開催へ]

今年の夏、イギリスのマンチェスターで10日にわたって「ユーロプライド」が開催される。そしてそのハイライトが水泳競技になるようだ。

Europe's biggest gay festival to be held in UK [The Gurdian]

世界で最初に産業革命が起こったマンチェスターは、現在では、ヨーロッパ最大のゲイの街に変貌した──そんな書き方がガーディアン紙らしい。ソツなく、マンチェスターに関して、ユーロプライドに関して、纏めてある。記事によるとこのゲイ・フェスティバルは、エキゾティックなパレードに始まり、映画祭、各種問題(政治や健康)についての討論会、スポーツ競技など様々な催しが開かれる。しかも10日間というのが凄い。


木曜日, 2月 13, 2003

[EU、同性結婚後押しへ]

ストラスブールで開かれている欧州議会で、同性結婚を各国に促す議案が認められた。

Euro Parliament Backs Gay Marriage [The Data Lounge]

現在EUの中で、完全に同性結婚が認められているのが、オランダとベルギー。フランスやドイツ、北欧では結婚に準じた同性パートナー制度がある。逆に何もない国がイタリア、オーストリア、ギリシア、アイルランド、ルクセンブルク、スペインで、これらの国には(パートナーに対する)病院の面会の権利すらないという(無論、日本もそうだ)。

こういった国によるバラつきを是正しようというのが、今回の提案となっており(例としてオランダ人とイタリア人が現在「結婚」した場合の「不都合」が書かれている)、欧州全体としてゲイのリレーションシップを法的に保護する方向に動き出した、ということだ。


水曜日, 2月 12, 2003

[Dell Dude、逮捕される]

日本でもつい最近、作家の中島らもが捕まったけど(といってもらも氏については別に何の関心もないけど)、アメリカでは、ゲイにも人気のデル・デュード( Dell Dude、デルPCの宣伝ボーイ)ことベン・カーティス君がマリファナで逮捕されちゃった!

それで2CHほどでもないけど、アメリカの掲示板でも槍玉にあがっているよう。
http://www.tubescanboard.com/showthread.php?postid=132479#post132479








火曜日, 2月 11, 2003

[英国初、ゲイの裁判官誕生へ]

ゲイを公言しているエイドリアン・フルフォード氏(Adrian Fulford、49歳)が、国際犯罪裁判の英国代表に指名された。英国史上初のオープンリー・ゲイの裁判官就任となる。

Britain Gets First Openly Gay Judge [Gay.com UK]

記事によると、フルフォード氏は10年前、雑誌 Gay Times のインタビューで自分のセクシュアリティについて語り、(どうでもいいと思うけど、笑)現在、スペイン人の学生と同棲しているという。写真を見ると、ルックスはフーコー似のスキンヘッドでずいぶんと貫禄があるようだ。



月曜日, 2月 10, 2003

[更新状況]

Iron Gate に三島由紀夫 『サド侯爵夫人』『わが友ヒットラー』を追加しました。


土曜日, 2月 08, 2003

[更新状況]

Iron Gate に谷川渥『だまし絵』 を追加しました。


金曜日, 2月 07, 2003

[ゲイ男性を殺害した犯人、死刑執行される]

1993年、テキサスで23歳のゲイ男性を誘拐、殺害したヘンリー・ダン被告の死刑が、火曜日執行された。

Convicted murderer set to die in Texas

裁判で検察はダン被告が、仲間二人とともにゲイの集まる公園で、被害者を誘き出し、暴行を加えた上、銃で殺害したと主張。被告は被害者のトラックに乗っていたところを逮捕された。被害者を撃った銃はダンのものであると認められた。殺害に加わった仲間のドナルド・アルドリッチも同様に死刑判決。当時17歳だったデヴィッド・レイ・マクミランは終身刑が言い渡された。

一方ダンは処刑前、AP通信に対し、「自分は同性愛者を憎んでいない」と語り、さらに別のインタビューでは、「自分が撃ったのではない。私たちが立ち去ったとき、被害者は生きていた」と述べた。

しかし地方検事局のジャック・スキーン氏はダンの主張を強く否定し、「この事件で最も忌むべきことは、憎悪(ヘイト)だ」と語った。





木曜日, 2月 06, 2003

[更新状況]

Iron Gate に塩野七生 『ルネサンスとは何であったのか』を追加しました。


水曜日, 2月 05, 2003

[ルー・ハリソン、死去]

アメリカを代表する作曲家ルー・ハリソン(Lou Harrison、1917生まれ)が亡くなりました。85歳、死因は心臓発作でした。

Composer Lou Harrison dies at 85 [Gay.com]

ハリソンはシェーンベルクに学び、ジョン・ケージやヴァージル・トムソンらと一緒に音楽活動を行った。その後ガムランなどのアジア音楽を取り入れた折衷的なスタイル──つまり「ハイブリッド」な作品を書いている。

……無論、 Gay.com のニュースになるのに相応しい音楽家であって、記事によると、サンフランシスコのゲイ・パレードに頻繁に参加し、彼のパペット・オペラ「若きシーザー」(Young Caeser)は明快なゲイテーマの作品であるという。また指揮者マイケル・ティルソン・トーマスのために「Parade for MTT」という曲も書いている。

ご冥福をお祈りいたします。

[ゲイを理由に解雇した経営者に対し、千百万ドルの支払い]

ニューヨークの裁判所は、不動産経営者リオーナ・ヘルムズレイに対し、元従業員への約千百万ドル($11.175 Million)の支払いを命じた。理由は、ヘルムズレイがゲイを理由にホテル・マネージャーを解雇したからだ。

Helmsley Owes Ex-Hotel Manager $11.175 Million [Yahoo! News]

Queen Of Mean Must Pay $11M To Gay Worker [365Gay.com]

まあ、何というか、金額の高さにまず驚いた。11Mドルというと、100円換算でも11億円以上。しかし彼女の資産状況、および元従業員へのゲイ差別的な発言、さらには偽証(元従業員がホテルの部屋でセックスパーティを開いていたとか、コンドームが落ちていたとか、ディルドがベッドにあったとか……)が明らかになったことで、この金額になったようだ。プラス、彼女は脱税で収監されていたこともあったという陪審員制では「致命的な前科」も一つの原因かもしれない。






火曜日, 2月 04, 2003

[サラ・ペティットを称えて]

先月亡くなった Out magazine の共同設立者であり、ニューズウィーク誌の編集者でもあったサラ・ペティット(Sarah Pettit)さんを称えて、母校のイェール大学に彼女の名を取った特別奨学基金(fellowship)設立の計画が進んでいる。

Honoring Sarah Pettit

記事によると、ペティットさんの友人であるラリー・クライマー氏が基金設立に奔走しており、すでに大学の許可は得ているという。内容はもちろんレズビアン&ゲイ・スタティーズ関係だ。

Out magazine はファッショナブルなゲイ&レズビアンのライフスタイル雑誌。1992年に創刊され、このときペティットさんは25歳だった。

月曜日, 2月 03, 2003

[ヘイトクライムで死刑適用へ]

これまでアシュクロフト司法長官の名前は、同性愛に冷淡でアタマの堅い超保守派の代表であった。当然ゲイ・メディアも彼のことを批判的に書いてきた。しかし今回は物分りの良い「いい人」っぽい(掲載されている写真も穏やかな感じだ)。
それは二人のレズビアンを殺害した犯人に対し、ヘイトクライムとして死刑が検討されているからだ。

Hikers' Slayings Seen As Anti-Gay Crime [Washington Post ]

Death Penalty Sought In Lesbian Slayings [365Gay.com]

このニュースの意義は、多分、「連邦」検事局が犯人に対して、ヘイトクライムを適用した最初のケースだからということだろう。つまりこのことは性的指向を動機とした犯罪を、アメリカのどこにでも適用できるからだ。記事によると、この法律「Virginia's 1994 law 」は、ゲイ&レズビアンに対して行われた犯罪において、より厳しい処置が認められる、ということだ。

そしてその最初の適用によって、死刑。このインパクトの大きさは、そのまま、この大物保守派政治家の侮り難いパワーの大きさに繋がっているように思える。




WIRED NEWSの「ルネッサンス時代のハッカー——NYでレオナルド・ダ・ビンチ展」 という記事が面白い。現代のハッカーたちがレオナルドに親近感を抱き、彼を仲間だとみなしている、というものだ。

さらにそこから飛んで、メトロポリタン美術館で開催している特別展のサイトもとても見応えがある。テクストが充実しているのはもちろんだが、何より画像のズームイン、ズームアウトが自在に調性できる。さすがだ。

Leonardo da Vinci, Master Draftsman




日曜日, 2月 02, 2003

[更新状況]

Iron Gate にイリヤ・エレンブルグ『トラストDE』を追加しました。


土曜日, 2月 01, 2003

[ゲイの政治家、党首選へ]

カナダの進歩保守党(Progressive Conservative Party)の党首選に、ゲイを公言しているスコット・ブリソン(Scott Brison )氏が名乗りをあげた。

Out Canadian politician to run for party leadership [Advocate]

このニュースが興味深いのは、欧米にはゲイの政治家が多くいるが、どちらかというとその多くがリベラル政党所属なのに対し、このカナダの進歩保守党は、その名のとおりトーリー(Tory)だ。スコット・ブリソン氏の言も「我が友人であり、パートナーであるアメリカ」に同調するスタンスを見せている。

で、ブリソン氏のキャンペーン・サイト。

http://www.brison.ca/

ちょっとカッコイイかも。


[ゲイの消費動向、フォード、トヨタが人気]

アメリカのGLBTコミュニティの消費動向調査が発表になった。

Largest Gay Consumer Study Reveals Automotive, Food and Beverage Preferences [Gaywire]

これによると、ゲイの自動車の購買意欲は非常に高く、特にフォード車が人気らしい(以下トヨタ、シボレー、ホンダ、ダッジと続く)。
また飲食にも金を使い、レストランも多く利用するということで、例えば38%の人が週に2-4杯のワイン(カリフォルニアまたはフランスワイン)を飲む、なんていう統計まで出ている。
だから……というわけで、この調査を行ったシラキューズ大学の研究者は、これらの業種に対し、この調査結果を生かすようアドバイスしている。



金曜日, 1月 31, 2003

[ブルース・ラ・ブルース、サンフランシスコで個展]

「ゲイ男性(と他の人たち)の鼠蹊部から急所にかけて火をつける」映画監督であり写真家であるブルース・ラ・ブルース(Bruce LaBruce )が、サンフランシスコのギャラリーで個展を開くという。

Randy iconoclast[Salon.com]

まあ、ブルースの作品はアート志向のポルノ、ポルノ志向のアート──つまりヌケるアートであり、美的なポルノなので、ギャラリーで鑑賞するのも、違った興奮を呼び覚ますかもしれない(これで「バックルーム」があれば完璧、シャレたクルージング・スペースになるだろう)。
ただ記事にもあるように、写真の多くは「Honcho magazine」のイメージを踏襲しているという。「Honcho magazine」はハード・ゲイ専門誌だ。
それとブルースの恋人がイスラム教徒というのが凄い。


[ベルギー、同性結婚可決へ]

ベルギー議会は、同性結婚(same-sex marriages)を認める法案を可決させる。

Belgium expected to approve gay marriages [Advocate]

記事によると、法案はすでに上院を通過し、下院でも多数の支持を受けている。この法案成立によりベルギーはオランダに続き、同性結婚が可能になる。同性カップルは異性カップルと同等の権利を有することになるが、ただし養子を取ることは認められていない。

このベルギーの法案の特徴は、最初の段階では、結婚相手がベルギー国民及びこの種の同等の法律を持つ国の国民との間(つまり相対主義か)に限られていたが、最終バージョンでは、誰でもOKになった。要するに国際結婚がOKということだ。
オランダの場合は、オランダ国民ないしオランダ居住者間でしか婚姻が認められていない。



木曜日, 1月 30, 2003

[同性間のDV]

こういうのを「進んでいる」と評するのは不適切かもしれないが、ジョージタウン大学の調査によって、同性パートナー間のドメスティック・ヴァイオレンス(DV)の実体が明らかになった。

Georgetown University releases domestic violence study [Advocate]

この記事によるとDVの犠牲になるのは、HIVポジティブの人たちが多く、年齢的には40代前後。経済的にパートナーに依存していることが多いので、暴力に耐えるかホームレスになるしかない、という選択を迫られるようだ。



火曜日, 1月 28, 2003

[更新状況]

Iron Gate にコンラッド『無政府主義者』他を追加しました。


月曜日, 1月 27, 2003

アイルランドというと、アタマのカタいカトリックの国というイメージがあるが、少しずつ変わってきているようだ。
まずはこの記事。

Ireland: New Code To Protect Gay Students[Gay.Com UK]

これは、ゲイの生徒や学生を虐待や差別から守るための規約が通達されるというもの。つまり学校における性的指向による「いじめ」が問題となっており、その対策としての規約制定だ。重要なのはクラスメートによるハラスメントだけでなく教師によるものも明記されていることだろう。

もう一つの記事は、ダブリンで第2回欧州バイセクシュアル会議(EBC2)が開催される、ということ。

Second European Bisexual Conference In Dublin[Gay.Com UK]

この2003年6月4日から6日まで開かれるEBC2が面白いのは、参加する個々人のセクシュアリティは関係ないということだ。バイセクシュアルやセクシュアリティ一般に関心がある人ならば誰でもOK。ゲイとストレート間の対話やディスカッションも推進されている。





土曜日, 1月 25, 2003

[更新状況]

Iron Gate にナボコフ『青白い炎』を追加しました。


木曜日, 1月 23, 2003

[ゲイ・テーマの絵本]

イギリスの大手出版社マクミランが、ゲイ・テーマの子供向け絵本を発売する。

Picture book for children has a gay theme [The Guardian]

記事によると、その絵本は『Hello, Sailor』という作品で、灯台の管理人マットと彼の友人である船員との「同性愛関係(same-sex relationship)」を描いているという。出版社は、ある程度の論争は予想されるが、この本はあくまでもひとつの友情の形態、つまり「自然な」関係として理解されるものだと述べている。

まあ、こんなことは当たり前のことで、王子様(男)とお姫様(女)の恋愛物語がよくて、灯台監視員(男)と船員(男)の物語が悪いわけはない。
でも、よく考えたら、オスカー・ワイルドの『幸福な王子』なんて、まともにゲイ・テーマなんだけどな。

水曜日, 1月 22, 2003

オランダ左派回帰、首相に初のユダヤ人ジョブ・コーヘン氏就任へ
……なんていう記事だけで(日本では)終わりそうなので書いておく。

Dutch voters set to swing left[BBC]

このBBCの記事にあるように、コーヘン氏の「政治的功績」は、なんといっても市長時代に同性愛結婚を成立させたことにある。日本のメディアはこのことをきちんと伝えるだろうか。昨年のドイツに続き、左派が政権を取ったことに「西欧のバランス感覚」だとか、さらには、アメリカ追随に否、とかいう「もっともらしいストーリー」に沿った記事になるのが関の山ではないのだろうか。

だいたい、ここにも書いたが、暗殺されたピム・フォルトゥイン党首を「極右」と呼び、フランスのルベンあたりと一緒にして「都合の良いストーリー」を書き散らす「クオリティ・ペイパー」なんて全然信用できない。ルペンはアンチ・ゲイの差別主義者であり、フォルトゥインはゲイの大学教授だ。こんなことだと、本気で、どっかの大学のサーバーにあるようなCGIプログラムによって記事を自動作成しているんじゃないかと思ってしまう。



火曜日, 1月 21, 2003

ソンタグの「《キャンプ》についてのノート」を読み返していたところ、思うところがあったので書いておきたい。
それは「やおい」についてだ。無論、僕のスタンスは変わりなく、ゲイを愚弄するような言説をデフォルトとする「やおい論」は問題外であり、絶対に看過できない。

しかしそれ以外で、もし「やおい」が、「ジェンダー論」や「精神分析」の威嚇的なタームで語られることなく、フェミニズムという「政治」とも結びつくことがなかったなら、「やおい」は一種、キャンプ/フラジャイルな芸術になっていたのかもしれない──と思う。
ソンタグの言葉を引用してみたい。


”キャンプ趣味とは一種の愛情──人間性に対する愛情──である。それは、ちょっとした勝利や《性格》の奇妙な強烈さを、判断するというよりも、愛でるのだ。……キャンプ趣味は、それが楽しんでいるものに共感する。この感覚を身につけているひとびとは、《キャンプ》というレッテルを貼ったものを笑っているのではなく、それを楽しんでいるのである。キャンプとはやさしい愛情なのだ。”

スーザン・ソンタグ「《キャンプ》についてのノート」(『反解釈』)より

月曜日, 1月 20, 2003

松岡正剛の千夜千冊で、遂にスーザン・ソンタグの『反解釈』が取り上げられた。
さすがにこの本の「凄さ」を的確かつ説得力のある文章で評しているが、驚いたのは、現在ソンタグと懇意にしている松岡氏が最初にソンタグを知ったのが武満徹を通してだということ。武満もソンタグのファンだったということか。ちょっと意外な感じがした。


日曜日, 1月 19, 2003

[マドンナ、ミニー・ドライヴァー、デミー・ムーアら、ウィル&グレースに出演]

日本での放映はまだ先のことになると思うけど、本家アメリカ『ウィル&グレース』では、近々マドンナ、ミニー・ドライヴァー、デミー・ムーアら最強の女性アーティストたちがゲスト出演するようだ。

Madonna, Minnie Driver, and Demi Moore to make sweeps appearances on Will & Grace [Advocate]

マドンナの役どころはまだ明らかにされてないが、ミニー・ドライヴァーはカレンのライヴァルとして、デミー・ムーアはジャックの以前のベビー・シッターとして登場するみたいだ。





[更新状況]

Iron Gate にプラトン 『クリティアス』を追加しました。



土曜日, 1月 18, 2003

タワーレコードに行ったら、ABQのバルトーク弦楽四重奏曲全集が1090円という超デフレ価格で出ていた。
もちろん即ゲットして、今聴いているけど、バルトークらしからぬビューティな音、バルトークらしからぬエレガントな演奏。心地よく、爽快だ。

それとミュッセにマルグリット・デュラスの映画『アガタ』の記事が出ていた。テクストは中条省平。デュラスそのものの映画のようだ。
2月1日よりユーロスペース、モーニング&レイトショーで。これは見たい。

あともう一つフランス映画で、美貌の殺人犯を主人公にしたノワールな『ロベルト・スッコ』。これも気になる。






水曜日, 1月 15, 2003

[ルパート・エヴェレット、仏教に目覚める?]

おなじみのルパート・エヴェレット。最近、仏教に入れこんでいるという。

Rupert Everett Sees The Buddhist Light (Gay.com UK)

なんでも大学で三日間の仏教セミナーを受けたりして、仏教の教えを賜っているようだ。「この世は狂気だらけ。みんな正気でいるために仏教に帰依してるよ」と、もうすでに悟りを開いたような発言。
まあもともと彼はカトリックで育てられたけど、カトリックはゲイ向けじゃないからね。でも仏教といってもいろいろとあるからな。ヘンなところじゃなければいいけど……。

火曜日, 1月 14, 2003

[モニク・ウィティッグ死去]

フランスのレズビアン・フェミニスト、モニク・ウィティッグ(Monique Wittig)が1月3日亡くなりました。67歳、死因は心臓発作でした。

Lesbian feminist Wittig dies [Advocate]

記事によると、ウィティッグはラディカルな理論家として、また小説家として、レズビアン&ゲイ男性から多大な支持を得ていたようです。

僕はこれまで彼女の文章は読んだことがなかったのですが(カミール・パーリアの『セックス、アート、アメリカンカルチャー』で槍玉に挙げられているのを見ましたが)、このサイトこのサイトを見ると、常に同性愛の立場から発言していたようですね。

ご冥福をお祈りします。



月曜日, 1月 13, 2003

[更新状況]

Iron Gate にT.S.エリオット 『大聖堂の殺人』を追加しました。


日曜日, 1月 12, 2003

以前も書いたバイロンのゲイ・セクシュアリティについて、ニューヨーク・タイムズでも大きな記事が出ている。

'Byron': I Love Not Woman the Less, but Man More
(The New York Times、記事を見るためには簡単な登録が必要)

まあ、さすがニューヨーク・タイムズという感じで、かなり本格的な内容の記事になっている。特に目を引いたのは、バイロンがゲイであったということが21世紀の読者に新鮮な「クリシェ」を与え、これまでの「女たらし」の陳腐なイメージ(これは同性愛を隠すための偽装だったらしい)から脱却し、新たなバイロン伝説が生まれるだろう、と書いているところだ。

記事の発端は、最近出版されたフィオナ・マッカーシー(Fiona MacCarthy)によるバイロンの伝記”BYRON  Life and Legend”。この本の中でバイロンは、聖歌隊員であったジョン・エレストン(John Edleston)に特に心を抱いていたという。この本、翻訳されないかな。



金曜日, 1月 10, 2003

[ゲイ・コム、パーソン・オブ・ザ・イヤー2002]

Gay.com の2002年パーソン・オブ・ザ・イヤーに、ゲイであることをカミングアウトした元NFL選手エセラ・トゥアオロ(Esera Tuaolo)が選ばれた。

2002 Gay.com Person of the Year: Esera Tuaolo

以前関連記事をを紹介したが、こちらの記事はもう少し深刻なものになっている。エセラ・トゥアオロはスーパーボールにも出演したベテラン・プレイヤーであったが、ゲイを侮蔑するジョークには閉口させられ、一時は自殺も考えたという。しかしカミング・アウト後、好意的なEメールが多く届き勇気付けられたという(もちろんネガティヴな意見もあったそうだけど)。

こういった記事を読むと、どうしても、回収された差別的な本をWebに転載している「やおい」関係者の卑劣な行為を思い出す/思い出さざるを得ない。他者を傷つけ、ダメージを与え、自殺をも考えさせる「暴力」が単なる「ジョーク」で済むのだろうか。絶対に看過できない。「テクスチュアル・ハラスメント」の最たるものだ。

このこととは直接的には関係ないものの、WIRED NEWSの「ブロガー」についての記事には興味を引いた。参考にしたい。




木曜日, 1月 09, 2003

[2002年の主張=The Advocate]

ゲイ・ジャーナリズム&カルチャー・マガジンのアドヴォケイト誌。2002年度のカヴァー&記事一覧が同誌のウェブサイトに掲載されている。

The covers: 2002 [The Advocate] 

まあ、アメリカ中心のストーリーだけれども、2002年度に話題になった硬軟含めたニュースや論争が一目瞭然。

例えばFebruary 5ではBeyond QAF でQAF以外のゲイが主役または登場するシットコムについての話題(以前どこかに書いたイギリスの『メトロセクシュアリティ』についても)。April 2では話題の映画『ビューティフル・マインド』でスクリーンでは「描かれなかった」ナッシュの同性愛についての議論。
April 16では共和党政権時代に相応しい「ゲイの保守主義」。May 28では、ゲイの養子問題や親権について。以前書いたカミングアウトしたNFL選手についてはNovenber 26で。

今年はどんなニュースに熱くなれるだろうか。


水曜日, 1月 08, 2003

[Mad About the Boy ]

カヴァー・ジャケットがなんともエロティックな"Mad About the Boy "シリーズ。言うまでもなくゲイ向けコンピレーション・アルバムで今はシリーズ9まで出ている。

これ、欲しかったんだけど、タワー・レコードで見つからなくて(Onlineでも見つからなかった)、そのままにしていたら、Amazon(日本)で売ってた。
ついでにQueer As Folkのサウンド・トラックも一緒に。




月曜日, 1月 06, 2003

[更新状況]

Iron Gate にプラトン『ティマイオス』を追加しました。




日曜日, 1月 05, 2003

[更新状況]

Iron Gate にルース・レンデル『聖なる森』を追加しました。

土曜日, 1月 04, 2003

[2002年度ベスト本]

ずいぶんと偏ったチョイスと読み方をしてるし、ここのところフィクションの比率がガクンと下がったのですが、とりあえず小説のベスト5を。

1.ドナ・タート『シークレット・ヒストリー』(扶桑社ミステリー)
2.笠井潔『オイディプス症候群』(光文社)
3.ルース・レンデル『聖なる森』(早川ポケミス)
4.ヘンリー・ジェイムズ『金色の盃』(講談社文芸文庫)
5.バーバラ・ヴァイン『ソロモン王の絨毯』(角川文庫)

ドナ・タートは10年ぶりの新作ニュースで盛りあがっていたので読んでみたら、まぎれもない傑作だった。
同じく『オイディプス症候群』も10年ぶりの矢吹駆シリーズ。こちらも読み応え抜群。
レンデル『聖なる森』でウェクスフォード・シリーズを見直した。最後の最後まで「ミステリー」にこだわった充実の一冊。リーダビリティはこれが一番かな。
ジェイムズは読むのに苦労したけど、それだけ得るものは大きかった。小説が「芸術作品」となる見本のようなもの。
ヴァインは本当にハズレがない。これはどちらかというとサスペンス寄りの作品だけど、ヴァイン名義ならではの余韻がたまらない。

金曜日, 1月 03, 2003

[更新状況]

Iron Gate に浅田彰『ヘルメスの音楽』を追加しました。ついでに『ヒッピアス(小)』を加筆訂正。